「白洲正子能面学」と「面打ち」

白洲正子著「能面」を定本として、現在各能楽宗家、美術館、博物館、神社等に所蔵されている能面を面打ちも含めて研究してみる

「白洲正子能面学」と「面打ち」-020

2014-11-15 14:50:28 | 日記
 
白洲正子能面学」と「面打ち
                                        
 -020
 
 
 
 
 
 
能舞台
 
 
 
(きぬた) 
 
出立と能衣装  
 
 
唐織脱下女無紅出立 (からおり ぬぎさげ おんないろなし いでたち
 
 
 
 
世阿弥作 ・  
 
 <曲見(しゃくみ)> 
 
 
 
 
 
 
について
 
 
 
尉 面
 
 尉面の舞台での使い方として、「前シテ」と「後シテ」としての使い方の二種類がある。
 
前シテ・・・小尉ー朝倉尉ー三光尉ー笑尉ー阿瘤尉ー髪無尉など
 
後シテ・・・舞尉ー皺尉ー石王尉ー木賊尉など 
 
 
笑尉 
 
池田家伝来の尉面である。裏面に正確な刻印がないが、「元」という文字から越前出目元休家の四代から七代までのいずれかとされている。
 
 
笑尉 ・ 池田家伝来
 
 
 
 
 この面の名称の由来は、読んで字の如く「笑っている尉」という意味であり、尉の面の中では最も古い。「申楽談義」の中に<恋重荷>にこの尉面を使ったとされている。尉面の中では頬骨の突き出し加減、筋肉の厚味も、最も目覚しい。朝倉尉や三光尉と同じく、三段の口髭があり、上下に逞しい歯列が見え、微笑の度合いが際立っている。
 
野守><鵜飼><飛雲><阿漕><善知鳥(うとう)>などで登場する。
笑尉を付ける場合には、扮装は朝倉・三光尉に準じる。
 
 
 
 
 
 
 
 阿瘤尉
 
 
 
阿瘤尉 ・ 池田家伝来 ・ 江戸時代
 
 
 
阿瘤尉は別名「阿古父尉」とも書く。 この面の名称のはっきりとした由来は不明。額の突起が瘤状をしていることから、あるいは頬の筋肉が瘤状をしている事から来ている。
 
面の用途は「木賊」、「三笑」「唐船」「天鼓」などに用いられる。
 
 
 
 
阿瘤尉 ・ 伝福来作写 ・ 文化庁 
 
 
 
 
工作的には小尉に最も近く、歯列は上歯列のみです。植毛の髭は顎にだけあり、唇の上下の髭は罫書きで処理される場合が多いが、下記のように植毛がされているものもある。
 
 
 
 
 阿瘤尉 ・ 福原文蔵作 ・ 井伊家所蔵 
 
  
 
 
 
 
 
 喫茶店でちょっと一服
 
 
  
 
 
 舞扇
 
 
 能の舞台で用いられる道具として日本文化を髣髴とさせる一品に「舞扇」がある。今回は近江井伊家所蔵の物をご紹介したい。
 
 
金字花車図黒骨蔓扇 
 
 
 
 
 
 赤地牡丹唐草図黒骨鬼扇
 
 
 
 
 
 
金地若松鉄線花図黒骨狂女扇 
 
   
 
 
 
   
 
 
古典能装束の紹介  
 
 
唐織 
 
 
今回も井伊家所蔵の能装束をご紹介
 
 
 段に草花扇子流し文様唐織
 
 
 
 
 
 
 
下記の二種類の唐織
 
 
 
 
 
楊貴妃
  
衣装・・・桧垣に桃と唐扇文様唐織 
 
 
 
 
段に菊花流し文様唐織 
 
 

 

   

 

狂言面

 

鼻引  ・ 山本東次郎家所蔵

 

「小尉のくずし」 という意味がある。鼻引は本来「鼻低」が転じたことから来ているので、「低い鼻に特徴がある」とされているが、この狂言面はむしろ、鼻が引っ張られたような力強さがある。「登髭」と同じく脇能のアイの<末社の神>に用いられる。

祐善 

 

 

 <祐善>とは幽霊のシテが最後に成仏する設定で用いられる。

 

 

 
 
 

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