サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

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廃棄物・リサイクル関連の技術・製品の評価制度

2012年02月05日 | 循環型社会・3R

 2001年に、環境事業団(当時)の委託で、廃棄物・リサイクル分野での処理技術や再資源化製品、3R配慮製品等について、第三者による評価制度の在り方を検討したことがある。当時の報告書を抜粋するが、当時提案した7の提案の中には今日においても実現すべきものが含まれている。

 

①関連する評価制度の整理

 

 廃棄物・リサイクル関連の技術・製品について、情報の評価と開示・提供を進め、適正な技術・製品の市場選択を促す制度として、①評価基準・指針の提供、②自主評価の支援、③第三者評価、④評価情報の提供、⑤その他(表彰制度、人材育成等)がある。

 

 廃棄物・リサイクル関連技術については、廃棄物処理技術の検証・確認を行い、地方公共団体に対して技術の調査情報を提供する目的で、現在、財団法人廃棄物研究財団の「廃棄物処理技術開発支援事業」、及び社団法人全国都市清掃会議の「廃棄物処理技術検証・確認事業」、財団法人日本環境衛生センターの「廃棄物処理技術検証事業」が実施されている。

 

 廃棄物・リサイクル関連製品については、工業標準調査会によるJIS規格、日本環境協会を中心として運用されているエコマーク制度及びグリーン購入ネットワークの活動が中心となっている。また、グリーン購入ネットワークの活動が、法的に強化されたものとして、グリーン購入法に基づく調達基準の作成及び調達品の情報提供システムの整備がある。これ以外には、社団法人産業環境管理協会によるLCAの支援、財団法人クリーン・ジャパン・センターによる表彰事業や情報提供事業が注目される。

 

②関連技術に係る評価制度について

 

 制度の対象技術からみると、産業廃棄物処理技術の評価制度が一般廃棄物処理施設の評価制度と比較して、十分とはいえず、産業廃棄物処理技術に対する何らかの評価制度の充実が必要である。支援の対象主体としては、産業廃棄物処理技術の開発・提供を中心とする中小企業に対する支援に必要性がある。

 

 評価の尺度については、第三者による検証・確認事業、あるいは企業の自主評価、地方公共団体による技術選定等において、LCA手法の開発と普及が望まれる。

その他では、廃棄物処理技術の導入事例等に関する情報提供に対して、地方公共団体等のニーズがあると考えらえる。

 このため、廃棄物・リサイクル関連技術について、現行制度を充実させるとともに、次のような制度の創出を検討する必要があると考えられる。

 

 A.産業廃棄物処理施設の検証・確認等

 B.廃棄物処理施設の評価手法としてのLCAの開発と普及

 C.廃棄物処理技術の導入事例・実績データ等の情報提供

 

③関連製品に係る評価制度について

 

 支援の対象製品については、使用済製品について、性能保証等のニーズがあると考えられるものの、支援制度が確立されていない状況にある。

 

 支援の対象主体としては、廃棄物処理技術の場合と同様、中小企業に対する支援に必要性がある。

 

 評価の尺度については、環境効率性や地域貢献の観点等、豊かさの問い直しの視点も含めた廃棄物・リサイクル関連製品の評価尺度の提供、あるいはその評価尺度に基づく支援制度を新たに検討することが考えられる。

 

 その他、支援手法の分類別にみると、自主評価の支援のうち、特に自己宣言型環境ラベルについては、さらに支援制度を検討する必要があると考えられる。

 

 A.使用済製品の再使用を促す性能保証に係る支援

 B.中小企業が提供する循環関連製品の支援

 C.環境効率性・地域貢献性等の新たな評価基準・指針の提供

 D.自己宣言型環境ラベルの支援

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