エスせんブログ

ラノベ好きなB級小学校教師のエスせんが、教育中心に色々語るブログです。少しでも面白ければ「いいね」御願いします。

実に潔い『悪役令嬢の中の人2』

2024-10-03 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はラノベ愛語り。今回は、以前紹介した作品の続編を紹介します。
 今回紹介するのは、まきぶろ先生の『悪役令嬢の中の人2』です。もちろん、以前紹介した『悪役令嬢の中の人』の2巻目です。
 それで、この2巻目なのですが…はっきり言って1巻目、いえ、1巻目の中心になっている物語を読んでいる事が前提となっている短編集です。
 1巻目では、中心となっている物語「悪役令嬢の中の人」と言う題名の中編(以下、「本編」と呼びます)が全体の半分位を占めていました。そして残りの頁は、本編のスピンオフ作品とでも言うべき短編が幾つも載っていました。
 この2巻目は、それら本編のスピンオフ作品で、まるっとまるまる本全体が占められています。本編では詳述されなかった冒険を描く短編あり、特定の登場人物による本編では省略されていた活躍の短編あり、特定の登場人物に焦点を当てた本編の後日談ありで、実に様々な種類のスピンオフ作品を楽しむ事が出来ます。
 「2(ツー)物に名作なし」…と言う言葉があるかどうかは知りませんが、一般的に2(ツー)物は1作目と比較され、評価が下がる傾向が強いです。それは、1作目の物語を活かしつつ2作目を展開しなくてはならないと言う、大きな制約があるからです。
 しかし、この『悪役令嬢の中の人2』では、本の中の全てをスピンオフ作品だけで構成した事で、2(ツー)物の抱える大きな制約を捨て去る事が出来ました。これは、本だから簡単に出来たわけで、映画だったらほぼ不可能だったでしょう。
 もちろん、スピンオフ作品だけで構成されているって事は、1巻目…いえ、少なくとも本編を読み終えている事が前提となります。だから、本編を読んでない人にとって『悪役令嬢の中の人2』は、ほとんど読む価値の無い本と言えるでしょう。こちらから読み始めたら、何が何だか分からないでしょうから。
 私個人としては、ここまで思い切った構成をしている事は、いっそ潔くて清々しい気持ちになります。こう言うマニアックな傾向の本も、あって良い…私は、そう思います。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする