森元志乃 shino morimoto

ヴァイオリン弾きの吐息

四十○の手習い

2006-11-30 22:01:35 | Weblog
事情があって 工房に何度か通っているのだけれど
いつも4~5時間 勉強しっ放しで
薬が必要な位 頭がオーバーヒートしてしまう。

母として 主婦として ヴァイオリン弾きとして 原稿書きとして
それなりに 頭は使っているつもりなんだけど
全然使ってないじゃない!って 反省も入ったりして
ちょっと つらかったりもする(笑)。

それにしても
本当のヴァイオリンって 美しい。

あんなに美しくて 実用品だなんて ありえない!




この時期 車の音もしない 遊歩道で 
枯葉の舞う音や 落ち葉を踏む音を 味わっていると
こんな 静かな 気持ちのいいところで
私はヴァイオリンを弾けるだろうか と 思うことがある。

自然に溶け込めるような そんな演奏ができたら…
自然が「もっと弾いていていいよ」そう言ってくれるような音が出せたら…

そんな贅沢なことを想う。


昨日来たお弟子さんが
多摩センターのイルミネーションを見ながら来て
「あそこで生のヴァイオリン演奏とか聴けたら絶対気持ちよさそう!」
と言っていた。

少しだけ人工的な世界だから あそこだったら 弾けるかなって
ふと 頭をよぎったけど

ダメだ! この年で あの寒空の中 ヴァイオリンなんて 弾ける訳ない!(笑) 


懸案事項消去。

2006-11-27 18:21:01 | Weblog
ここ数ヶ月の懸案事項だったことを 一挙に片付けた。

一つは庭のバラの手入れ。
入居前からあった 少なくとも娘よりは年を重ねていると思われる白バラ。
傷んでいた古い太い枝を鋸で切り落とした。
そして 入居した後植えた つるバラ。
あっち行きこっち行きしていた蔓を誘導。
バラの手入れをすると 必ず 引っかき傷&棘の刺し傷で 手がボロボロになる。
娘に皮の手袋とかすればよいのに と言われるのだが
どうも素手でないと 感触がつかめなくて つい…。
で 腕は引っかき傷だらけ 手や指には何箇所が棘が刺さって 美しい模様が。

もう一つは風呂掃除。
お風呂用洗剤を使って本格的に磨き上げた。
皮膚が弱いので 洗剤がつらい。
だから たまにしか洗剤は使えない。
娘にゴムの手袋とかすればよいのに と言われるのだが
ゴム手袋をすると 蒸れる上にかぶれるので つい…。
案の定 丸一日たっても 指先が一皮剥けたかのように 赤くなったまま。

そして文庫用の棚の組み立てと本の整理&戸棚の改良。
木工大好き 模様替え大好き 主人なんかに任せられない。
カラーボックス系のものだったら 数分で組み立てられる。
あっちのものをこっちに こっちのものをあっちに
娘に軍手位すればよいのに と言われるのだが
それでは木の感触や 本の感触が 味わえないじゃない!
それやこれやで 右手は何かを持とうとすると プルプル震える。

本番が途切れた時でないと できないお仕事 三連発☆

いやあ 気分は上々 最高の一日!

でも 身体はボロボロ 三日後くらいが怖いぞ。
(年をとって 本当に後日こたえるようになった…笑)

え? ヴァイオリン?
そんな繊細な作業は とてもとても。

では(笑)



不惑の次は何だった?

