詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

今日から新連載「潤愛物語~アクアマリン~」アイドルとの恋 第一章

2011年03月28日 | 小説「潤愛物語~アクアマリン~」
アイドルとの恋「潤愛物語~アクアマリン~」は、今回続編を作成するにあたり、以前、掲載した「アクアマリン」の再編版です。作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。
純愛をテーマにしているので年齢関係なく読める恋愛小説になっています。
よければ、気軽にコメントください。

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「潤愛物語~アクアマリン~」~アイドルとの恋~

第一章 ルビー

「今日のJewelのコンサート最高やったん」
私達グループの中で唯一大阪出身の直美が、「翔 LOVE」と書いてある手作りうちわを指先でもてあそびながら言った。

「そうだね・・・いつもより潤と翔のハモリもよかったし、なんていってもやっぱり智のダンスが最高だったよね!」
黄色のカチューシャ、JewelのコンサートTシャツの上から好きな智のイメージカラーのベストを着込んだ若菜が、両指を組み、夢見がちなまなざしで言った。

「まあね・・・最終日だったからね」
私は、コンサート中は電源を切っていた携帯電話の電源をつけながら、話に加わった。

「今日で、Jewelも結成5周年だったから気合のはいりかたもハンパなかったね!」
私達の仲間で最年少の愛理が、買ったばかりのコンサートグッズをいとおしそうに見つめながら言った。

「あ~これで当分の間、翔様にあえないと思うと直美泣けてくるわ・・・」
「泣くって言えば、今日もラストの挨拶で雅紀涙ぐんでいたね・・愛理も泣きそうになっちゃったよ(涙)」
「コンサートでは来年にならなきゃあえないかも知れないけど、今日のNラバでJewel新曲発表だよ!」
コンサートの後、思わず涙ぐんでいる愛理に向かって私は言った。



【Jewel 】
今や全国知らない人がいないほどのトップアイドル。
松木 潤(まつき じゅん)
22歳 通称 ジュン
櫻葉 翔(さくらば しょう) 
24歳 通称 ショウ
相田 雅紀(あいだ まさき)
24歳 通称 マサキ
一宮 和也 (いちのみや かずなり) 
24歳 通称 カズ
大杉 智(おおすぎ さとし)
25歳 通称 サトシ
の5人組アイドルグループである。

歌って、踊れて、バラエティーもこなしながら、メンバーそれぞれがコンサートでは楽器も弾きこなす、日本を代表するトップアイドルである。
とは言っても彼らの名が全国区になったのは、3年前の5人揃って出演した映画「青色の涙」からであって、それまでは、彼らの所属するアイドル事務所、ジェニーズ事務所でも、別段これといって目立ったグループではなかった。デビュー当時は、コンサート会場の席が埋まることもなかったという話だが、今やそれは過去の話。彼らのコンサートチケットをとるのは至難の技。世間ではプラチナチケットと言われているのであった。

デビュー当時は、潤と翔のツインボーカル、和がギター、智がベース、キーボードが雅紀というどちらかと言ったらバンド的なアイドルだったが、その青色の涙の主題歌、「サファイヤ」で楽器を持たず、ダンスやRAPを中心としたアイドルそのものの曲として出したところ、本人達もびっくりするような大ヒットとなり、その後、バラエティーやCM、映画等彼らの姿を見ない日は無くなった。

彼らのグループ名「Jewel」にちなんで彼らの曲には、全部宝石の名前がついている。 なんでも、最初のデビュー曲が、某有名な宝石店のテーマソングだったので、グループ名もそれほど凝らずに「Jewel」になったらしい。

「ルビー」「サファイヤ」「キャッツアイ」「ダイヤモンド」「エメラルド」「トパーズ」
それぞれの曲の作詞・作曲は、その時々の有名な作詞家、作曲家が担当をしていた。
彼らの所属しているジェニーズ事務所は、今の芸能界においては最大のアイドル量産事務所として数多くのアイドルグループを世に送り出している。

今、私は、同じ会社の同期と4人で「Jewel」のドームでのコンサート行った帰りである。
Jewelのコンサートは、ファンクラブ会員でしか申し込めない。また、コンサートの申し込み枚数は一人4枚までなので、入社当時から、同じJewelが好きで、自分が好きなメンバー、いわゆる担当が異なることから、私達は、いつも4人で4枚ずつ申し込んでいた。
とはいっても今や、全国でファンクラブ会員数が100万人もいるというアイドルグループのため、コンサートが運よく当たったとしてもよくて年1回行ければ御の字というとこだった。

