クラブボクシング@ゴールドジム湘南神奈川

普通、湘南辻堂といえばサーフィンなのにボクシングでひたすら汗を流すオッさん達のうだうだ話!

ワタシはタナコ 前編

2021年01月26日 | ちっちゃいおっさん

 

ヤング朴竜、証券マン時代のお話。

 

新人の営業マンは精神力を鍛え肚を練るために毎日ひたすら飛び込み営業を繰り返すことが仕事です。


バブル前夜とはいえ、早々に取引など出来るわけがなく、その理不尽さとハードさ故に同僚はどんどん辞めていくわけです。


体育会系のノリなんです。

 

私自身はと言うと、他にすることもないし、また就職先探すのも面倒だし、支店の稼いでる先輩達や先輩達のお客様から可愛がられて、毎晩毎夜宴席やおねーちゃんがいる場所を奢られまくっていましたので、

結構楽しくてへらへら過ごしてました。



カバン持ちのたいこ持ちなわけですよ。

これはこれで楽しいんですよ。いや~ 大らかで良い時代でした。

 

しかしながら、証券会社は数字が全てですから、へらへらしながらも人に見えないところで種を蒔いて置かなければなりません。


そんな中での2年目、夢にまで見た念願の風呂付マンションに引っ越すことができました。場所は北区、新築2Kで家賃は確か7万円、新築マンションは4階建て20世帯ほど入居していました。

 

そして大家さんはその裏手の広大な敷地にお住まいでした。

 


「どんな金持ちが住んでいるんだろう? 客になってくれねえかな~ 」などと妄想を膨らませながら、銀行振込みで支払う家賃を最初だけはと、挨拶がてら邸宅を持って行ったのです。

 

その大邸宅はもう、門塀から金持ちオーラが放たれており、駆け出し証券マンに容赦無くプレッシャーをかけてきます。


しかしながらよくよく考えると、客は私の方でして、店子として大家に家賃を払いに来ただけですので、緊張する必要がないことに気づき、インターフォンから用向きを伝えると、お手伝いさんがふたり出てきてくれました。

 



が、ですよ。

 

お手伝いさんの後ろには、デカいオスのボクサー犬が2頭、それよりデカいジャーマンシェパードが2頭、計4頭の軍用犬がいたいけな店子の私に向かってグルグルと唸り続けてるんですよ。

 

お手伝いさんの非力ではいつリードが解けて、軍用犬に食い殺されるかハラハラドキドキもんです。「こりゃあ、下心完全に読まれてるなあ~」心で舌打ちしながら、お手伝いさんとやりとりを終えました。

 



聞くところによれば、旦那様は某上場自動車会社の会長であること。軍用犬は旦那様の趣味、無類の犬好き、奥様は猫が好きで邸宅には猫多数とのこと。

 

そうか、う~んと考え、取引成約に向けて「大家と言えば親も同然、店子と言えば子も同然作戦」(要は情に訴えかけるだけ)を決行するしかありません!作戦の骨子は

 

1. 家賃は必ず直接手渡し話をする。

2. 猫好きの奥様に気に入られる。

3. 恐怖を克服し4頭の軍用犬を手なづける

4. 下心は決して悟られてはならず。

 

しかして、その結果はいかに!

後編へ続く。



写真は本編と全く関係のない朴竜部屋のビートルズグッズ