2006-11-24 21:55:07 | Weblog
やらなければいけないことは 山積みなのだけれど
心身ともに壊れやすい性質なので(ここで突っ込まないように!笑)
今日は一日 完全休養日にしました。

とはいえ 頭の中のスイッチは 結局OFFにすることができず
買い物を兼ねた散歩中も 
いろいろなことが ぐるぐる ぐるぐる。

今 取り掛かっている仕事二つが 
長年の夢=ライフワークだと自分で思っている そういった仕事なので
どうしても 中途半端にすることができず
なかなか前へ進まない。
周りに迷惑ばかり掛けている。

そんな苛立ちからか ずっと体調が悪くて…。
これは この仕事に踏み出してからずっとそうなので
あきらかにストレス。

でも 一緒に関わってくれている人たちが みんな
熱い想いを持って そばにいて 励ましてくれているので
もう 前へ行くしかないのです。

こういうときは 弾いてる方がいいな なんて 思っちゃいます。

勝手なもんだ。

申し訳ない。



そうなんです。

素敵な日の翌日は 大抵 落ち込みます。

不惑はとっくに過ぎたのに 迷って惑ってばかりです(涙)。 


本当に幸せでした。

2006-11-24 01:16:48 | Weblog
カーサクラシカ 無事終了することができました。

それもこれも 暖かいお客様のおかげ。

いつもいつも 足を運んでくださる方。
たまたま上京していたからと 時間を作ってきてくださった方。
びっくりどっきりの古いお友達。しかも素敵な奥様と。
そして なぜかすごくほっとする同級生のみんな。
HPや本を見てくださった上 会場に来てくださった方。
時間があれば必ず来てくれる 優しい友人。
みっこが縁で いらしてくださった方。
そして はじめてお目に掛かった方々。

みなさん 本当に 本当に ありがとうございました。

こうしてみると 若い頃は 一生懸命は弾いていたけれど
弾きっぱなしだったなって 思います。
押し付けがましい演奏っていうのかな。

それではいけない そのことだけは 最近 分かるようになりました。
音にするのは難しいけれど…。

これからもがんばらなきゃ。
終った瞬間にそう思いました。

みなさんの温かいお言葉や励まし 頂いた以上は
次のライブに必ずそれを生かせた演奏ができるように
これから日々 精進します!

最後になったけど 
相方に感謝。
同じ気持ちで演奏してくれてる それがひしひしと伝わってきました。
もう少し 回数を重ねれば もっと 溶け合えるかな。

これからが楽しみです。

1月は19日の予定 オブリビオンと亡き王女のリクエスト頂きました。
さて 後は なんにするかな。
今から わくわくどきどきです。





犬に想う

2006-11-23 08:58:39 | Weblog
がけっぷち犬 無事救出 よかったよかった。
あんなに多くの人に見守られて 話題になって…

でも そんな今日 処理されている ワンちゃんたちがいると思うと
人間の勝手さばかり 気になってしまうのでありました。

犬といえば 飼い主さんに一言申したい。
犬がダメな人だっているんだよって。

私は動物大好き。
だけど ダメな人は本当にダメなんだ。

自分がかわいいと思うから 人もそう思うはずだっていう 思い込みは
やめてほしい。

公園で 平気で犬を放して遊ばせる人や
リード(っていうんだっけ?)を めいっぱい伸ばして散歩している人。

そばを通った子どもが 怖がると 心底心外そうにする人もいるけど
子どもの目線に立って 自分の犬を見てほしい。

犬が好きなのも 犬を飼うのも 全然構わない。
ただ 自分の権利だけ主張するのは やめてほしい。

ちょっと マナーの悪い飼い主見たので 熱くなっちゃいました。



タバコもそうだね。
私はタバコが全然ダメ。
煙に浸ると体調が崩れるほど 実はダメなんだ。

でも 私の周囲に居る人たちは すごくマナーがいい。
吸いたい時は 例えそれが 建物の外であっても ちゃんと喫煙所に行くし
そうじゃないときも 「いいですか?」って 聞いてくれる。

それだったら 少しくらい 我慢してもいいなって 思うのが人情。


狂犬病が話題になっているけど 犬だって 自分を守るためには 噛んだりする。
考えようによっては 危険な存在だよね。

タバコだってそう。お酒だってそう。
煙も酔っ払いも 傍迷惑甚だしい。(失礼!笑)

