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セッターベルの猟犬日誌

狩猟・釣りなどアウトドアスポーツを、イングリッシュ・セターのベルとともに楽しむ。

てんぷら蕎麦。

2013年03月04日 | 鬼平を食す!


・・・蛙の長助が [白髪そば] の大黒屋を出たのは、暮六ツをすぎてからだったが

   初夏のことで、夕闇も淡い。

  長助は、両国橋へ出る手前の店屋で、ぶら提灯を買った。

  長助の顔が、ほんのりと赤い。大黒屋の二階座敷で寝そべり、ゆっくりと二合ほど

  酒を飲んだ後で、貝柱のかき揚げを浮かせた天ぷら蕎麦を二つも食った(やった)。

   なかなかどうして、長助はぜいたくなことをしているのである。

  (どうせ、もう長えことはねえのだから、生きているうち、せめて飲み食い

  だけは好きにしてえな)

   だから、ふところへ入った金を長助は出し惜しまなかった。・・・


                         『蛙の長助』より



[鬼平犯科帳] シリーズに登場する食べ物の筆頭は、おそらく蕎麦だろうと思う。やはり

江戸の人々の暮らしと蕎麦は切っても切れない間柄であったらしい。

かくいう僕も、江戸っ子ではまったくないが麺類の中では蕎麦が大好きで、夏になると

けっこうな頻度で昼食に蕎麦を食っている

『蛙の長助』に出てくる天ぷら蕎麦は、この写真の型ではなく 温かいかけ蕎麦に

江戸であれば、おそらくアオヤギの貝柱のかき揚げを浮かせた型の天ぷら蕎麦だろう。

僕の住んでる地方ならさしずめアコヤガイ(真珠養殖に使う貝)の貝柱になろうか・・・





18才から22才まで僕は東京に住んでいて、けっこう蕎麦を食べにいろいろ出かけた。

せっかくお江戸にいる以上は田舎では出来ない経験をたくさんしたかったしね・・・

池波正太郎が大好きだったという浅草並木の[薮] にも行きました。

蕎麦味噌をなめて酒を飲んで、もりを二枚食べた記憶があります 池波正太郎はここの

辛めのつゆがいいと書いています。  でも僕にはすこし辛すぎた。

 これが経験であると思います。自分の舌でどう感じるかが大切なのだと思います。

もともと高知県西部の醤油は少し甘めの醤油なので「これがお江戸の味か」と思いました

また東京に行く機会があれば江戸の味を求めて是非食べに行きたいですね。




「飲まぬくらいなら、蕎麦屋へは入らぬ」という池波正太郎の言葉がありますが

たしかに蕎麦屋で飲む酒はうまい!気の利いた蕎麦屋なら必ず酒も厳選してますし

また 蕎麦屋には酒に合う肴がたくさんありますよね。

海苔・蒲鉾・合鴨・海老・子柱・山芋など、どれもちょっと一手間でいい肴になる。

蕎麦だけではやはり値段の限界がありますから酒も飲まずに蕎麦だけでは蕎麦屋が可哀想でしょう

むろんこれは僕自身の酒飲みの独断と偏見ですがね。

みなさんも、良い蕎麦屋があれば是非この [蕎麦屋酒] を楽しんでみて下さい。

でもけしてダラダラ飲んではいけませんよ!それも蕎麦屋が可哀想・・・




    「鬼平を食す」第五弾 [天ぷら蕎麦]

                   やっぱり うまいが一番!



         





 





鷭(ばん)のつけ焼き

2010年11月30日 | 鬼平を食す!


・・・「さ、この三つ重を先へ取ってくんな。ここへ来る途中、今戸の嶋屋で

仕入れて来たのよ。中は鷭(ばん)のつけ焼きに茄子の田楽。そのほか

いろいろ入(へえ)っている。彦十爺いをたたき起こして、いっしょにやろうじゃあねえか。

さ、こいつも取れ。いい酒(の)が入っているぜ」・・・ (狐火)より



狩猟を始める前から この鷭のつけ焼きは知っていた。しかしどんな味なのか

想像もつかなかった・・・物語では長谷川平蔵が見張りをしている相模の彦十たちに

差し入れをして、見張り所で交代をしながら一杯やるというところ。

鬼平ファンなら必ず目にするシーンで、その時食べているものにも興味をそそられます。

味付けは 醤油・酒・砂糖をあわせたつけ汁につけながら炭火で焼き上げる

この当時の つけ焼きというのは多分こんな単純な料理法だと思います。

あくまでも僕の想像でしかありませんが・・・ 

焼いてみるとすごい脂がのっている!

