プレック研究所で、持続可能社会・環境研究センターを担当しているが、持続可能性というテーマそのものを扱った委託の仕事は多くない。国立環境研究所の持続可能性に係る指標開発の支援業務ぐらいだ。
「持続可能性」の定義や考え方を、一度きちんと整理しておかねばと思いつつ、目先の仕事にかまけがち。ここで、少しだけ整理しておく。
●持続可能性の定義
クーマーの定義(1979年)
・持続可能な社会とは、その環境の永続的な制限の内で営まれる社会のことをいう。その社会は・・・成長しない社会ではない・・・それは、むしろ成長の限界を知っている・・・また、他の成長方法を模索する社会である。
世界保全戦略(1980年)
・持続可能な発展 -われわれ人類のニーズを永遠に満たし、生活水準を改善するような発展を言う。
・持続可能な発展 -生態系の本質的なプロセスと生命を支えるシステムの維持、遺伝子の多様性の保護および生物や生態系の持続的利用。
環境と開発に関する世界委員会(1987年)
・持続可能な発展とは、将来世代の欲求を満たす能力を損なうことなく、現代の発展を満たすような発展をいう。
●国際間の持続可能性に係る議論の整理
森田先生・川島先生は、「地球環境経済政策の目標体系」環境研究1992.NO.88の中で、持続可能性に係る議論の動向を整理し、持続可能性の定義を
次の3つに分類している。
1.環境・人間軸の観点
(生態系サービスの保全、資源・エネルギー制約、環境容量等)
2.時間軸の観点
(経済活動の継続、世代間の公平等)
3.その他の観点
(南北間の公平、生活水準、多様性等)
1は、人類の生存基盤に係る問題であり、2はその将来世代への保証にッ駆る問題、3はより公示な人権等の規範に係る点を意味すると思われる。
●持続可能な地域づくりの原則
かつて、国土交通省の仕事で、持続可能な地域づくりの考え方と指標を検討したが、その時は次のような観点で持続可能性な地域づくりの原則を捉えた。
・バイオマス等再生可能な資源の利用
・物の循環はクローズ、情報はオープン
・脱物質・サービス主導
・市民参加、地域の自主・自立
●持続可能な開発のための教育でつちかいたい価値観
最近、「国連持続可能な開発のための教育の10年」推進会議では、持続可能な開発のための教育(ESD)でつちかいたい価値観を次のように示している。これらの価値観に照らし合わせて、環境・経済・社会の状況を捉えることも必要であろう。
・人間の尊厳はかけがえがない
・私たちには社会的・経済的に公正な社会をつくる責任がある
・現世代は将来世代に対する責任を持っている
・人は自然の一部である
・文化的な多様性を尊重する
●国立環境研究所における日本の持続可能性に係る指標
さらに、今やっている国立環境研究所の仕事は、環境・経済・社会・環境×経済・環境×社会・経済×社会という6つの事象にわけ、さらに国全体の状況と生活の状況の2つの側面に分けて、持続可能性に係る指標を開発しようとしている。
以上のように、持続可能性に係る議論は、時代とともに変化してきているとともに、多彩な切り口があるために、同床異夢にもなりがちだ。
持続可能性に係る議論を共有していくためには、問題の事象の範囲、空間の範囲、問題と要因の構造、基準となる規範等等を整理しておく必要がある。
以上
「持続可能性」の定義や考え方を、一度きちんと整理しておかねばと思いつつ、目先の仕事にかまけがち。ここで、少しだけ整理しておく。
●持続可能性の定義
クーマーの定義(1979年)
・持続可能な社会とは、その環境の永続的な制限の内で営まれる社会のことをいう。その社会は・・・成長しない社会ではない・・・それは、むしろ成長の限界を知っている・・・また、他の成長方法を模索する社会である。
世界保全戦略(1980年)
・持続可能な発展 -われわれ人類のニーズを永遠に満たし、生活水準を改善するような発展を言う。
・持続可能な発展 -生態系の本質的なプロセスと生命を支えるシステムの維持、遺伝子の多様性の保護および生物や生態系の持続的利用。
環境と開発に関する世界委員会(1987年)
・持続可能な発展とは、将来世代の欲求を満たす能力を損なうことなく、現代の発展を満たすような発展をいう。
●国際間の持続可能性に係る議論の整理
森田先生・川島先生は、「地球環境経済政策の目標体系」環境研究1992.NO.88の中で、持続可能性に係る議論の動向を整理し、持続可能性の定義を
次の3つに分類している。
1.環境・人間軸の観点
(生態系サービスの保全、資源・エネルギー制約、環境容量等)
2.時間軸の観点
(経済活動の継続、世代間の公平等)
3.その他の観点
(南北間の公平、生活水準、多様性等)
1は、人類の生存基盤に係る問題であり、2はその将来世代への保証にッ駆る問題、3はより公示な人権等の規範に係る点を意味すると思われる。
●持続可能な地域づくりの原則
かつて、国土交通省の仕事で、持続可能な地域づくりの考え方と指標を検討したが、その時は次のような観点で持続可能性な地域づくりの原則を捉えた。
・バイオマス等再生可能な資源の利用
・物の循環はクローズ、情報はオープン
・脱物質・サービス主導
・市民参加、地域の自主・自立
●持続可能な開発のための教育でつちかいたい価値観
最近、「国連持続可能な開発のための教育の10年」推進会議では、持続可能な開発のための教育(ESD)でつちかいたい価値観を次のように示している。これらの価値観に照らし合わせて、環境・経済・社会の状況を捉えることも必要であろう。
・人間の尊厳はかけがえがない
・私たちには社会的・経済的に公正な社会をつくる責任がある
・現世代は将来世代に対する責任を持っている
・人は自然の一部である
・文化的な多様性を尊重する
●国立環境研究所における日本の持続可能性に係る指標
さらに、今やっている国立環境研究所の仕事は、環境・経済・社会・環境×経済・環境×社会・経済×社会という6つの事象にわけ、さらに国全体の状況と生活の状況の2つの側面に分けて、持続可能性に係る指標を開発しようとしている。
以上のように、持続可能性に係る議論は、時代とともに変化してきているとともに、多彩な切り口があるために、同床異夢にもなりがちだ。
持続可能性に係る議論を共有していくためには、問題の事象の範囲、空間の範囲、問題と要因の構造、基準となる規範等等を整理しておく必要がある。
以上