over the rainbow

kokoni iruyo, ikite iruyo.

9.21 ベトナム八日目

2008-09-23 23:40:20 | Weblog
今日は空港に行ってみることにした。
明日日本に帰るのだが、空港までバスで行きたいのだ。
タクシーに比べて40分の1の値段で済むのに、初めてベトナムに着いた時は、空港にバス乗り場があるのに、バス停はどこだと聞いても誰も教えてくれなかった。
バス乗り場は国内線のターミナル前にある。
国際線ターミナルの前にはタクシー乗り場しかない。
さて今日は、宿からベンタインバスターミナルまでまず歩き、そこから28番のバスに乗る。
バスの中でユカとケンカをする。
私が怒りっぽいせいだ。
海外、特にアジアに来ると気が立ってしまう。
ある程度気を張っていないと、危険なのだ。
イラっときて怒りたくても、ちょっと考えろと言われた。
感情のままに動きすぎだと。
私は、ではつい笑ってしまうことってないのか、と聞いた。
ユカはある、と言った。
つい怒ってしまうのも同じことだ、と私は言った。
けれど、気をつける、とつけ加えた。
バスは終点に着いた。
どうも、このバスは空港の中までは行かないらしい。
小さめのデパート、いやショッピングモールのような施設の横に着き、その中にいる人に空港はどっちか尋ねた。
けっこう遠いようだったし、外は非常に暑かったのでユカにはその施設で休んでいてもらうことにした。
私は空港に向けて歩き出した。
道は広く、歩いている人はほとんどいない。
空港の入り口と思われる場所に着いたが、歩道が切れていて、車道の入り口しかない。
歩いて入ってはいけないのか、と思ったが、少しぼうっとしていたら、車道を歩いて空港に入っていく人がいた。
警備員のような人がいたが、おかまいなしである。
なんだ入れるのか、と安心し、入り口近くに出ていた屋台でジュースを買って飲んだ。
ジュースはお気に入りのレモングリーンティー。
緑茶に砂糖とレモンを入れたものなのだが、この甘ったるさが暑い気候によく合う。
ちなみに紅茶のペットボトルは売っていない。
スカっときれいな空だったので、何枚か写真を撮って、ショッピングモールに戻る。
お互い怒りも少し収まり、またバスに乗って帰る。
しかし、バスの中は暑い。
運転手がクラクションを鳴らしっぱなしでうるさいし、空気も悪く、ベンタインバスターミナルに戻る頃にはすっかり体力を奪われていた。
行きつけのサイゴンセンタービルへ行き、本屋に入る。
ユカがワゴンセールで鴨の本を40%OFFで買っていた。
現金がなくなってきたのだが、残り一日で一万円をくずすと多すぎるので、カードからキャッシングすることにした。
50万ドン、約3,333円。
写真屋さんに行き、フィルムの現像をお願いした。
現像代+プリント36枚で1本あたり約350円。
とても安い。
2本現像に出した後、以前路地裏カフェで出会ったPeterさんが教えてくれた、quan an ngonというレストランに行ってみた。
そこはベトナム人と外国人で超大賑わい。
待っている人がけっこういたので、また後で来ることにした。
デパートでトイレを借りて、大きな郵便局に行き、絵はがきを出す。
切手代は一通あたり8,000ドン、約55円。
郵便局の隣にある、ユカが行きたいと行っていた教会に入ってみる。
ミサの時間だったので、参加してみる。
賛美歌を歌ったり、話を聞いたり、立ったり座ったりなのだか、英語ならまだしもベトナム語なのでさっぱり何を言っているのかわからない。
40分くらいだっただろうか、永遠のように感じられた・・。
教会を出て、さっき通ったquan an ngonへ。
客席を取り囲むように屋台風のキッチンが並べられ、楽しいレイアウトになっている。
内装は木をたくさん使い、照明も暗めで落ち着く・・はずが、店員が多すぎてうるさく、落ち着かない。。
必要な数の倍はいるのではないだろうか、ふざけて喋ってばかりいる奴もいる。
まあ活気があるといえばあるのだろうが。
これだけの店員を養えるのだから、やはりベトナムは勢いがある・・と思う。
ユカが野菜炒めを食べたかったというので、ミックス野菜炒め。
私はもち米のおこわを食べたかったので、Sticky Rice。
それとユカのリクエストでパパイヤサラダ。
私はアイスロータスティー(蓮茶)、ユカはスイカのフレッシュジュースを注文したが、スイカが切れてしまっていたので代わりにグァバを頼んだが、これはかなり青臭かった。
ひとつひとつのボリュームもなかなか多く、おなかいっぱいになり、食後にあたたかいチェー(ぜんざい)も注文して、ちょうど二人で10万ドン。
700円である。
これだけ食べて飲んで、一人350円。
物価がどんどん上がっているとはいえ、今ならまだベトナムはとてもお得で旅行しやすい国だ。