私達は、ちょうどこの4月で入社3年目、ARA株式会社の社員である。
私、美緒は、潤担当の25歳、都内の某大学を出て、マジメな就職活動の結果、この第一志望のARA株式会社に入社することができた。
翔担当の直美は、同期だけれども、浪人生活を1年送ったので現在26歳。小さい時大阪に住んでいたので、今でも微妙に標準語に大阪弁が混じる。生粋の大阪人には「変な大阪弁」といわれているが、本人はいたって気にしていないようだ。

Jewelのリーダー智担当の若菜は、短大を卒業して、いわゆる親のコネで入社をしてきた、私達グループきっての美少女23歳。
そして、私の心の友、親友の愛理は、高校卒なので、現在21歳。
ARA株式会社の受付嬢をしている。

それぞれ、好きなメンバーのことを担当と呼んでいるが、Jewelはアイドルグループではめずらしくメンバー5人がいるとわきゃわきゃと仲がいいため、自分が好きなメンバー以外もいつのまにか全員大好きになってしまうという魅力の持ち主達であった。

今日は、そのJewelのコンサート最終日。
3月にしては、まだ肌寒く、私達はスプリングコートの襟を立てた。
祭りの終わった後の淋しさはそこはかとなく切ない。

「ねえ・・・なんか今からカラオケでもいってもりあがらん? なんかこのまま帰るんもいややもん」と直美
「でも・・・今日、23:00から新曲発表でしょ?じゃあ、明日土曜日で会社休みだし、みんなで家来て飲みながら、一緒にJewelの新曲見ようか?」
「愛理んち行きたい!!行こう行こう!今日は一晩中飲み明かすぞ!」
と若菜
「美緒はどうする??」と愛理
「ごめんちょっと今日は用事があって」
「もういつもつれないな~彼氏でもできたんちゃう?」
「美緒、絶対に彼氏いるよね・・・この頃よくメールしてるし・・・ でも結構秘密主義だな・・・おぬしは・・・」と若菜が横目で私を軽くにらんだ。

「だったらさ・・みんな彼氏いるんやったら、今度、合同デートでディズニーランドでもいかへん?なぁ、若菜も愛理も彼氏おるんやから・・」
「いいかも・・・私達、3人は、この前飲み会彼氏連れてきたけど、美緒の彼氏だけは、仕事でこれなかったしね」
愛理が間をとりもつように言い出した。

「そうだっけ??まあ・・とりあえず、今日はゴメン・・・いそいでいるから・・・埋め合わせはきっとするから」と手を合わせて友達に謝りながら来たタクシーに飛び乗った。
ちょうどタイミングよく「ルビー」の着うたがなった。
「今日、コンサートの打ち上げ、ブッチしてくるから、22:00にはいくね!」
と彼からのメール

「了解。いつもの食事、用意しとくね」
私は、今日の献立を頭の中でさっと段取りを考えていた。
マンションにつくとまず、テーブルに花を飾り早速ディナーの準備にかかった。
また「ルビー」の着うたが流れた。

「車渋滞。15分ほど遅れる 」
「了解気をつけてきてね」
時計と睨めっこしながら、カルボナーラのソースを作り、ミモザサラダと乾杯用のシャンパングラスを用意した。
「いつもより、手抜きだけど、今日、私がJewelのコンサート行っていたのを知っているんだから、こんなもんでいいか・・?」

とひとりごちながら、最後の盛り付けをしていると。
22:15分ジャストに
ピンポーンコンコンコンといつもの合図が聞こえた。
「じゃーん」

Jewelのメンバー潤は、後ろ手で隠していたワインを差し出した
「打ち上げ会場から、失敬してきちゃった。一番高いらしいよ・・10万円位するってスタッフさんが言っていた。メンバーのやつら今頃ブーブー言っているだろうな(笑)」
というと悪戯っぽい笑みを浮かべた。
(うん。コンサートで見る笑顔も素敵だけど、私はやっぱり今の潤の笑顔のほうが好きだ)


~「第二章 サファイヤ」はこちらから

http://blog.goo.ne.jp/sherry0324/e/8f55085a60c5cb447fdb1542e29cead8


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