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クラブボクシング@ゴールドジム湘南神奈川

普通、湘南辻堂といえばサーフィンなのにボクシングでひたすら汗を流すオッさん達のうだうだ話!

Iwajovi短編妄想小説5

2013年02月10日 | Iwajovi短編妄想小説
4・Welcome to the Jungle


俺は基本的に右利きだが、体の回転やバランスはサウスポーのほうがしっくりきた。

クラブボクシングの基本レッスンは20段階あり、各3回ずつで計60回。
果てしなく長い道のりに感じた。

レッスン内容は、シャドーボクシングを6ラウンズ、
バック打ちは5つのコンビネーションを15×6セット、
ワンツーの連打も6セット。これは、思ったよりハードだ。

それでも不思議と耐えられた。その先で得るものが大きいのだ。
レッスン課程を終えた者やボクシング経験者は、
フリーでトレーニングをしていて、ミット打ちやスパーリングをしていた。
早く彼らのように、リングでボクシングをしたかった。
拳を交えて初めて仲間になれるような気がした。

ドネアや後にランニング仲間になるNNは、
茅ヶ崎のALA堀ノ内というジム出身で、体の使い方がまるで違い、思わず魅入ってしまう動きだった。
「彼らに追いつきたい。」

俺は人見知りをしない性格なので、ジムメイトとはすぐに打ち解けたが、
レッスンを終えて拳で語り合うようになると、予想通りその仲は更に深まった。
その頃には肥えていた俺の体は、だいぶスリムになってきていた。

ドネアとは練習後によく飲みに行った。
ドネアは、女だけのグループを見つけては必ず言った。
「あそこで飲んでる女の子達で、どれがタイプ?」
そんな彼だが、確かなボクシング眼と知識を持っていて、
時々アドバイスもくれた。
今の仲間達、ピーやま、会長、アセヲなども加わってきた。


やがて、オヤジファイトの存在を知った。
出場資格が33歳以上で元プロも参加するという、最高峰のスパーリング大会だ。

今から3年前、2010年の5月くらいだったろうか、
セイジがそのオヤジファイトに出場した。
俺はボクシングを始め5年が経過していて、この大会への出場を視野に入れていた。
「スピードのあるセイジがどこまでやれるか?」
俺はそこにも注目していた。

まさか、この大会で忘れかけていたあの顔を見ることになるとは・・・。


あしたにつづく


うーん、きな臭い裏社会が出てこないと筆が乗らない。
しかも、私の入会前のこと知らないし。
イワジョビッチ出てこないし。


Iwajovi短編妄想小説4

2013年02月09日 | Iwajovi短編妄想小説
3・悪魔をも憐れむ轟音


正直なところ、この歳でプロを育成するようなジムに入門するのは気が引けた。なにしろ、ボクシングという未知の領域に足を踏み入れようとしているのだ。
かといって、ボクササイズのような甘ったるい世界には興味がなかった。
その中間、そんなものがあるのかと思ったが、どうやらあるらしい。
ゴールデンボーイジム湘南というフィットネスクラブに併設されたクラブボクシングというジムがあったのだ。
とはいえ、クラブボクシング自体のホームページはなく情報が乏しい。会員を募る気があるのかは疑問が残ったが、俺は行動力がある方だ。その週末には、ゴールデンボーイジム湘南がある辻堂に向かっていた。

今でこそ、大型ショッピングモールがあって栄えているが、当時の辻堂は寂れていた。俺が育った街のように。

駅前に中階層のビルがあり、その3階と4階がゴールデンボーイジムだった。
3階の受付に行くと、割と美人な女がいた。
「見学ですか?」
女が言った。野暮なことを聞く女だ。俺は、山があれば登るし、海があれば飛び込むし、穴があればとりあえず入る、そんな男だ。
「クラブボクシングに入会する朴です。」
得意気に言ってやった。

