実は今日の外出はダブルヘッダー。いったんうちに戻って、再度東京へ。9月の文楽公演『菅原伝授手習鑑』をみてきました。
「ママ、今日の文楽は何みるの?」
「『菅原伝授手習鑑』っていって、菅原道真でるよ」
「え、菅原道子さんの先祖?どんな話?」
時代物のストーリーを説明するほど骨がおれるものはありません。そ~ね、道真さん、天拝山ってとこで、怒り狂って変身しちゃうんだよ。でも今回はそこはなくて、そ~ね、九州に流される前のお話かな。道真の木の人形がでてくるんだけど、駕籠にのったと思ったら、実は人形だったり、人形だと思っていると、本物になってたり、とにかく道真さんのイリュージョンなんだよ。せっかくいちのひめが、聞いてくれたのに、しょーもない説明しか出来ません・・・
昨年9月に亡くなっ玉男さんの一周忌追善興行、昼の部が『夏祭浪花鑑』、どっちの鑑で玉男さんをしのぶか・・・私は『菅原』で。もちろん玉男さんの団七、すっごく思い浮かべることできます。でも、1年たって、玉男さんでまっ先に頭に浮かんでるのって、良弁とか菅丞相とか、う~ん、じっとしてる人なんですね。
この1年は、さてどうやって文楽をみていけばいいのかな、ってまたまた付き合い方を再考させられた年でした。そしてまた、芝居じゃないだろ!子どもの教育だろ!とハッパをかけられて、まごまごしていた1年でした。
床でよかったなあと思ったのは嶋大夫さんと、文字久大夫さん。日経の劇評でほめられていた十九大夫さん、たしかに集中力が持続してるってかんじでした。人形はとにかく玉男さんの跡を引き継いだ玉女さんの菅丞相・・・君の~ゆく道は~はてし~なく 遠い~ 頑張って下さいね。それと人形役割をみてなかったので、蓑助さんが奴の役でお出になったのにびっくり。でも、覚寿が立田の死骸の前で泣いてるのに、そんなにしどころをつくっちゃって、見物の視線をさらってしまって大丈夫か?文雀さん怒らない?ってちょっとドキドキしました。
一応読んでお芝居をみたのですが(久しぶりに!)、もう一度読み直したいところもあって、文楽ワクワク度がまたまたチャージされました。買ったのは『吉田玉男 文楽芸話』と玉男さんの写真ハガキ!あと、二階の食堂で玉男さんの写真展もあってね。あ~、知盛ね、政右衛門ね、そうそう帯屋長右衛門ね。これもステキよねって、思い返すことができました。一階ロビーにも下駄とかノートとか、遺品(言いたくない!)の展示があってね、短い休憩時間で全部みられなかったよ~。
「子どもに指南いたすとは、賎しからざる世の営み・・・」そうですか、今のお仕事頑張ります!