リヴィングのオーディオケーブルを高級ケーブルに変えたことで、これを機にはんだごてをするオーディオライフと決別と書きましたが、わたくしは、オーディオに関心はありますが、いわゆるオーディオマニアやオタクとは無縁の音楽ファンです。
以下は、私見ですが・・・、
オーディオ機器に嵌る人と音楽を心から愛している人は相容れないという印象を勝手ながら抱いています。
これまで少なからぬオーディオファンの方と出会ってきましたが、オーディオに傾倒している人で音楽に魂を傾倒しているような人にお目にかかったことがありません。
たとえば、ここに1000万円自由に使えるお金があったとしてそれをオーディオの何に使うかという話になったとき、オーディオマニアの多くは、これ幸いと高級オーディオ機器を始めとした好きなオーディオ機器の購入に大枚を使うことでしょう。が、わたくしはせいぜい1-2割を機器の購入に当て、ほとんどは音楽ソフトとそれを聴く環境として部屋の整備に使うだろうなと。←無論、オーディオ関連に使いなさいという1000万円があったとして、という仮定のお話。
先日、友人と近所のオーディオ専門店に遊びに行ったところ、レコードプレイヤーが並んでいて無性に欲しくなったものですけれど、聞けば団塊の世代の退職にともなっての売れ筋商品の最右翼だそうで、その一方の売れ筋最左翼は、高級オーディオとのこと。スピーカー一台数百万円という世界ながら、去年まで店頭に飾ってあったソナスファベールのSPクレモナとそのワンランク上のアマティが既に売れていて、
そして、
究極の一品と称される新しいSP、ストラディバリも最近売れたそうです。
某オーディオメーカーに勤めている友人のご夫君の話を思い出します。当地で去年、3点、このソナスファベールというメーカーhttp://www.noahcorporation.com/sonusfaber/index.htmlのSPを納入したという話で、やはり「夢に見たオーディオをとうとう買った」という団塊のお客様だったとか。なれど、アンプがどうにもならず、仕方なくそのお宅にあったカラオケのアンプに繋いだら、ずっといい音になったという笑える実話がありますが、これからはこうした高級オーディオ機器が売れ筋の最左翼だそうです。
これは、団塊の世代の一点豪華主義といった嗜好背景を狙っての商戦のようですが、まあ、長年勤めて手にする退職金で何を買おうと個人の自由とは申せ、オーディオ機器そのものに1千万円近いお金をかける前に音響空間はそれに見合ったものなのかしら?それ以前にライフスタイルも一度考えられた方がいいかも・・・と老婆心から思ってしまいました。
オーディオ機器にそんなお金をかけても、聴いているソフトが松田何某という歌手のものだったという笑えない実話もあります。
そういった方は他のことにお金をかけた方がいいように思われるのですが、わたくしのこれまでの見聞体験からも、そういった方が少なくありませんでした。おかしな音楽評を書くなあと思っていたら、実に権威主義的な方で、手持ちの高級オーディオもそのための道具だったようです。
以下は、近所のオーディオ店で売れたというタンノィの高級SPですが、http://www.teac.co.jp/av/import/tannoy/prestige06/westmin_roy_se.html
友人は同じタンノィでも、もうちょっと低価格のSPを愛好しています。が、
その購入の前に自室の壁とドアも全部改装しました。
無論音響効果を計算してのこと。
その改装費用があれば、どんなSPでも買えそうでしたが・・・・、それほどにオーディオに一家言を持ち、かつオーケストラの一員だった人間でもあります。けれど、一台数百万円もするSPを買うなら、数十万円クラスのSPとアンプを沢山買って繋いだ方が、いいなあ・・・というわたくしと同じ意見なので、笑えました。共通の夢が超伝導のオーディオケーブルの開発♪というのも、空想とはいえ爆笑。
友人とは学生時代からの付き合いですが、かつてオーディオオタクという異名をとった友人と音楽中毒になったわたくしの共通項は、オーディオ機器に関係なく音楽をこころから限りなく愛していることかもしれません。
敬愛する恩師は、素晴らしい音楽評をされる方ですが、最近お邪魔したという友人の話では高級SPが部屋にいくつか備えられた中で、愛用していらっしゃるSPは昔十数万円で購入したYAMAHAのSPだったと聞き、何だか胸が熱くなりました。
音楽が日々の心の糧である以上に魂の救済になくてはならないものになったとき、
オーディオ談義の出る幕はないかもしれませんね。