初猟の時期の渡ってきたての鴨ではこんなに脂ののりはないでしょう

本に書いてあった事は本当だった!!!

食べてみてまたビックリ!これはうまいぜよ。いや本当に美味い、お世辞抜きに。

肉は柔らかく、甘みと なんともいえない良い香りがする

この際 皮の脂がきつくて毛引きが大変だった事は忘れてしまおう

大満足でした。こんな美味い鳥はまたベルと一緒に獲りにいかねば!



        「鬼平を食す」第四弾 [鷭のつけ焼き]

                     やっぱり うまいが一番!









うなぎの蒲焼き!vol.2

2010年07月25日 | 鬼平を食す!


・・・尾行をしながら辰蔵は、鰻屋[喜多川]のことをおもい浮かべていた。

[喜多川]へは悪友の阿部弥太郎に誘われ、三度ほど食べに行ったことがある。

     ・・・中略・・・

蕎麦にしろ鰻にしろ、近年は調理法に贅沢な変化があらわれてきはじめた。

辰蔵が子供のころは、鰻なぞも丸焼きにしたやつへ山椒味噌をぬったり

豆油へつけたりして食べさせたもので、江戸市中でも、ごく下等な食べ物

とされていたものだ。とても市中の目ぬきの場所に店をかまえて商売ができる

代物ではなかったのである。

それが近年、鰻を丸のままではなく、背開きにして食べよいように切ったのへ

串をうち、これを蒸銅壷にならべて蒸し、あぶらをぬいてやわらかくなった

のを今度はタレをつけて焼きあげるという、手のこんだ料理になった。

これをよい器へもって小ぎれいに食べさせる。

「鰻というものが、こんなにおいしいものとは知らなかった・・・」

いったん口にすると、後をひいてたまらなくなる。客がたちまちに増え、

したがって鰻屋の格もあがり、江戸市中にたちまち鰻屋が増えたのだ。・・・

                        (泥鰌の和助始末)より




鰻と言えばやっぱりこれでしょう!炊きたての熱い飯に焼きたての蒲焼きを

乗せてかきこむ(うな丼)ガツガツいけます。



鰻を食べると精がつくというのは万葉の頃からの通説であったらしいですね。

質の良い蛋白質と脂肪を大量に含み、しかもビタミンAの豊富さにおいては

並ぶものがない。昔の人は経験的にそういう事をちゃんと知っていた。

吉田石麻呂という人はひどく痩せていて、いくら食べても一向に太らない。

そこで有名な大伴家持が石麻呂を冷やかして、一首。

  「石麻呂に 吾もの申す 夏やせに
        よしといふものぞ 武奈伎とりめせ」

つまり、ひどい夏やせですねぇ。鰻でも召し上がったらいかが・・・

すると石麻呂が早速、歌でやりかえした。

  「痩す痩すも 生けらばあらむを はたやはた
              鰻を捕ると 河に流るな」

即ち、いくらやせていたって生きてるだけまし、そちら様こそ鰻を獲りに行って

溺れ死んだりしないように・・・という忠告。食べ物論争も和歌でやりあえば

まったく 雅(みやび)なものである・・・・・   

                  佐藤隆介 著 「鬼平料理帳」より抜粋

  「鬼平を食す」第三弾 [鰻の蒲焼]vol.2

            やっぱり うまいが一番!

うなぎの蒲焼!

