M.O.S.な日々

なんとなくな日

就活生に向けて

2020-02-01 11:00:00 | Arbejde
2017 年の企業説明会で工学部の学生向けに発表をした内容です.
プレゼン資料なので本当は色々と写真もありますが省略しています.
ご了承くださいませ. .
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2011 年入社なので, 8 年前に皆さんと同じように就職活動をしていました.

先ほどの紹介でもあったように, 当社は様々な分野について設備を収めています.

関東事業部での業務内容がメインになりますが, 2011 年入社から6 年間で私が関わってきたオーダーの一部を紹介します.

半導体関係ではCPU などの搬送, 移載装置やテレビなどのディスプレイ組立装置に携わりました.
特に面白かったのがテレビの組み立て装置で, ここでは社会のつながりを知ることが出来た仕事でした.
この装置は大学の先輩が就職した会社から受注し, 大学の友人(同期や後輩)の会社へセンサや部品を発注するということがありました. たまたま会った時に, 「お前の所に発注したぞw」的な会話もありました. 友人の会社もBtoB が多く, 一般には知られていない会社ばかりなので, これまで知らなかった社会のつながりを知ることが出来ました. ここに集まっている皆さんも同じような企業に勤める人が多いと思いますので, たまに大学の友人と話をするとこれまで知らなかった世界を見ることが出来て面白いと思います.

他には, 住宅関連で住宅の外壁を組立てる大きなラインをやりました. 家の外壁を作るラインなのでとても大きな設備です. 車関係だと, タイヤの成形機(インドのメーカでバイク用タイヤを作るライン), エンジン&ミッションを組立てるラインなどです. 最近ではベッドのマットレスを造る装置にも携わりました. このように扱う製品のサイズからして大小様々で, 仕事の内容もオーダ毎に全く異なる分野でした.
他の会社に入っても同じことだと思いますが, 大学で取り組んできた研究がそのまま活かせることはまれです. これまで学んできたことの何が役に立つのかは分かりません. 例えば3DCADではプログラムを作成して自動設計をする機能がありますが, そこでは大学で学んだプログラミングの知識が役に立ちました. 会社では鋼材がメインですが, たまにアルミを使うことがあると先輩でも材質の違いが判らないことがあります. しかしながら, ロボコンの時にはアルミ全般を扱っていたましたので, 先輩に対して使い方や特徴を説明をしたりすることがあります.
学生の皆さんには, "今学んでいること"をしっかりと身に着けて, 自分の強みにして欲しいと思います.

次に仕事の流れについて簡単にですが説明します.
まず, 営業が仕事を貰ってきます. その時にどのような設備となるのか装置仕様を決めて, いつまでに、いくらで完成させるのかの合意が取れると受注となります。このとき、営業の担当者だけでなく機械や制御の技術メンバーも加わり、より効果的な設備を提案したりします。
仕様が決まって受注すると設計の仕事が始まります. より詳しい作業工程を決めたり, 使用するモータやセンサを選定して設備の形を考えていきます. モータ等の機器を選定をするときには性能や使いやすさ, 納期(入手性), 価格など分からないことが沢山出てきます. その為, 制御担当者とどの様な仕様にするのかを決めたり, メーカーへ機能や性能についての確認をする必要があり, コミュニケーションをとりながら進めることが非常に重要です.
そのあとに装置の詳細設計を進めていき, 図面(組立図, 使用部品のリスト, 部品図)が完成します. 完成した図面を基に部品を製作し, 購入し, 組立が行われ, 実際に動かしてみて設計通りの動作をするように調整をします.
設備の仕様を満たした目的通りの動作が出来ていれば客先に出荷承認を貰って出荷となります. この後に客先の工場(国内, 国外あります)で据付・再調整をして, 仕様通りの設備が出来上がり, 客先から据付の承認が貰えれば一つの仕事を終えることになります.
ここで機械設計の仕事は顧客の要望を実現可能な形にしていくことです. 顧客は「こんな製品を組み立てる設備が欲しい」と思っていても設備の詳細は気にしません. (例えばモータの出力は何[W]にしようか・・・・等は気にしません. )
機械設計はその顧客の目的を実現させるためには実際にどのような機器構成にすればよいのか, どのような構造にすればよいのかを具体的に考える必要があります. 例えば製品組立精度を実現出来る為に必要な柱のサイズや構造, 考えた柱はコストに似合ったものなのか?などです. 頑丈な柱にすれば剛性を高めることが出来ますが, サイズが大きく重くなり価格も跳ね上がり現実的ではありません. 必要十分な性能を満たしたものを考えなければなりません.