相手のことを考えない大人が多いから 子どもが歪むんだ。
と 正論を語ってみました。


って こういうことを書くと 自分の身に帰ってくるんだよね~。


ブログで初告知☆ ちょっと照れくさいぞ。

2006-11-22 17:43:31 | Weblog
明日は赤坂です♪

11月23日(木・祝)“森元志乃&山本実樹子 〜はんなり音語り〜”
   in クラシック・ライブカフェ カーサ・クラシカ
  ミュージックチャージ 2,100円(税込)
  ライブ予定時間: 1st. 19:00〜 2nd. 20:15〜 3rd. 21:30〜
   (入替制ではありませんので続けてお楽しみいただけます)

〒107-0052 東京都港区赤坂3-19-9オレンジボックスビルB1  
TEL: 03-3505-8577
地下鉄銀座線、丸の内線「赤坂見附駅」徒歩2分
※席数に限りがございますので、お手数ですがお店にご予約下さいませ。

   
1st stage ドイツ系小品 
グルック オルフェオのメロディ、モーツァルト ヴァイオリンソナタ G-dur k379ほか
 
2nd stage  フランス系小品
フォーレ 子守歌、ドビュッシー 夢( Pfソロ)、キャプレ 夢 ほか
 
3rd stage  大好き!小品
リスト  ラ・カンパネラ(Pfソロ)、ピアソラ オブリビオン ほか


ようするに 好きな曲を並べちゃいました。
いつものことでしょう? はい いつものことです(照)。



よろしくお願いします!



有意義な日々

2006-11-19 17:43:50 | Weblog
17日は 赤坂カーサクラシカのリハをしてきました。

私の相方を務めてくださるピアニストさん達は 
みなさん それぞれ 各方面で大活躍中なので
こちらのスケジュールを すべてお願いする訳にはいかなくて…。

結局 何人もの相方さんを持つことになります。
いやいや 贅沢であります。

今回の相棒は 学生時代 密に過ごした とっても可愛い後輩 
「みっこ」こと山本実樹子。

いまや押しも押されぬ 立派なピアニスト。
多彩な活動していますからね。音楽にも厚みがあります。

久しぶりのデュオですが 抵抗ないなあ。
時間が余り関係ないっていうのは すごい世界かも。
 

ヴァイオリンとピアノという組み合わせ。
特に小品は ピアノ伴奏 というイメージが強いので
ヴァイオリン主導と思われがちですが なにがなにが。

ピアニストが違うと どれだけ演奏が変わってしまうか…。

ぜひ お楽しみに。(詳細はHPの方に)



昨日は 船橋伊藤楽器さんで ヴァイオリンのワークショップをしてきました。
千葉は 弦楽器先進国もとい先進県でありまして
熱心な方が多いと 耳にしていて 楽しみしていました。

小学校3年生の男の子から ぐっと上の方まで 
中学生の団体さんを中心に 30人もの参加を頂いて 盛り上がりましたよ。

いつも驚かされるのは 参加してくださる方の反応のよさ。
ハーモニクスって何?的状況が
5分後にはみなさん 楽しそうに ヒロヒロリーと奏でて
ピチカートだってぽこぽこいっていたのが 気が付くと パーンと!

みなさんの可能性を引き出すことが 私の仕事。 
もっともっと みなさんに 楽しんでもらえるように
勉強しま~す!

ワークショップは来年も 何箇所かで やることになりそうです。
お近くに行くことがあったら ぜひ いらしてください!

わざわざ差し入れに来てくださった まりこちゃん&お母さま
嬉しかったです! 美味しくみんなで頂きました。 ありがとうございました☆


さて 明日からは 原稿&練習週です。 がんばるぞい。



まにあ

2006-11-16 20:04:16 | Weblog
強烈な バッグ好きである。

もし 好きなだけ買い物していいよ なんて 言ってもらえることがあったら
(絶対あり得ないのが 悲しい…笑)
多分 洋服よりも バッグを買いまくるだろう。

前世 なんだったんだろう? と
オーラの泉を見ながら 思ったりする 今日この頃である。

バッグ病は 幼い頃からだったらしく
かなり早くに ハサミを持たせてもらった 幼少の(多分3歳頃にはすでに)私は
画用紙とハサミを持っていれば ニコニコで
作るものは まずバッグだったそうな。

