ミニバスケットの普及と指導者の努力、マスメディア・SNSへの露出に伴いバスケットボールの技術力の向上はすさまじい。
特にハンドリング(ドリブル能力とでもいうのか)、ペネトレイト(ハンドリングとステップを駆使してディフェンスをかわしシュートに持ち込む)、レイアップシュートの多彩さ、ダンクシュートの日常化。その中でジャンプシュートの進歩だけは歩みが遅いように見える。
二次と三次元の差で練習量に差が出るのか。
ミニバスの低年齢層は体力不足を補うためにフローター気味にシュートを放ちリングに届かせている。
中学からはハードルがグット上り7号ボールでゴールもNBAと同じ高さそしてスリーポイントエリアの出現である。
距離を稼ぐために低いリリースポイントから勢いをつけてシュートを放つキャッチとリリースはあってもセットの感覚は養われないかもしれない。
高校までそのスタイルでシュートを打つ選手も実際石神井の現役にも何人もいる。
ミニバス、中学、高校と体力差とサイズの違いでシュートのスタイルに差異が生じるのは致し方ないかもしれない。
ただし自己流の癖がついてしまうと困りものである。
実際、東京都高校レベルでも美しいフォームのシューターは見ない。
あのフォームで良く入るなあ・・と思うことはよくある。
体格差はあってもキャッチ、セット、リリースの手順に変わりはないと思う。
但しセットの時間がかなり短くなっているのが現代のバスケットではないか。
NBA歴代No.1のシューターと言われるスティフィンカリーを見ていると殆どキャッチ=セットに見える。キャッチする時にすでにセットの状態でボールが一瞬でも止まらないうちに一連の流れでリリースしている。キャッチした瞬間に指先の方向、手のひらとボールの接触感覚、手首の角度が決まっているのではないか。
キャッチの瞬間にセットが終了していることが可能なのかシューターでは無いわたしにはわからない。世界一のシューターの技術を語る術もないが。
その昔、三角パスやスクエアーパスの練習時クイックパスの練習を行った記憶がある。受けたパスの力をそのままはじき返す感覚。壁になった自分がボールをはじく。
ワタナビーは一時NBAスリーポイント部門のトップ成功率でオールスター戦のスリーポイントシュートコンテストに出場か?と言われている。八村もメキメキスリーに安定感を増してきた。しかし両者共キックアウトからのコーナースリーというチームフォーメーションの賜物の結果のように見える。フリーに近い状況でのシュート。
渡辺はディフェンシブオールランダー、八村はペイントエリア付近を主戦場とするパワーフォワードでシュータータイプではない。
現在の活躍は彼らの才能と努力が開花した結果かNBA選手としての最低限の力の証明なのか。しかし凄いことである昨年度チャンピオンチームの試合にフツーに出場している。
ネブラスカ大の富永は優秀なセットシューターであると思う。長いシュートレンジとリリース迄のクイックネスを持ってはいるがNCAA一部の鋭いディフェンスに躊躇する場面が最近増えてきた。サイズが無い分ロングレンジスリーに活路を見出すとか進歩が見たい。日本代表でチームコンセプトの中でなら彼のロングレンジシュートは十分期待出来る。
NBA選手や代表選手と比べようは無いが
私が以前所属したシニア社会人チームにはキャッチした殆どそのままの位置でリリースしてスリーを決めるシューターがいた。決して無手勝流ではない確立した形は持っていた。
シニアの同好の志のチームではあったが、インターハイ出場高校、早稲田、名門実業団の
名プレイヤーで輝かしい実績を持つ彼はそんなシュートを打っていた。近年もゴールデンシニアで日本一の常連チームの中心選手、そのシュートのフォーム、決定力は今も健在。
中川氏の現役の時ように頭上で確実にセットする美しいシュートフォームは不変であると思う。
現在はサイズの大型化、ディフェンス力の向上によってクイック、高軌道のシュート。ロゴスリーの用語があるようにシュートレンジの広さも重要な要素になる状況ではある。
クイックも距離も確実性も・・・。