先週末は、息子の高校の文化祭だった。
え、早くない?と日程を聞いたときに思ったのだけど、まあ学校としても色々事情があるのだろう。当然準備は夏休み中に進めないといけない訳で、文芸部に入った彼が、夏休みの前半、パソコンの前で何やら書いていたのは目にしていた。
文化祭に向けての作品だとは見当がついたので、読むのをひそかに楽しみにしていたのだ。
当日はあいにくの雨模様だったが、たいていは屋内の展示なのでそんなには影響ない。
模擬店などはなく、主に縁日の出し物的な展示が多かったが、僕らの時も似たようなものだったか?いくつかの展示を覘いたあと、いよいよ文芸部へ。
一つの教室を新聞部と半々で使っている。どちらもこじんまりとした展示だ。今年入部した一年生は息子一人らしい。
文芸部の冊子は無料で頒布する形で、過去の部誌も含めてもらってきた。
帰宅して、冊子を手に取る。実際に彼が書いた創作物を読むのは初めてなので少し緊張する。
ペンネームを聞いてなかったのでどの作品が彼のものなのかにわかには分からない。
とりあえず頭から読んでいく。いくつかあとがきを読んでようやく息子の作品が特定できた。
でもペンネーム「冷凍鮭」ってどうなの。

今回、文化祭用と季節ごとの部誌と個人の小冊子とで3編の作品を読ませてもらった。
ペンネームはアレとして、内容は悪くなかった。親の贔屓目もあるかもしれないが、ちゃんと読める作品には仕上がっていたと思う。
文字数から言って当然短編なのだが、きれいにまとめられていた。比喩表現や描写も適切で自然に情景を思い描くことができた。
本当はもう少しオタクっぽいテーマや文体で書いているんじゃないかと予想していたが、いい意味で裏切ってくれた。
逆に言うといまどきの若者ぽくなくて、まるで星新一を彷彿とさせるような文章だった。短編で落ちをつけようとすると似てくるのか。
ただ、言い回しが少し古い?いまどき受付嬢とは言わないし。