少子化で行こう

世の中、少子化対策音頭が鳴り響く。人口減少もあると、恐怖心を駆り立てる。でも、何かそれって変じゃない? ままで行こうよ。

やはり「お子さんまだ?」だ

2006-02-04 04:58:10 | Weblog
2 その他の企業等における取組 (子育て支援官民トップ懇談会)について


少子化支援として「トップ懇談会」なる会合が持たれています。

「トップ懇は、内閣官房長官の主宰によるもので、関係閣僚(内閣官房長官、少子化対策担当内閣府特命担当大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣)と経済・労働界の団体(日本経済団体連合会、経済同友会、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、日本労働組合総連合会、社会経済生産性本部)のトップで構成されている。」

怪しい。実に怪しい。戦時中の「産めよ増やせよ」については、実はそれほど国民への強制力は持っていなかったという説がありますが、さらに強まる「少子化対策」は国民への命令的性質を強めつつあります。

そもそも「トップ」という発想についていけるこれから結婚しよう、出産しようという人はいないでしょう。

命令というのは掛け声だけで終わるでしょう。いや、それならばいいのですが、「少子化対策ファシズム」が強まって、子育ての環境を整えましょう、ということだけにとどまらず、より出産への強制力が強まることを懸念します。

ちょっと前まで女性が嫌がった言葉「お子さんまだ?」が、国家的規模で語られるいやらしさとでもいえるものです。


(参考)
http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2005/17WebHonpen/html/h1230210.html

笑える次世代認定マーク

2006-02-03 05:47:00 | Weblog
(認定企業)について

大きな企業と小さな企業で、従業員が子育てを手伝って欲しいと考えているのはどちらでしょうか? 常識的には、企業規模が小さいほど給与も少なく、労働もたいへんであると考えるのではないでしょうか? それでも、次の文章に見られるように、大きな企業では「次世代育成支援対策推進法に基づき、従業員数が301人以上の企業では、2005(平成17)年4月から、次世代育成支援のための行動計画を策定し、その旨を各都道府県労働局に届け出ることになった。」ということです。

そして、

 「行動計画に定めた目標を達成したことなど一定の要件を満たす場合には、申請により厚生労働大臣(実際は権限を委任された都道府県労働局長)の「認定」を受けることができる。認定を受けた企業は、その旨を示す表示(次世代認定マーク)を広告、商品、求人広告などにつけることができる。次世代認定マークによって、次世代育成支援対策に積極的に取り組んでいることが対外的に周知されることになり、企業イメージの向上、優秀な人材の確保や、それにともなう生産性の向上、従業員のモラールアップなどの効果が期待される。」

と言います。まず「次世代認定マーク」という名称はいただけません。「次世代育成支援企業マーク」位の表現で無いと「次の世代を認定している」では何のことかわからないではありませんか? 何でも短くすればいいというものではありません。

それに、企業の宣伝にもなりますよ、というのは余計なお世話です。それは、企業が考えればいいことです。妙な押し付けがましさが感じられる表現です。

いずれにせよ、従業員規模が301人以上のところがより恵まれるようになって、企業間の格差やそのイメージが拡大していくことになるようには思います。

まずは、実行しやすいところからというのもわかりますが、本当に必要なところに、支援をさしのべないで、不平等を広げてもよいという発想もあることに注意したいものです。ただ、個人的には効果はない、と考えますが・・・。



(参考)
http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2005/17WebHonpen/html/h1230110.html


環境を整えたってねえ

2006-02-02 05:23:40 | Weblog
(4)子育ての新たな支え合いと連帯 について

現在の状況で女性が働くことができる環境を整えようと必死です。

「全国どこでも保育サービスが利用でき、就業形態に対応した保育ニーズが満たされるよう、待機児童ゼロ作戦をさらに展開し、受入児童数を2009(平成21)年度までに、約12万人増やすとともに、多様な保育ニーズへの対応として、延長保育(2004年度12,783か所→2009年度16,200か所)、休日保育(同666か所→同2,200か所)、夜間保育(同66か所→同140か所)、病後児保育(同507か所→同1,500か所)等の実施箇所数を大きく増加させることとしている。」

おーい、母親はいつ子どもを育てるのだい? 送り迎えは、祖父母か地域の人か保育園のバス。

働く女性は思うでしょ。これならばいつだってできちゃっても大丈夫。子育てを離れた私の自己実現に向けて時間を割けるわ。ラッキー。

環境を整えてもね。自分で環境を整えたのでなければ利用するだけで、その意味を考えることはしませんよね。

(参考)
http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2005/17WebHonpen/html/h1220234.html





家庭無人化では家族への愛は育たないのでは

2006-02-01 17:22:49 | Weblog
(3)生命の大切さ、家庭の役割等についての理解 について

この節も、人道的でひとつひとつの文章は反対することがなかなかに困難な道徳の教科書のようなものになっています。

いわく、

 「家庭は、子どもが親や家族との愛情によるきずなを形成し、人に対する基本的な信頼感や倫理観、自立心などを身に付けていく場である。しかし、職場優先の風潮などから子どもに対し時間的・精神的に十分向き合うことができていない親、無関心や放任といった極端な養育態度の親などの問題が指摘されている。家庭において夫婦が子育ての喜びを共有することで、親から子へ子育ての喜びや楽しさが伝えられることにもつながる。」

その通りです。ただ、私が思うにはそのためには、夫婦がともに働いて家にいないようではいけません。家庭が大切なものならば、守っていたり、いつも誰かがいることが必要なのではないでしょうか?

女性が働く環境を整えるということは、家庭無人化を促進することで、それで家族や家庭の価値の大切さを伝えよというのは難しいかな、と思うのです。

(参考)
http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2005/17WebHonpen/html/h1220233.html