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ロバート会議規則(19)

2022-05-29 11:13:58 | 日記

表決
 実際の会議では様々な表決が想定されますが、議案に対して賛成か反対かの2択を問う表決が最もよく用いられる表決だと思います。ここでは、2択の場合(賛成か反対か)と3択(選択肢の中から1つの選択肢を選ぶ)の場合について述べます。 
表決は、個々の構成員が自分の意思を表明する手段です。表決の結果によって会合(会議)が属する組織(団体)の行動が決まります。
表決は、
i) 表決の種類
ii) 表決の票数の数え方
によって分類することができます。
(ア)表決の種類
 表決の種類には次の3つがあります。
i) 過半数の表決(2択)
ii) 3分の2の表決(2択)
iii) 相対多数の表決(3択以上)
 以下でそれぞれについて説明します。
a) 過半数の表決
 投じられた票(棄権票は含みません)の過半数(半数+1)を獲得した方がその表決の結果となる表決です。可否同数とは、2択の投票で何れの選択肢も過半数を獲得できなかったことを意味します。この場合、議案に可とする選択肢は選択されなかったと判断します。可否同数を受けて、議長が票を投じることもできます(議長は構成員ですから、投票の権利はあります)が、議長は中立であるべきだとの立場から、議長は投票しない方がよいと考えます。
 例えば、会議参加者数40人、賛成20人、反対18人、棄権2人の場合、投じられた票は38票でその過半数は20票(19+1)ですので、この表決の結果は議案に賛成ということになります。
b) 3分の2の表決
投じられた票(棄権票は含みません)の3分の2以上を獲得した方がその表決の結果となる表決です
例えば、会議参加者数40人、賛成26人、反対11人、棄権3人の場合、投じられた票は37票でその3分の2は25票(37÷3×2=24.7→25)ですので、26>25になり、この表決の結果は議案に賛成ということになります。
3分の2の表決の簡便な結果判断は、少ない票を2倍することによって可能です。上の英の場合、11×2=22で25>22となり、賛成が3分の2以上を占めることが分かります。
c) 相対多数の表決
 3つ以上の選択肢がある場合、投じられた票のうち最も多くの票を獲得した選択肢をその表決の結果とするものです。
 例えば、3つの案があり、会議参加者が40名、第1の選択肢に20票、第2の選択肢に10票、第3の選択肢に8票、棄権票が2票の場合、第1の選択肢がこの表決の結果となります。
(イ)表決の票数の数え方
 表決の票数の数え方には次のものがあります。
i) 声による表決
ii) 起立又は挙手による表決
iii) 投票用紙による表決
iv) 全会一致の表決
a)声による表決
 この表決は、可否数を正確に把握することなく、表決の結果を判断します。また、表決の種類が「過半数の表決」でよい場合にもしいられます。
 議長は、「この議案に賛成の方は『賛成』と言ってください。」といって、賛成の声の多さを判断します。次に、「この議案に反対の方は『反対』と言ってください。」と言って、反対の声の多さを確認します。賛成が圧倒的に多くても必ず反対の票を投ずる人の声を聴かなければなりません。
 この表決では、賛否の正確な数を数えませんので、賛成、反対のいずれかが他を圧していると判断されるときに用います。
b) 起立又は挙手による表決
 賛否の数を正確に知る必要があるときに用います。したがって、この表決は、3分の2の表決で必ず用いられます(3分の2かどうかは声による表決ではわからない)が、過半数の表決で用いることもあります。
この表決では、会議に参加している構成員に、表決にあたって挙手又は起立による意思表示を求めます。また、通常は構成員の中から、挙手又は起立の数を数える計数員を指名して、性格に賛否を数えます。
なお、会議規模が比較的小規模の場合は挙手による表決を、大規模の場合は起立による表決を用います。これは、大規模の会議では、会場が広く挙手では見落としが出る可能性があるためです。
c)投票用紙による表決
この表決は、構成員の賛否美の意思表示を明らかにしたくない(すなわち投票を匿名化する)場合に用います。一般に、投票用紙と記入済み投票用紙を入れる投票箱が用いられます。当然ですが、この表決では賛否、棄権の数が明確にわかります。また、投ぜられた票を計数する計数員を会議構成員の中から指名して、投票の計数を行います。
投票用紙には、投票者の意思、即ち、賛成、反対、棄権(棄権の場合は何も書かずに投票することもあります)、あるいは3択以上の選択肢がある場合は、選択肢の1つを記入します。いずれの場合も、投票用紙に既に選択肢が書かれていて、構成員はその選択肢の中の1つを計数者わかるように明確に記入して投票する場合もあります。
この表決は、賛否が拮抗していて、表決後の禍根が残らないようにしたい時などは有効かもしれません。
e) 全会一致の表決
 この表決は、正確に賛否の数を数えない、形式ばらない表決方法です。
 この表決では、議長は、例えば、「この議案に反対の方はいらっしゃいますか」と聞き、しばらく間をおいて会議場の様子を見て、反対の声が上がらなければ、「反対がないようなので、本議案は承認されました。」と宣言して、表決を完了します。
 この表決は、会議場に明確な反対がないと判断される場合に用いられ、会議時間を有効に利用するよい表決法です。



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