■日本マクドナルドの復活?チキンタツタは蘇る!
A.日本マクドナルドの状況:
日本マクドナルドのお客様の数は、
1971年に銀座で開業して以来延べ223億人になったという。
当時アメリカ文化の象徴として日本に上陸した。
・食べたいときにすぐサーブされるファストフードという業態、
・ハンバーガーという新しい肉とパンの食べ物、飲み物もついて、
・そのサーブされたハンバーガーを歩きながら食べる、
・スマイル0円という洒脱なサービス行為、
等々
は斬新で、魅力的なものだった。
あれから40年弱経ち、途中いろいろなことが起こった。
今マックは再復活し極めて順調な業績を示している。
この10年ぐらいのマックにはいろいろは障害が起こっている。
・かなり前になるがBSE・狂牛病での大打撃、
・名目管理職システムによる残業代節約事件、
・過剰労働システム、
・マニュアル管理による表面的・慇懃無礼的サービスへの批判、
・安売りによるジャンクフードイメージ、
等々
正に内憂外患である。
単純な安売り哲学だけでは業績の建て直しが出来ない状況が最近までつづいていた。
今、マックの業績は急回復し、
日本の食に、単純なFF(ファストフード)ではない、
複合的な、斬新な価値を提供することが期待されている。
最近の好業績で、将来への財務的な基盤はできつつある。
マックの新しい価値創造へ向かっての知恵の勝負をしなければならない。
この新しい価値に対して、多様なものが期待されるが、
そのひとつが「ノスタルジー」である。
B.マックのノスタルジーマーケティング:
今までに、様々なマックのTVCMが流れてきているが、
今流されている「メニュー復活編」が面白い。
それによると、マックで復活して欲しいメニューNO1は
「チキンタツタ」だという。
このシルバーウィーク過ぎから販売!、
とのTVCMが流れている。
このメニュー復活編が期するところはいろいろとあると思うが、
格別の意味があると思う。
・価格訴求(バリューセットが昼時にお得)、
・プレミアム(ワンダービーグル、車ミニチュアプレゼント)、
・新製品紹介(アメリカサイズのBIGなクオーターパウンド)
のようなオーソドクスなマーケティングテーマに関するTVCMは定番として必須のものである。
しかし、この復活編はすこしばかり意味合いが違う。
いわゆるノスタルジーマーケティングという狙いを背景に持っている、
と思われる。
C.ノスタルジーという経営資源:
過去の経営資源を使うノスタルジーマーケティング。
いろいろな事例がある。
いわゆる復刻版マーケティングでもある。
飲料、書籍・・・・・で枚挙に暇がない。
では、マックのノスタルジーマーケティンの狙いとは?
・商品復活で、内部のスタッフ、外部のお客様を刺激する、元気にする。
・今の顧客リテンションにつながる、マックのファンとしていつまでもいてもらえる。
(ユーザーのロイヤル化を目指していく)
・マックの過去の顧客になりつつある人々、上年代の人、FFを卒業した人にマックに呼び戻す。
歴史のある企業は、ノスタルジーという武器を追うことが出来る。
昔からの顧客の厚みをいかした施策が出来る。
それが何十年と続くサステナブル企業の新興企業にはない持ち味である。
経営資源無しには経営は成り立たない。
過去の蓄積が経営資源である。
過去の蓄積を再評価し、価値化して、将来のビジョンを立てることが
経営者のミッションである。
マックはこれを実戦しつつある。
人、物、金はすべて資源であるが、
目に見えにくい情報資源もある。
技術・ノウハウ、社風、マネジメントスタイル、内外で抱かれているブランドイメージ等である。
例えばトヨタのカンバン方式というノウハウは立派な情報資源である。
すでに技術ブランドの域にまで達している。
過去の顧客も重要な経営資源であり、
その顧客のもつ「企業へのロイアルティ」は何といっても最大の経営資源である。
ロイヤルユーザー層の厚みこそユーザーニーズに立脚した最大の経営資産である。
実は、ここにフォーカスしたのがノスタルジーマーケティングである。
D.ノスタルジーマーケティングの効果:
ノスタルジーは、心理的なバリューを与えてくれる。
ノスタルジー商品へのなじみ感が与えてくれるものは?
