お話

日々思いついた「お話」を思いついたまま書く

gwakkau no kwaidan(学校の怪談)

2018年08月15日 | 怪談
「音楽室のピアノ、夜になると誰もいないのに弾いてる音がするんだって……」
「そうなの?」
「呪いの籠った暗い曲なんかじなくて、同じ音が延々と弾かれてるんだって……」
「それって、調律師の霊ね」


「体育館、夜になると小柄な男の子が一人ぽつんと立ってるんだって……」
「そうなの?」
「それで、気が付いて近付くと、ぐわっと背が伸びるんだって……」
「きっと、バスケットのゴールに届かないのが悔しかったのね」


「生物室の骸骨人形、夜になるとカタカタ音を立てるんだって……」
「そうなの?」
「しかも、ゆらゆらと揺れるんだって……」
「あんなに風通しが良いんだもの、寒くて震えてるのよ」


「私たちの教室、夜になると勉強を苦にして自殺した娘の幽霊が出るんだって……」
「そうなの?」
「しくしくすすり泣いて『無理よ、無理なのよ……』って言ってるんだって……」
「よっぽど勉強ができなかったのね」


「一階の女子トイレの一番奥、夜になると水を流す音がするんだって……」
「そうなの?」
「しかも、何度も、何度もするんだって……」
「相当大きなのをしちゃったのね」

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