コピーライターを目指す人の日記

言葉と、人と、文章を書くことが、僕はきっと好きです。

K-mix RADIO CMコピーコンテスト (2)

2014-02-14 16:01:05 | 日記
では予定通り、
K-mix RADIO CMコピーコンテストの作品をもう一つ発表したいと思います。
K-mix RADIO CMコピーコンテストについては、2日前の日記を参照してください。

選んだ会社は、丸善製茶株式会社様。
文字通りお茶を作っている会社で、
課題は「お茶を飲む事がオシャレといわれるCMコピー」でした。

正直、かなり苦戦しました。

なぜなら、様々な賞の過去受賞作を見ても
ラジオCMは聴いた人をクスリと笑わせるような
ユーモア重視の作品が多いからです。

音声だけで人に訴えかけようと思ったら
堅苦しい言葉を並べられても人は受け入れにくいでしょうから
当然の流れだと思います。

20秒の音声だけで、オシャレとは縁遠いお茶を
オシャレだと感じさせる、笑わせることのないCM。

今の僕には難しいミッションでした。
ので、燃えました。


まず「オシャレ」とは何かを考えました。
ファッションでいうと、
誰でも着ているような服を着ている人に対してオシャレという言葉は使いません。
つまり洋服の中に何かしらの個性があって人は「オシャレ」と感じるのだと。

では「オシャレ」=「個性」かというとそれも違う。


次に、人物として「オシャレな人」というのは、
自信を持っている人ではないかと考えました。

過度な自信ではなく、「肯定感」に近いかもしれない。

自分はこうあるべきで、
それを他人にどう言われようが恥ずべきことではない、
という自分への自信。

そして何よりも、僕自身、そういう人に憧れる。


「オシャレ」=「個性」+「自信」

それが今回の僕の結論です。
ならば、そういう人物を表現しよう、
そして企業のリクエストとしても書かれていた「斬新なもの」を作ろう、
そう考えて作った作品です。


題「日本人ならグリーンティー」

音声:夜の繁華街
男性:
ギターを片付けて、道行く人を眺めてみる。
金髪のミニスカート。
ヘッドフォンから漏れるアメリカの音楽。
そして、僕は、お茶を飲む。
いや、グリーンティーを飲む。ま、どっちだっていいか。
日本人ならグリーンティー。丸善製茶株式会社。



路上ライブをする青年の心の声をそのまま語るという形式です。
商品がお茶なので、対比としてアメリカナイズされていく街を表し、
それを見て青年は「お茶」を「グリーンティー」と言い換えてみるのだけど、
そんなことに意味は無いことに気付き、
「ま、どっちだっていいか。」と達観してみせます。
青年の自分への自信と、それに付随する「オシャレ」感を表現できたのではないかと思います。


これを作っている時に、
このCMができたとして、じゃあこのCMを聴いたからこの会社のお茶を買おう、
となるかと考えたら、そんなことはないと思いました。

けれど、ブランディングをしていくCM、
つまり企業のイメージを長い時間をかけて作り上げていくCMとしては
機能する可能性があるんじゃないかと考えました。

そもそも「お茶飲む事がオシャレといわれるCMコピー」という課題が
そういう性質かもしれません。


なので、勝手にシリーズ化して応募しました。

最後に二つ、発表させて頂いて
長くなってしまった今日の日記を終わります。


題「日本人ならグリーンティー 女子高生編」

音声:放課後
女の子:
パレットと筆を置いて、教室の窓を開けてみる。
サッカー部のかけ声。黒板には消し忘れられた英単語。
そして、私は、お茶を飲む。
いや、グリーンティーを飲む。ま、どっちだっていいか。
日本人ならグリーンティー。丸善製茶株式会社。



題「日本人ならグリーンティー OL編」

音声:カフェ
女性:
小説を閉じて、隣の女子の会話を聞いてみる。
全肯定の相槌。女子はぶつかり合いを避ける。
そして、私は、お茶を飲む。
いや、グリーンティーを飲む。ま、どっちだっていいか。
日本人ならグリーンティー。丸善製茶株式会社。