一つのライン(設備)を造るときには多くの項目について検討をする必要があり, 一人ではなかなか出来るような内容ではないので, 多くの人と協力しながら進めていく必要があります. そして, 機械設計が作った図面が起点となり実際のモノづくりがスタートします. 設計が出した図面はこの後の部品調達, 製作, 組立, 動作の調整と多くの工程に携わる人たちの作業内容となるのでとても重要な業務となり, 責任の重い仕事です.


さて, これまで社会人として過ごしてきて感じたことを簡単に紹介します.

『最小の労力で最大の成果を!!』

部署の上司から言わて印象に残っている言葉です.

大学時代にロボコンをやっていて, スケジュール管理の難しさや予算管理の重要性は分かっているつもりでした. しかしながら, 会社の仕事ではそれらがより厳しくなります. 大学の頃のスケジュール遅れで責任を負うのは自分だけですが, 仕事となると会社対会社の問題となり, 会社としてペナルティが課せられることになります. 企業なので限られた時間の中で成果を出し, 利益を得なければなりません. 大学ではそのようなことは求められませんので当然ですが, 物事に取り組む姿勢が変わってきました.

社会人になったら次の4つを大切にしてほしいと思います.
1. まずは自分で考えてみる
分からない事は人に聞くのが手っ取り早い解決方法です.
しかし, 何でもかんでも聞いていては自分自身の成長がありませんし, 無駄に他の人の手を煩わせることになります.

2. 分からなければ上司、先輩に相談
ただし, 分からないことを悩んで考えて結果として答えが出ればいいのですが, 時間は限られています.
自分の中で「30 分は自分で考える」など区切りをつけて, それでも分からない時には素直に相談をして下さい.
後輩から相談されるために上司や先輩は多めにお給料を貰っています. 遠慮する必要はありません.

3. 実行する前には報告
そして, 実際に行動に移す前と後には上司や先輩へ報告をしてください.
仕事はチームで進めて行くため, 上司や先輩が意図していない成果ではやり直しをすることになり時間の無駄になってしまいます.

4. こまめに連絡を(自分が重要だと思わない内容でも)
最後に, 初めてやることだと重要なことが何なのか判断はつきません.
自身が気が付いたことや思ったことは取りあえず上司や先輩に話してみて下さい.
"全然問題ないよ!", "気にしなくてもいいよ!" と言われればそれで終わりです.
"それはヤバいね!" となればヤバいですw


会社では仕事が出来る時間が1 日8 時間までと決まっています. 大学生の頃は日付が変わるまで作業をして, 徹夜をすることも可能でしたがそのようなことは出来ません. また, 予算も明確に決まっていて予算を超えれば赤字です. でも安心して下さい. うちの会社の場合は赤字になってもクビを切られることはありません. (2.5億円のオーダで5億円掛かってしまったことがありましたが, お咎めはありませんでした. 逆に大炎上していたオーダを最後まで担当したのでプラス評価をもらいましたw)


大学を卒業してから23 歳で働くとして65歳まで32 年もの時間があります.
どうせ仕事をしなければならないのであれば, 人生がエンジョイ出来るように楽しみましょう.
海外出張も「辛い, めんどくさい. . . . 」と思えば嫌な気持ちで過ごすことになりますが, 「会社のお金で海外に行ける!」と思えば楽しみです. 現に楽しかったですw
皆さんが就職して一緒の会社で仕事をするのも楽しみですが, 別の会社に就職して仕事のつながりで思いがけず出会えるのも楽しみです.
皆さんが良い会社に就職できるのを願っています.

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