
知り合いの農家さんの納屋で使われなくなって眠っていた
耕運機を借りることになり、修復作業に挑戦してみた。
耕運機を借りることになり、修復作業に挑戦してみた。
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症状としては、エンジンが掛からないという至ってシンプルなもの、保管状態は良く、多少錆と汚れが目立つ程度。
とりあえず、燃料を入れ、エンジンを掛けてみたが、全く掛からなかった。
更に、燃料ホースから燃料が漏れてきた。とほほ・・・
そこであれこれ失敗しながら進めたのだが、結果として以下の作業を行った。
・燃料ホースの交換
・燃料コックの分解清掃
・キャブレターの分解点検
・燃料タンクの洗浄
・エンジンオイル交換
・キャブレター調整
(1)燃料ホースの交換
燃料が漏れたのは燃料タンクと燃料コックを繋ぐホースからなので、
先ずはイセキ代理店で純正部品を取り寄せることにした。
代理店の話では、純正部品でなくてもホームセンターで
売っている燃料ホースで十分とのことで、取り寄せに気が
進まない風であったが、そこはこちらもプロなので純正部品を
何とか取り寄せてもらった。
送料込みで1320円。ホームセンターで買えば200円程度で済んだ様だが、
純正部品は耐熱耐久性が高そうに見えたのでこれで良しとしよう。
燃料ホースを交換作業を始めたが、最初に古いホースを取り外した所、
ホース内部から錆が出てきた。このままではいかん気がする・・・
ここは焦らず、じっくり確認すべきと判断し、後段の経路も点検することにした。
先ずはイセキ代理店で純正部品を取り寄せることにした。
代理店の話では、純正部品でなくてもホームセンターで
売っている燃料ホースで十分とのことで、取り寄せに気が
進まない風であったが、そこはこちらもプロなので純正部品を
何とか取り寄せてもらった。
送料込みで1320円。ホームセンターで買えば200円程度で済んだ様だが、
純正部品は耐熱耐久性が高そうに見えたのでこれで良しとしよう。
燃料ホースを交換作業を始めたが、最初に古いホースを取り外した所、
ホース内部から錆が出てきた。このままではいかん気がする・・・
ここは焦らず、じっくり確認すべきと判断し、後段の経路も点検することにした。
(2)燃料コックの分解清掃
燃料コックから先の燃料を抜く為に、コックの位置を排出にしてみるが、何も出てこない。
前回入れたガソリンが出てきても良さそうだが??
そこで、燃料コックの分解清掃をしてみた。

手順は以下の通り。
1)燃料ホース3本を外す。(金属の絞め具がそれぞれ付いているのでペンチで外す)
2)本体から燃料コックユニットを外す。
3)フィルタケースを外し、フィルタ、パッキンを取り出す。
フィルタケース、フィルタいづれも長年の垢で変色していた。
フィルタは詰まっていたので新品に交換。
フィルタケースの汚れは問題ないのでそのままとした。
今度は代理店ではなくJAの農機センターに注文。何の問題も無くすぐに入手できた。
このとき、パッキンの交換も進められたので合わせて発注。
更に、キャブレターとの接続ホースを外す際に破損したので、これらのホース2本も発注。全4点で585円、安い!
4)切り替え弁を外す。(停止、運転、排出の各経路への切り替えを行う弁)
本体内部の経路を清掃する。エアブローやキャブクリーナがあれば良いが、今回はカメラ清掃用エアスプレーを
使って見た。
5)L型ホース継ぎ手3本を外す。(ここが最重要!)
L型継ぎ手は以下の3種類がある。
1)コックからキャブレターへ燃料を送るホース用
2)キャブレターフロートから燃料を排出する為のホース用
3)燃料排出ホース接続用
※内径が微妙に異なるので、外す場合は、間違えない様にする。
外観チェックで継ぎ手内が錆びて詰まっていたので、継ぎ手を取り外して清掃したが、
実はこれが重大な間違いだったことが後で判明した。
この継ぎ手は圧入式で、工場組み立て時に圧入されているもので、外してはいけない部品だった。
しかし、継ぎ手はL型の為、針金等の工具で清掃するには取り外さなければならない。
錆取り液を使えばよかったのかもしれないが、この時点では思いつかなかった上、割と簡単に外れたので
そういうものかと思ってしまった。
この部分は、手で押し込んだだけではガソリンがもれたので、シールテープを巻いてハンマーで軽く
叩き込んで対応した。
兎に角、L型継ぎ手内の錆をドリルで削り取り、エアブローで清掃した。
(3)キャブレターの分解点検
![]() | 燃料タンクから燃料コックまでの燃料経路は 錆が詰まっていたので、キャブレター内部を確認しておく。 キャブレター内部の確認箇所は以下の部品になる。 ・フロート部 ・スロージェットノズル ・メインジェットノズル フロートケースは底面のネジを外せば開けることができる。 今回、ネジが錆で硬く、フロートケースもパッキンにくっ付いて開けるのに苦労した。 いづれも力技でこじ開ければ良い構造であった。 点検作業は、フロートケースを外し、フロート動作の確認までとした。 ノズル部、吸気経路は非常に綺麗であった。 ここまで点検、清掃、部品交換を行った時点で、燃料を入れ、燃料漏れが無いことを確認。 試しにエンジンを掛けてみると、掛かった! が、何やら調子が今一。 試運転で、畑を耕して見たら、負荷が掛かるとエンスト・・・でも先行きは明るくなった! その後、何度か耕運作業に使用してみるが、回転ムラ、エンストを繰り返す。 ジェットノズルの調整を繰り返すが完治せず、先行きが見えなくなってきた。 1週間ほど間が空いて、いざ始動してみるがエンジンがかからない。 ここは冷静に考えて、再度燃料経路をチェックすると、 燃料タンクからコックへ入る入口部分から黒いサビの塊がドサッと出てきた。 原因はタンク内の錆、タール類のようだ。 洗浄後、エンジンは一発始動! まあ、何度か使っていれば出なくなるだろう。 |
(4)燃料タンクの洗浄
実の所、(3)までである程度エンジンの動作も安定してきたので、農作業を行っていたのだが、
畑のど真ん中でエンストして動かなくなったのには参った。
再度燃料コックを点検した所、また黒い錆の塊が詰まっていた。
どうも最初から続く一連の不調は、タンク内の錆やカスが、大小折り混ざっての仕業の様だ。
改めて確認すると、タンク内の状態はこんな感じ・・・錆屑だらけだ

