詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

恋愛小説「メールの涙」第八章

2011年04月18日 | 恋愛小説「メールの涙」
恋愛小説「メールの涙」は、作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。
純愛をテーマにしているので年齢関係なく読める恋愛小説になっています。
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第八章 啓祐のブログ

峠の一太郎『すごいですね。他人の思念が読めるなんて。エスパーですね』
(だったら俺が今何を考えているかあててみろよ)

入間のイルカ『お前馬鹿じゃねぇの?頭狂っているのか?アニメの見すぎだよ・・ば~か!!』
(変な奴。怒れ、怒れ!もっとおまえのブログ荒らしてやるから)

「ふぅ・・・」

啓祐のブログは、今日も荒れている。俺が他人の思念を読めるってブログに書いてから99%以上悪意のあるコメントだ。時には超能力新研究所なんて怪しい団体からもっと詳しく知りたいとメッセが来ることもある。
他人の思いが、気持ちが、思念が読めるってそんなにめずらしいことか?俺はもうキチガイになりそうだ。
ブログのコメントで男性を装っている女性も俺にはすぐにわかってしまう。ブログのコメントの字面から俺への恐怖、興味、悪意が読み取れ、まっすぐに俺の心に刺さってくる。
文字だけでもこんなに相手の感情が読み取られてしまうのに、生身の人間と対峙するのなんて、いくら心の扉をシャットアウトする術を身に付けているとしても無理だ。
啓祐は、もう一度大きなため息をついた。
何度もブログをやめてしまおうと思っていた。でも、啓祐の心の奥に残ってしまった大きな過去の爪あとがそれを許さなかった。

詩織・・詩織には今日は悪いことをしてしまった。
あのあと何も話さずに家に送っていって。俺のように他の人間の感情が、思いが読める人間は誰とも付き合うことなんてできない。相手がだいたい気持ち悪がるよ。
誰だって自分の深層心理なんて知られたくないんだ。
誰も私の気持ちわかってくれない!なんていったって。嘘。
表面心理に隠れている、自分でも知りたくない、隠しておきたい深層心理なんて、他人に理解なんて
されたくないに決まっている。
そうだ。あの時だって小百合は・・・・

~第九章 啓祐の過去へつづく~
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