女は驚愕の表情を見せたが、そこはサービス業のスタッフらしく、すぐに入会手続きに入った。

その時だった。轟音が鳴り響いた。天使すら泣きだすような轟音だ。音の主は上から聞こえた。

後に、オヤジファイトのライトヘビー級を制し、俺と杯を交わして苦楽を共にするドネアの右ストレートが、サンドバックにめり込んだ音だった。

この時点で、シバノフとイワジョビッチとの再会は果たしていない。再会するなど心の片隅にも思っていない。

もちろん、クラブボクシングを経営するスポプロが、裏社会を牛耳るトップランクのフロント企業であることなど知る由もない。


来週のいつかにつづく


有楽町で軽く一杯飲んでライナーで書きました。
ちょっと気持ち悪いですわ。



Iwajovi短編妄想小説3

2013年02月06日 | Iwajovi短編妄想小説
2・湘南アンダーグラウンド


シバノフ・ファミリー・・・。

裏社会を牛耳るトップランクの下部組織で、
湘南を根城に構える武闘派組織。
それくらいの知識は、一般人の俺でも持っていた。

8年前のある日、何かに飢えていたある日、藤沢の小田急デパート近くの路地で、
若いギャング風の男2人に絡まれた。
彼らも何かに飢えていたのだろう。
いや、どこにも光を見いだせず、もがき苦しんでいたのだろうか。

いずれにせよ、肥えた中年の俺は、彼らの的になった。
俺は壁に押し付けられた。
「オッサン、金貸してくれよ。俺らシバノフ・ファミリーに顔が利くんだぜ。」
事もあろうに、シバノフ・ファミリーの名を出した。
ハッタリであることは明らかだが、
当時の俺には、彼らを軽く伸せるほどの戦闘力は持ち合わせていなかった。


「俺はお前らなんぞ知らねえよ。」
彼らの後方から野太い声がした。黒いスーツの男が2人いた。
それがシバノフとイワジョビッチだった。

「イワジョビッチ、やれ。」
野太い声の男がそう言うと、一歩前に出てきたのは小柄な男だった。
寡黙そうで、およそ暴力とは縁のないあどけなさの残る男だった。

小柄な男は、1人を一撃で伸し、もう1人を30秒に渡って殴り続けた。
ボクシングの動きであることは明らかだった。
それが、後にオヤジファイトで二階級を制するイワラッシュだった。

シバノフとイワジョビッチは、俺には目もくれず、
何も言わずに去って行った。


そんな事件が脳裏をよぎった。

とにかく、俺はすぐにインターネットで、
湘南エリアのボクシングジムを検索した。

  いつかにつづく


ちょっと長くなっちゃいました。
ここまでは割とすんなりきてますが、
ちょっとキツくなってきました。
ペースダウン必至!
次からはボクシングジムが舞台になります。
脇役のイワジョビッチが、主役の朴さんを食いつつありますな。

Iwajovi短編妄想小説2

2013年02月05日 | Iwajovi短編妄想小説
1. 麻薬と閃光

「ボクシングは、麻薬のようなものだ。」と、誰かは言う。
そのボクシングを俺が始めたのは、8年も前に遡る。

自分で言うのもおかしな話だが、高学歴で高収入、
家庭も円満、俺は誰もが羨むくらい満たされていた。
それは現在も変わらないのだが。

ただ何かに飢えていた。家族の幸せの為に、コンクリートジャングルで戦い続け、
高収入を得てもなお、俺は何かに飢えていた。

いや、満たされることで、肥え過ぎていた。


偶然、液晶画面はボクシング中継を映し出していた。
「これだ!」

そして、ある事件が脳裏によぎった。それは閃光のように。

シバノフ・ファミリー・・・。
 
イワジョビッチ・・・。

乳首にまだ異常はなかった。


  いつかにつづく


幼稚な妄想がヤバいですな。
中2病ってやつです。
なんかくだらないんで、やめようかな。

Iwajovi短編妄想小説

2013年02月04日 | Iwajovi短編妄想小説
序・観客席の遺影


「赤コーナー、ゴールデンボーイジム湘南所属~、パッキャオ~!」

リングアナのコールと共に拍手が起こる。セコンドのシバノフが、俺を鼓舞するかのように肩を2回叩いた。
もう一人のセコンドのドネアは、両手を上に上げ、観客席に拍手を煽る。
すると、一際大きな歓声を上げる一団があった。

アセヲ、ピーやま、会長、元アマH、セイジ、それにコイズミ もいる。コイズミが、ある遺影 を両手に持ち、高く掲げた。
「イワジョビッチも観てるぞ!」


イワジョビッチ・・・。

「朴さん、最後くらいカッコつけさせろよ。あんたや仲間たちは、初めて出来た俺の仲間なんだ。朴さん、絶対に勝てよ。」
奴はそう言って、スポプロファミリーとの抗争の犠牲になって死んだ。


そうだ、あいつがいなければ、俺はこのリングに立っていない。
いや、それどころか、みんなボクシングを続けられなかっただろう。

       いつかにつづく