流石に錆はどうしようもないので、燃料タンク交換かなと思い、
またまたJA農機センターにて部品手配を試みたが、流石にもう入手不可能だった。
仕方ないので、燃料タンクを徹底的に洗浄することにした。
ググッて見ると、燃料タンクの洗浄方法は、バイクでよく行われているタンククリーナーを
使うやり方が良さそうだ。
そこでタンククリーナーなるものを調べたら、花咲かG製タンククリーナーが
良さそうだったので、早速購入してみた。

使用方法はメーカーサイトに詳しく書いてある。
今回の作業内容は以下の通り。
はじめに、使用方法では燃料計を外すとあるが、今回のものは外せそうにないので、そのまま洗浄することにした。
1)燃料タンク出口封止
コストを掛けず手近なもので塞げるものは・・・と考えた末、
作業上非常に便利な曲がるストローを採用した。

ストローの径が丁度出口パイプの内径にぴったりで、外からビニールテープで巻いてシールした。
このとき、ストローの吸い口側(ジャバラ部からの長さが短い方を指し込むのが良い。
長い方の先端2cm程度を折り曲げ、セロテープで止めて塞ぐ。
2)タンク内の錆カス、ガソリン等洗浄
洗剤は日用品で良いので、台所洗剤を希釈して6時間程漬け置きし、
洗浄液は全て洗い流し、水で内部を洗浄する。予想外に大量の錆が出てきた。

また、ここでの注意点として、タンク上側(燃料計のある面)を下にして洗うと、中の錆が燃料計の窓に入り込み、指針が見えなくなってしまうので、気をつけること!
今回は、6)までの作業で何とか視界が回復したが、窓内が汚れてしまった。
3)タンククリーナーによる洗浄
原液を20倍で希釈し、注入口ギリギリまで満たし、漬け置きした。
説明書では錆がひどい場合は24時間以上漬けるとあるので、丁度24時間漬け置いた。
4)洗浄液の排出、タンク内の洗浄
説明書では、使用済み液は再利用できるとあるので、捨てずにペットボトルへ移すことにした。
ストロー先端の折り曲げた部分を元に戻し、ペットボトルへ差し込めばOK!

今回タンク裏面の出口を曲がるストローで塞いだメリットがここにある。
洗浄液を抜いたタンクを水でよく荒い、内部の錆カスを出し尽くす。
タンク底面側は綺麗になっていることが見えたが、上面側を手袋で触ると、まだかなり錆が残っていた。
5)タンク内上面側の洗浄
出口ストロー先端を再度折り曲げて塞ぎ、1リットル程新しい希釈液を入れた後、
使用済み液で満タンにし、上面側を下側にして24時間漬け置いた。
燃料キャップには空気抜き溝があり、逆さにすると漏れる場合があるので、予め塞いでおく。
6)洗浄液の排出、タンク内の洗浄
4)の作業を繰り返し、内部を洗浄する。内部は見事に綺麗になった!

