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サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

情報化から捉える近代環境史

2010年05月02日 | 環境と情報
「近代環境史」の講義(日本史)を、6月と7月に行う。

これまでは、明治維新以降の通史をやったあと、地域、生活、産業という切り口から環境問題の歴史を捉え返すという構成にしていた。

今年は、国際化、情報化、高齢化という一次の3化から、問題を捉え返すのはどうだろうかと考えている。

情報化に関して、見田宗介先生の「現代社会の理論~情報化・消費化社会の現在と未来~」(岩波新書、1996年)という本を読んだ。


私なりの解釈と表現をお許しいただくとして、要点は次の点にある。

・今日の社会の問題は、①物質消費の肥大化、②(自然収奪、他者収奪型の)モードの創出、③生産・廃棄等の外部化にある。

・情報化は、①情報消費による物質代替、②自然収奪・他者収奪型でない消費の制御、③外部(社会的費用)の内省化、といった側面で、未来を拓く可能性を持つ。


また、次のような記述が面白かった。

・成長を人に例えると、物質的な成長は大人になったら停止するが、頭の成長は続く。社会の成長も同様で、物質文明的な成長のあとは、情報による成長すればよい。

・「必要」の充足以上に、「人として生きることの歓び」の方が原義的である。必要と思っていたものが満たされても、生きることの歓びにつながらない場合もある。


さて、近代環境史で「情報化」をどのように教えるか。次のような話題の流れが考えらられる。今年は、トピック的な扱いかな。。

・「当たり前」「必要」と思っていることの問い直し
・作られてきた「必要」、モード(流行)とは?
・物質消費はどのように拡大してきたか?
・物質消費のツケは、どこにどのようにまわされているか?
・物質消費と情報消費の関係を考える
・「情報化」がもたらしたもの。物質消費のツケは改善されたのか?
・環境問題を解決し、持続可能な社会を目指していくための「情報化」のあり方
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