先日、障害者スポーツ振興センターに江南市の中学生5名が見学に来てくれました。
私たちのセンターは、スポーツ施設を持っていないので、本格的に障害者スポーツを体験することはできないのですが、いくつかの質問を持ってきてくれたので、いろいろなお話しをしながら、少しだけ障害者スポーツの体験をしてもらうことができました。
今回、5人が取り組んでいたテーマは、「障害者にとってスポーツの意味は何か」です。
ここで、少しだけ当日お話しした内容の一部を紹介させていただきます。
Q.1 どのようなスポーツをしているのですか。
A.1 国際オリンピック委員会が「オリンピック」という名称の使用を許可しているのは、デフリンピック(聴覚障害者の競技大会)のほか、パラリンピック(身体障害者の競技大会)、スペシャルオリンピックス(知的障害者の競技大会)があります。
トップ(ハイエリート)からレギュラーまで、老若男女を問わず、皆さんが知っている「スポーツ」はすべて行われています。また、障害の特性に合わせて様々な競技上の約束や道具などがあります。
例えば、ボッチャ競技は、脳性麻痺などの運動能力に障害がある競技者向けに考案された種目で、パラリンピックの公式種目になっていて、世界40カ国以上のに普及している競技です。
Q.2 何人くらいが参加していますか。
A.2 10月に行われた全国障害者スポーツ大会「山口大会」へは、愛知県から約140人、66都道府県指定都市から総勢5,263人(うち選手3,144人)が参加しました。
Q.3 教えている人は何人いますか。
A.3 日本障害者スポーツ協会の登録指導員が21,214人、スポーツドクターが126人(平成22年7月31日時点)います。愛知県には、949人の指導員がいます。
Q.4 参加料はいりますか。
A.4 全国障害者スポーツ大会や愛知県大会などは無料です。一部の競技会は、参加料が必要な場合もあります。
Q.5 どうしてこのような施設(センター)を作ったのですか。
A.5 国や県の施策が進められる中で、誰もが安心して生きがいを持って生活できる地域社会を築くことが目標とされました。「ノーマライゼーション」や「バリアフリー」の理念に基づき、障害者の方の自立と社会参加の促進を図るために設置されました。
Q.6 障害者にとってスポーツとはどのような存在ですか。
A.6 健康づくり、競技、余暇活動など、目的は人によって様々です。
障害者スポーツの始まりはイギリスで、戦争で負傷した軍人のためのものだったといわれていますが、体力低下、身体機能の低下などによる二次障害の予防にもスポーツ活動は効果があり、障害の特性に合わせて、安全に楽しく行うことで、その人らしい生活を送るためのリハビリテーションの効果もあります。
Q.7 スポーツを始めてどのように変化が見られましたか。
A.7 健康や体力、満足感といった個人的効果とともに集団や地域社会全体にもたらす効果もあります。人との出会いや交流、コミュニケーションにより、つながりが深まり、社会参加が促されることによって、地域を愛する心や連帯感が生まれるなどの社会的効果もみられます。
その後、せっかくの機会なので、障害者スポーツを体験を、ということでサウンドテーブルテニス(視覚障害者卓球)のボールに実際に触れてもらいました。
皆さんには、音が出るボールを会議用の机(競技では専用の卓球台を使います)で、実際に打ってもらいました。遅いボールには対応できるのですが、速い球には難しそうでした。
中学生の皆さんには、今後、地域で障害のある方たちと一緒にスポーツで汗を流す機会を作ってもらえたらいいなと思います。