7)乾燥作業
出口ストローを外した後、タンク内に埃が入らない様に、注入口を開けたまま、下側にして干した。
乾燥時間は屋外で48時間程。日中は日当たりの良い所に置くと速く乾燥する。
以上で錆まくった燃料タンク内部の洗浄が完了した。
最後に改めて洗浄前後を比較すると、こんな感じ。


さてさて、これで耕運機の完全復活となるか?!
畑のど真ん中でエンストして動かなくなったのには参った。
再度燃料コックを点検した所、また黒い錆の塊が詰まっていた。
どうも最初から続く一連の不調は、タンク内の錆やカスが、大小折り混ざっての仕業の様だ。
改めて確認すると、タンク内の状態はこんな感じ・・・錆屑だらけだ

流石に錆はどうしようもないので、燃料タンク交換かなと思い、
またまたJA農機センターにて部品手配を試みたが、流石にもう入手不可能だった。
仕方ないので、燃料タンクを徹底的に洗浄することにした。
ググッて見ると、燃料タンクの洗浄方法は、バイクでよく行われているタンククリーナーを
使うやり方が良さそうだ。
そこでタンククリーナーなるものを調べたら、花咲かG製タンククリーナーが
良さそうだったので、早速購入してみた。

使用方法はメーカーサイトに詳しく書いてある。
今回の作業内容は以下の通り。
はじめに、使用方法では燃料計を外すとあるが、今回のものは外せそうにないので、そのまま洗浄することにした。
1)燃料タンク出口封止
コストを掛けず手近なもので塞げるものは・・・と考えた末、
作業上非常に便利な曲がるストローを採用した。

ストローの径が丁度出口パイプの内径にぴったりで、外からビニールテープで巻いてシールした。
このとき、ストローの吸い口側(ジャバラ部からの長さが短い方を指し込むのが良い。
長い方の先端2cm程度を折り曲げ、セロテープで止めて塞ぐ。
2)タンク内の錆カス、ガソリン等洗浄
洗剤は日用品で良いので、台所洗剤を希釈して6時間程漬け置きし、
洗浄液は全て洗い流し、水で内部を洗浄する。予想外に大量の錆が出てきた。

また、ここでの注意点として、タンク上側(燃料計のある面)を下にして洗うと、中の錆が燃料計の窓に入り込み、指針が見えなくなってしまうので、気をつけること!
今回は、6)までの作業で何とか視界が回復したが、窓内が汚れてしまった。
3)タンククリーナーによる洗浄
原液を20倍で希釈し、注入口ギリギリまで満たし、漬け置きした。
説明書では錆がひどい場合は24時間以上漬けるとあるので、丁度24時間漬け置いた。
4)洗浄液の排出、タンク内の洗浄
説明書では、使用済み液は再利用できるとあるので、捨てずにペットボトルへ移すことにした。
ストロー先端の折り曲げた部分を元に戻し、ペットボトルへ差し込めばOK!

今回タンク裏面の出口を曲がるストローで塞いだメリットがここにある。
洗浄液を抜いたタンクを水でよく荒い、内部の錆カスを出し尽くす。
タンク底面側は綺麗になっていることが見えたが、上面側を手袋で触ると、まだかなり錆が残っていた。
5)タンク内上面側の洗浄
出口ストロー先端を再度折り曲げて塞ぎ、1リットル程新しい希釈液を入れた後、
使用済み液で満タンにし、上面側を下側にして24時間漬け置いた。
燃料キャップには空気抜き溝があり、逆さにすると漏れる場合があるので、予め塞いでおく。
6)洗浄液の排出、タンク内の洗浄
4)の作業を繰り返し、内部を洗浄する。内部は見事に綺麗になった!

7)乾燥作業
出口ストローを外した後、タンク内に埃が入らない様に、注入口を開けたまま、下側にして干した。
乾燥時間は屋外で48時間程。日中は日当たりの良い所に置くと速く乾燥する。
以上で錆まくった燃料タンク内部の洗浄が完了した。
最後に改めて洗浄前後を比較すると、こんな感じ。


さてさて、これで耕運機の完全復活となるか?!
(5)エンジンオイル交換
エンジンオイルの抜き口は、エンジン本体下部の側面にある。手順は以下の通り。
1)オイルキャップを外す。
2)抜き口ネジを外し、オイルを抜く
3)抜き口ネジを締め、オイルを注入口から入れる。
4)300cc程入れたら、オイルキャップのゲージで確認する。
(6)動作確認
ピかピカになったタンクを装着し、ガソリンを入れ、いざ始動!
エンジンは掛かったが、回転ムラが目立つ。
一抹の不安を抱きつつ、畑へ突入すると、すぐにエンスト。
いやいや、冷静に考えて、燃料系は問題ないのだから
スロージェットとメインジェットをあれこれ調節してみると、安定してきた。
この後、次第にエンジンの安定性が増してきて、エンストすることなく、快調に力強く、耕運作業をこなした。
これで、完全復活!だと思う。
>>>>
その後の作業で、ときどきミスファイアリングが生じる。マフラーはサビて少し穴が空いている様だが、
念の為、排ガスの状態には気をつけておこうかな。

余裕があれば、点火プラグの点検もしたいところだ。
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