・回帰する安心感
・知っているものへの安堵感
等々になる。
では、ノスタルジーマーケティングの効用とは?
マーケティング的にターゲットが明確、売りの読みが出来る。
・外部のターゲットで言えば、
昔からの顧客のロイアルティをどう獲得していくかが課題になる。
対象となる顧客は、
近い過去の顧客、昔の顧客と2通りあり、
いずれも重要である。
しかし、それだけではない。
ノスタルジーは、昔の人には、もちろん受けるが、
新しい人には新鮮に見え、これまた受ける。
現行品のマンネリ感を打破するにも、ノスタルジーマーケティングは有効である。
・内部の人には、結束効果が生まれる。
昔からずっと続いているマックブランド、それはロングセラーとなっているのだが、
そのロングセラーという意味を、内部の皆で確認し合え、
ロングセラーの恩恵を素直に受け入れ、
そのブランドを大切にしようとの意思が生じてくる。
現行商品ブランドを、次のステージに向かって押し進めよう、
ブランディングしようとのエネルギーも生まれてくる。
ノスタルジーマーケティングは案外と波及効果が大きく使い勝手がよいのである。
E.マックの今後:
過去の40年マックは大成功であった。
収益的にも、ブランドの賞賛においても。
今後の40年間、
マックは超ロングセラーへ向かって何をすべきか?
子供のころからずっとマックを見てきた立場からすると、
・大人がおいしいと感じるハンバーガーを、
・大人が入れて楽しめるマック空間を、
・それでいて、昔のノスタルジーを感じさせてくれるマックスタイルを、
期待する。
食の業態は、どうしても飽きられるのが早く、マンネリになりがちである。
ファストフ-ド全体を覆う閉塞感をどう打破し進化させるか?
ファストフード、NO1マックの使命である。
1971年に日本上陸したときのあのセンセーショナルな感覚を、
いつまでも忘れないでいて欲しい。
この稿おわり
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A.日本マクドナルドの状況:
日本マクドナルドのお客様の数は、
1971年に銀座で開業して以来延べ223億人になったという。
当時アメリカ文化の象徴として日本に上陸した。
・食べたいときにすぐサーブされるファストフードという業態、
・ハンバーガーという新しい肉とパンの食べ物、飲み物もついて、
・そのサーブされたハンバーガーを歩きながら食べる、
・スマイル0円という洒脱なサービス行為、
等々
は斬新で、魅力的なものだった。
あれから40年弱経ち、途中いろいろなことが起こった。
今マックは再復活し極めて順調な業績を示している。
この10年ぐらいのマックにはいろいろは障害が起こっている。
・かなり前になるがBSE・狂牛病での大打撃、
・名目管理職システムによる残業代節約事件、
・過剰労働システム、
・マニュアル管理による表面的・慇懃無礼的サービスへの批判、
・安売りによるジャンクフードイメージ、
等々
正に内憂外患である。
単純な安売り哲学だけでは業績の建て直しが出来ない状況が最近までつづいていた。
今、マックの業績は急回復し、
日本の食に、単純なFF(ファストフード)ではない、
複合的な、斬新な価値を提供することが期待されている。
最近の好業績で、将来への財務的な基盤はできつつある。
マックの新しい価値創造へ向かっての知恵の勝負をしなければならない。
この新しい価値に対して、多様なものが期待されるが、
そのひとつが「ノスタルジー」である。
B.マックのノスタルジーマーケティング:
今までに、様々なマックのTVCMが流れてきているが、
今流されている「メニュー復活編」が面白い。
それによると、マックで復活して欲しいメニューNO1は
「チキンタツタ」だという。
このシルバーウィーク過ぎから販売!、
とのTVCMが流れている。
このメニュー復活編が期するところはいろいろとあると思うが、
格別の意味があると思う。
・価格訴求(バリューセットが昼時にお得)、
・プレミアム(ワンダービーグル、車ミニチュアプレゼント)、
・新製品紹介(アメリカサイズのBIGなクオーターパウンド)
のようなオーソドクスなマーケティングテーマに関するTVCMは定番として必須のものである。
しかし、この復活編はすこしばかり意味合いが違う。
いわゆるノスタルジーマーケティングという狙いを背景に持っている、
と思われる。
C.ノスタルジーという経営資源:
過去の経営資源を使うノスタルジーマーケティング。
いろいろな事例がある。
いわゆる復刻版マーケティングでもある。
飲料、書籍・・・・・で枚挙に暇がない。
では、マックのノスタルジーマーケティンの狙いとは?