ちなみに 刃物も収集癖の対象である。
お金がないので 今はカッターを数種持つことで 欲求を満たしている。

道具は最高だ。


最近 ほしいっ!と思っているのが
歯医者さんの道具と 楽器製作者さんの道具。
これがねえ たまらない。

随分昔 母が 
「ベルトコンベアほしいのよね。何に使うかって聞かれると困るんだけど」
なんて 言っていて
弟と二人 変わった親を持つと苦労するねと 嘆息したものだが
いまや 娘と息子に同じ台詞を言われる 悲しい母になってしまった…笑。

生まれ変わったら 絶対 職人になってやる。
って ミジンコだったりして…


本物は誰だ!

2006-11-15 07:06:45 | Weblog
以前 他ジャンルの辛口プレーヤーの方とお話していた時
「似非(えせ)が多い」という言葉が出た。

多分 その方は 真剣にそのジャンルを勉強している方だから
ろくに音源も聴かず そのジャンルの基本的リズムも知らず 歴史も知らず 弾き方も知らず
それでいて「私は○○ヴァイオリニストです」なんて
ちゃらちゃら弾いてるんじゃないよ!的怒り発言 だったのじゃないかなと思う。
彼の口からその言葉が出た時には どちらかというと好感が持てた。

しかし 「似非」って なんだろう?
どこから 「似非」なんだろう?

似て非なるもの。

これほど 受け手に委ねられているものはない。



最近 ポップス界でもカバーが多くて
やっていることは ある意味 クラシック音楽と同じだよな と 思っている。

よいものを残そうという
よいものを演奏したいという 
本能みたいなものだろうな。

別に 丸く治めようなんて思っている訳ではないけれど
その人が 真摯にその曲を受け止めて 心を込めて演奏するなら
ジャズでないジャズ風の アイリッシュではないアイリッシュ風の
ボサノヴァではないボサノヴァ風の ロックではないロック風の
そんな演奏でも よいのではないかな と 最近思う。

たいして 想いもなく 愛もなく 心もなく
形だけの 上っ面の そんなプレーヤーは 自然淘汰される。



どうして こういう話題になったかというと
ヴァイオリン ラベルは当てにならないかも という話から。

演奏はまだいいんだ。
聞かなきゃいい。

楽器を買うということはどうだろう?

ラベル以前の問題もある。
「いちきゅっぱ」で買えてしまうヴァイオリン。
これは ヴァイオリンか否か。



結局 選択肢の多い この時代
選べる能力を持たねばならないのだ という 
胸の痛む結論を 公にする時期が来ている。







政治と音楽…

2006-11-13 22:24:57 | Weblog
昨日行った講演会で耳にした ファシズム が 引っ掛かっていて
思わず 本を手にしてしまった。

プッチーニとマスカーニの名前が出てきた。

プッチーニといえば 今なら “トゥーランドット”が話題かな。
マスカーニは“カヴァレリア・ルスティカーナ”が有名。

カヴァレリアの間奏曲はよく演奏するのだけど
さすがにファシズムのことまで考えては弾いていなかった(笑)。

カヴァレリア弾いてて ムッソリーニの顔とか浮かぶのは嫌だ。

「オペラの盛んなイタリアとドイツが全体主義的イデオロギーに支配されたことを見ても、音楽という表現芸術はイデオロギーを伝達するのに適した媒体なのかもしれない。」(“ファシズムと文化”田之倉稔著 世界史リブレット78)

これは まさにそうだろうなあ。
音楽は一種の麻薬だもの。

それにオペラは 器楽曲よりずっとずっと 生々しい。
人間を直接的に表現するものだから 当然だけど。

宗教と音楽が切り離せないように
政治と音楽も切り離せない。

だからといって 音楽そのものがどうこうっていう訳じゃないけれど
興味深い。

私がどうもオペラが苦手なのは 人間臭いからかもしれないな。
(またもや 逃避傾向? 笑)