2008年09月07日 | 鬼平を食す!
今年のコロバシ漁を終えて、漁果は11匹でした。しかし蒲焼にできたウナギは

3匹 最低でも45cmはないと美味しい蒲焼にはなりませんので残りはすべて

リリースしてやりました。


      このウナギは55cm!なかなかのやつです

ところで 「江戸前」という言葉は初めはウナギに使われていた言葉だそうです。

ぶつ切りのウナギを串に刺して焼いた いわゆる「蒲焼」から、裂いて甘辛のたれ

を塗って焼き上げる現在のかたちのものになってウナギは江戸で大人気となった。

当時はすべて天然物だから江戸の海で獲れる分だけでは間に合わなくなって利根川

など他所で獲れたウナギを運んできて使うようになった。

しかし口の肥えた江戸っ子は江戸の海で獲れた方を好み、これを「江戸前」と呼び

他所から来たものを「旅鰻」と呼んで区別していたらしい・・・

僕の大好きな池波小説にもウナギはたびたび登場します。


・・・昨日は、非番の門番又造が深川の富岡八幡宮へ参詣に出かけた後をつけて

行き、途中で偶然に出会ったように見せかけ、

「こうした機会でないと、いつも厄介をかけているお前に礼をするときもない」

笑いかけながら、共に参詣をすませ、八幡社門前の鰻屋[魚熊]の二階座敷へ連れ

こみ、「さ、好きなだけ飲め。たくさん食べるがよい」・・・(殺しの波紋)より



さて、このウナギを蒲焼にして食べますが まずは[裂き]!ウナギ裂きには

関東流は背開き 関西流は腹開きとあるようです。僕は迷わず関東流を選びます。

そして裂いたら[焼き] これにも東西あって関東は白焼きにしたのを一回蒸して

それからタレをつけて焼く、関西は白焼きからそのままたれをつけるといいます

この[焼き]にかんしては関西流のほうが僕は好きです。

  
       白焼き!このまま山葵醤油で食べてもうまい

よく天然ウナギは泥臭いと言う人がいますが それはこの白焼きの時間不足のせい

なのです。50cmはあるウナギなら最低でも白焼きに30分はかけましょう!これ

けっこう大事な事ですよ。さらにタレを塗って炭火で焼き上げて出来上がり

 
        清流で育った天然ウナギの蒲焼

お味は 養殖物とくらべて皮はかたいけど肉と脂の味が濃厚で美味しい!

ウナギにはビールではなく日本酒がほしくなるなぁ・・・

 今回はウナギのウンチクが多くて長くなりましたが

  「鬼平を食す」第二弾 [鰻の蒲焼]

            やっぱり うまいが一番!

川えびの塩焼き

2008年07月29日 | 鬼平を食す!
「鬼平犯科帳」 僕の大好きな時代劇です。池波正太郎原作で主演はもちろん

中村吉右衛門じゃなきゃ駄目だ!今でも古いビデオテープを引っ張り出して見る。

原作、時代考証、登場人物の味や吉右衛門のたちまわりなどどれをとっても最高の

時代劇だと信じている。中でも僕が興味をそそられるのは食べ物がでるシーン!

もちろん池波正太郎の好みなのでしょうけどね・・・

   

「・・・平蔵が、おまさをみちびいた場所は、市谷八幡宮境内にある[万屋]と

いう料理茶屋の離れであった。ここは平蔵なじみの茶屋だ。

酒が出て、川えびの塩焼きやら穂紫蘇の吸い物がはこばれ、女中が去ってしまう

まで、平蔵は沈黙したまま・・・・」(狐火)より



 東京がまだ江戸と呼ばれていた時代、まさに東洋のベニスといわれるほどの

水の都だったらしい。そんな場所なら当然 川魚料理を出す船宿や料理茶屋は

たくさんあったはずだ。僕は最近 夕方になると川に入り、仕掛けた罠にエビや

ウナギがかかっていないかチェックしている。今日は大きなヤマトテナガエビが

入っていたのでさっそく塩焼きにしてみました!

ビールに良く合う最高のエビ、本当に美味しいものです。

仕掛けた罠にはけっこうエビは入るんですが これだけ大きいものはなかなか

入りません。 当然 小さいものや卵を持ったメスは川にかえします

限りある自然!いつまでも 後の世の人達にもこの素晴らしい川の恵みを残して

いけるように・・・・

そんな気持ちでいつも漁をしています。「ただ獲れればいい!」それではいつか

川の中には何もいない なんて事になりますからね。

話がだいぶそれましたが

「鬼平を食す」第一弾 [川えびの塩焼き]

    やっぱり うまいが一番!