・商品復活で、内部のスタッフ、外部のお客様を刺激する、元気にする。
・今の顧客リテンションにつながる、マックのファンとしていつまでもいてもらえる。
(ユーザーのロイヤル化を目指していく)
・マックの過去の顧客になりつつある人々、上年代の人、FFを卒業した人にマックに呼び戻す。
歴史のある企業は、ノスタルジーという武器を追うことが出来る。
昔からの顧客の厚みをいかした施策が出来る。
それが何十年と続くサステナブル企業の新興企業にはない持ち味である。
経営資源無しには経営は成り立たない。
過去の蓄積が経営資源である。
過去の蓄積を再評価し、価値化して、将来のビジョンを立てることが
経営者のミッションである。
マックはこれを実戦しつつある。
人、物、金はすべて資源であるが、
目に見えにくい情報資源もある。
技術・ノウハウ、社風、マネジメントスタイル、内外で抱かれているブランドイメージ等である。
例えばトヨタのカンバン方式というノウハウは立派な情報資源である。
すでに技術ブランドの域にまで達している。
過去の顧客も重要な経営資源であり、
その顧客のもつ「企業へのロイアルティ」は何といっても最大の経営資源である。
ロイヤルユーザー層の厚みこそユーザーニーズに立脚した最大の経営資産である。
実は、ここにフォーカスしたのがノスタルジーマーケティングである。
D.ノスタルジーマーケティングの効果:
ノスタルジーは、心理的なバリューを与えてくれる。
ノスタルジー商品へのなじみ感が与えてくれるものは?
・回帰する安心感
・知っているものへの安堵感
等々になる。
では、ノスタルジーマーケティングの効用とは?
マーケティング的にターゲットが明確、売りの読みが出来る。
・外部のターゲットで言えば、
昔からの顧客のロイアルティをどう獲得していくかが課題になる。
対象となる顧客は、
近い過去の顧客、昔の顧客と2通りあり、
いずれも重要である。
しかし、それだけではない。
ノスタルジーは、昔の人には、もちろん受けるが、
新しい人には新鮮に見え、これまた受ける。
現行品のマンネリ感を打破するにも、ノスタルジーマーケティングは有効である。
・内部の人には、結束効果が生まれる。
昔からずっと続いているマックブランド、それはロングセラーとなっているのだが、
そのロングセラーという意味を、内部の皆で確認し合え、
ロングセラーの恩恵を素直に受け入れ、
そのブランドを大切にしようとの意思が生じてくる。
現行商品ブランドを、次のステージに向かって押し進めよう、
ブランディングしようとのエネルギーも生まれてくる。
ノスタルジーマーケティングは案外と波及効果が大きく使い勝手がよいのである。
E.マックの今後:
過去の40年マックは大成功であった。
収益的にも、ブランドの賞賛においても。
今後の40年間、
マックは超ロングセラーへ向かって何をすべきか?
子供のころからずっとマックを見てきた立場からすると、
・大人がおいしいと感じるハンバーガーを、
・大人が入れて楽しめるマック空間を、
・それでいて、昔のノスタルジーを感じさせてくれるマックスタイルを、
期待する。
食の業態は、どうしても飽きられるのが早く、マンネリになりがちである。
ファストフ-ド全体を覆う閉塞感をどう打破し進化させるか?
ファストフード、NO1マックの使命である。
1971年に日本上陸したときのあのセンセーショナルな感覚を、
いつまでも忘れないでいて欲しい。
この稿おわり
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