璋子の日記

Beside you

雑巾がけ

2007年06月11日 01時53分20秒 | 日々の日記


( 週末、お友達が持ってきてくれた彼女のお家の庭に咲いているお花です)

週末、突然、あるお友達が訪ねて見えた。
来訪に驚きましたが、
彼女は、近況を一通り話した後に、
「今日は、お掃除をするために来たの」と言うや
バッグからエプロンと雑巾を取り出して、
我が家の床や棚の雑巾がけを始めたのです。

過日、久しぶりにメールをいただいた折、
会いたいという先方の思いに
体調が悪くて答えられなかった時、
闘病中であることを返信メールで伝え、
症状を尋ねてくれたメールに対しては、
ここのブログのURLを知らせた。
それがこの雑巾がけとなったのかもしれない。

元気だった頃、いくら忙しくても、
床の雑巾がけやワックスがけを絶やさなかった。
そんなわたくしを彼女は覚えていてくれたのかもしれない。
闘病中では、きっとそれもできないでいるだろうと
察してくれてのことでした。
正直、とてもとても嬉しく思い、
ご好意に甘えて床の雑巾がけをしてもらったけれど、
数枚の雑巾が真っ黒になるほど床は汚れていました。

やはり、クルクルワイパーなどでは
いくら掃除をして表面はきれいになったように見えても、
床に付着した溜まった汚れというのは、
こうしたものなのだろう。・

土曜日、その午前中いっぱいをかけて
拙宅の隅々まで掃除して雑巾がけをしてくれたお友達・・・
「腰痛持ちで、掃除をしてやりたくとも雑巾がけだけはしないできたんです」と言う老親も、恐縮していた。
彼女が雑巾がけをしやすいように家具を移動したり
さりげなく手伝いをしていた老親。
感謝をささげるばかりでした。

その老親と彼女といっしょに昼食をいただいた後、
午後一番に出かけなければならない会議があったわたくし。
いろいろと話したいこともあったでしょうに、
それを聞いて差し上げられず申し訳なく思っていたら、
いっしょに家を出て乗ったタクシーの中で、
「これからもこうして時々お邪魔してお掃除をさせてもらいますからね」そういって笑顔を見せた彼女。


手足の関節周辺が痛む体にとって、
家事の中で床の雑巾がけほどしたくとも出来ないものはない。
第一、雑巾が絞れないから・・・・

雑巾がけなどということは、
そもそも人に頼めるようなことではない。
いくら友人でも、そうした申し出がない以上、
こちらからはとても頼めることではないのです。

けれど、わたくしと同じような病体の方には
お分かりいただけるでしょうが、
お料理や買い物といったお手伝い以上に、実は
こうしたお掃除が一番有り難いものだったりします。

彼女は、「雑巾がけをすると、床がきれいになって気持ちがいいというだけじゃなくて、、自分も磨かれて清浄になっていくのを感じるの。雑巾がけって、そういうことだと教わってから、家の中だけじゃなくて、こちらの家の床も磨かせてもらうことで、自分を磨いていけるように感じるの」と。
雑巾がけをしていただくわたくしにとって、雑巾がけ自体とても有り難いことながら、この言葉には、素直に共感できました。
わたくしも、そう教えられて育ったから。

夕方電話をくれた友人に清浄な床を眺めながら、
このお友達の事をお話したら、彼も、
「口に出しては言えないけれど、正直な話、そういうのが一番有り難いんだよね・・・」と共感。
いま全国を駆け回ってとても忙しい日々を送っている友人なだけに、誰よりもそのことを理解できるのかもしれない。
今年転居された新居も以前お住まいだったご自宅同様、木をふんだんに使った内装の新居とのこと。雑巾がけされた床の放つ清浄な<気>を、よくよく分かっていらっしゃるからだろう。
しみじみとそう語ってくれた彼の言葉に、
温かいものを感じたわたくし・・・・

買い物やお料理や食器の洗い物など、
訪ねてきてくれた友人たちにしてもらうたび、
とても感謝しているわたくし。
けれど、この雑巾がけだけは頼んだことはありません。
彼が言うとおり、雑巾がけというのは、
頼みにくいというということの最たるものですが、
そもそも、他の家事とは違うものでもあります。
我が子に対してさえ、雑巾崖がけというのは頼むものではなく、
やってみせることによって本人が自然とやるようになる、
そういう性質のものゆえ、垂範が求められる家事。

それが出来なくなって久しい親の姿では、
娘もやらなくなるのは仕方がない。
小さい頃は、兄の姿を見て雑巾がけをしていた娘。
いつかやってくれるときが来るのを信じ
ずっと口にしないできたけれど・・・

電話の向こうで、友人はこう言いました。
「あなたは、そのお友達のご好意に甘えるといいですよ。」

雑巾がけによって生じる<清浄さ>、
それをプレゼントしていただけることほど、
身も心も清まることはないからと。

感謝ですね。
そのご好意を受けようと思いました。
いつか、わたくしの手足の関節が良くなり痛まなくなったなら、
ぴかぴかに雑巾がけとワックスがけをした拙宅に彼女を招こうと思いつつ、それを楽しみに闘病に打ち勝っていこうと。

本当に有難う・・・・

 

その頃には、
高校生生活で忙しい娘も、
この雑巾がけをしてくれるようになるかもしれない。

 

 


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