食事を終え、写真屋さんに現像から上がった写真を取りに行く。
文句ない仕上がりで、満足。
宿に帰り、しばし休憩する。
私は写真集のことを考えていた。
友人のミュージシャン達を撮った写真集を作りたい。
そのほとんどは、音楽とは関係ない仕事をしながら活動を続けている。
そこには一般社会人としての大変さに加えて、仕事をしながら真剣に音楽に取り組む大変さがある。
金銭的にも、お金は出て行くばかり。
時間的にも、仕事が終わってから終電間際まで練習したり。
なぜそんな大変なことを続けるのか。
いつかデビューしてビッグになりたい・・なんていう大きな目標もないことはないが、それよりも、音楽を続けるという生き方を選んだだけなのではないかと思う。
体力的に大変でも、CDが思うように売れなくても、ライブにお客さんがあまり入らなくても、彼らは落ち込むこともなく、次はもっとがんばろう、と前向きに音楽を続けていく。
それほどみんな、心から音楽が好きなのだと思う。
インタビューもして、文章も載せたい。
普通とはちょっと違う、音楽をやっている私だからできる構成にしたい。
写真はその人が一番好きな場所で撮りたい。
今夜は、ジャズクラブに行こうと思っていた。
ユカも誘ったが、今日もかなりのハードスケジュールだったため、明日の出発に備えて夜は早めに休むと言っていた。
いつもの角のフォー屋さんに、最後の夕食を食べに行った。
やはりこれが一番おいしい。
新鮮で、気楽で、最高である。
今日はそのフォー屋さん(Pho Ha Noi: 210 Nguyen Khac Nhu, P. Co Giang, Quan 1, DT: 0983 300 236)と同じ経営なのか、隣にある大きめのカフェでカフェスアダーを飲んでみた。
なんとミルクが超大量で、いくらなんでも甘甘である。
お店のお姉さんが愛想よく、お茶のおかわりをくれた。
料理や飲み物を頼むと、お茶をサービスでくれるお店が多い。
特別な話もせずいつものように過ごし、そこの交差点で別れて私はジャズクラブへ向けて歩き出した。
夜の街を走る、膨大な量のバイクの写真をたくさん撮った。
ベンタイン市場前にある大きな公園で、お祭りをやっていた。
小さい子から若者を中心に、すごい賑わいだった。
野外ステージが作られ、3人組の女性アイドルグループや、ソロの男性アイドル歌手が歌っていて、とても多くの人たちがそれに見入っていた。
ユカも来ればよかったのに、と思ったが携帯もないので知らせるのをあきらめた。
そして目的のジャズバーへ。
ベトナムNo.1サックスプレイヤーのTran Manh Tuan氏が経営する、ホーチミンNo.1のジャズクラブである。
暗い店内、飲み物はなんとビールが7万2千ドン。
最初メニューを見て、1万2千ドンと見間違えた。
だって、いつも行っている路地裏カフェのカフェスアダーは6千ドンなのだ。
ものすごい物価の違いである。
もちろんおかわりなど頼めず、ちびちびビールを飲みつつ、演奏を聴いた。
ハウスバンドに加えて、ゲストボーカルの人がロックを歌っていた。
ここのお店はジャズにこだわらず、何でもやるらしい。
日本人らしきギタリストが飛び入りで一曲参加していた。
私もやりたいなあ、と思い、若いスタッフに話しかけてみた。
すると、すんなりオーナーのトランさんを呼んでくれた。
私は日本から来たパーカッショニストですと告げると、ああそうかい、じゃあ後で呼ぶから入って!と言ってくれた。
私はそこにあったコンガを叩いた。
曲は忘れもしない、"Fly Me to the Moon"だった。
トランさんのサックスはとても良かった。
私はいつもやってることをやろう、と何も考えずに演奏した。
ソロタイムも作ってくれたが、いつも通り突っ走りすぎてソロの終盤で失速してしまった。
が、いつも通り楽しく演奏することができた。
トラン氏にありがとうと伝えに行くと、「すごくいいサウンドだったよ、次の曲も入って!」と言われ、女性ボーカルを交えてBesame Muchoなど、合計4曲を演奏させてもらった。
トラン氏はすぐ横で腕組みをして私の演奏をずっと見ていて、曲が終わると「いいね~!」と拍手をくれた。
私はとてもとても嬉しかった。
ファーストセットが終わって、私は早めに宿に戻ることにした。
また会いたいです、と帰り際にトラン氏に告げると、私も早く会いたいよ、と言ってくれた。
最近、初めて会う人に「なんかまた会う気がする」と言われることが多い。
嬉しいことである。
宿に戻って鼻息も荒くユカに話すと、ライブが見れるなら私も行けばよかったーと言っていた。
明日はついに帰国。

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