楓荘日記

米女優サンドラ・ブロックの情報を中心に、洋画、日米ドラマ、本など、思いつくまま書いていきます。

フル3D初体験

2010-04-08 00:47:04 | 映画感想

 率直に言って、「アバター」に対してはほとんど興味がありませんでした。もともとVFX大量投入の映画にはあまり惹かれません。技術の進歩のすばらしさと、それが映画制作に与える影響の大きさは認識していますが、私はもっと日常的な、こじんまりした映画のほうが好きなので、「アバター」はVFXだけでなく、映画として意外によくできている、とか、パフォーマンス・キャプチャーの進歩で、俳優の演技のすばらしさがはっきり分かるとか、いろんな高評価を耳にしながらも、なかなか腰が重かったのですが、やはり、史上最高の興収をあげている映画を、映画好きとして観ないわけにはいかんだろう思い、ようやく観に行ってきました。

 「アバター」 (原題: Avatar)

 監督/製作/脚本/編集: ジェームズ・キャメロン

 出演: サム・ワーシントン/ゾーイ・サルダナ/シガーニー・ウィーバー

 ストーリー: 西暦2154年。戦闘で負傷し、車椅子生活となった元海兵隊員ジェイクは、急死した双子の兄に代わり、パンドラという星で任務を果たすことになる。その星の住民ナヴィのDNAと地球人のDNAを掛け合わせて作られたハイブリッドの肉体“アバター”を得たジェイクは、科学者グレースの指揮下でパンドラの地に降りるが、そこでナヴィの娘ネイティリと知り合う。ふたりはやがて互いをよく知るようになり、ジェイクはパンドラの自然に敬意を抱くようになるが、彼にはグレースにも秘密の任務があり、それはナヴィ族を立ち退かせることだった。パンドラの生態系を破壊してしまう武力行動に発展しそうになったとき、ジェイクはパンドラのために立ち上がることを決意するが……。

 米アカデミー賞撮影賞、ゴールデングロープ賞作品賞(ドラマ部門)、監督賞などを受賞。

 メガネの上に3Dメガネをかけたため、疲れないか心配でしたが、それは大丈夫でした。確かに映像はすばらしかったです。「おおお~」と言いたくなるような。ただ、さすがにいろいろ耳にしていたせいか、「今までにないレベルに映画を押し上げた」とか、「観たこともないような映像」とか、そこまではどうも思わなかったのは、おそらく私の鈍感さだと思います。

 ストーリーのほうは、まあ、よくある話で、都合よく思わぬ味方が現れ、都合よく善のほうが勝ちます。地球人側が欲しがっていたものが莫大な価値があることは分かりましたが、それを地球でいったいどう活用しようとしているのか、それを得ることでどれほどの意味があるのか、という点がよく分かりませんでした。見落としたかなあ。あまり複雑なストーリーにしても……ということだったのかもしれませんが、ストーリーだけをとると、平凡な映画だと思いました。キャラクターの中にもとくに魅力を感じたキャラクターもいなかったなあ。感動もなかったし、観終わったあとの爽快感もありませんでした。

 私が注目していたのは、ゾーイ・サルダナの演技。これまでのパフォーマンス・キャプチャーとは違い、本人の顔の表情がそのまま表れ、いわゆる声だけの演技ではなく、彼女の演技としてもっと高く評価されるべきだ、女優賞にノミネートされるべき演技、ということはキャメロン監督が強く訴えており、批評家や映画ジャーナリストの間でもそういう声はあったようです。確かに、ゾーイだけでなく、シガニー・ウィーバーもサム・ワーシントンも、アバターになったときも本人だとはっきり認識できる演技でした。

 でも、ゾーイの場合、女優賞にノミネートされて然るべき、というほどの演技には思えませんでした。逆に、パフォーマンス・キャプチャーによる演技ということで過大評価されているんじゃないかと思ったくらいです。もちろん、相手との絡みでシーンを作っていく実写映画での演技に比べ、グリーン・スクリーンを背景に何かの目印だけを相手にしなければならない演技は難しいと思いますが、ある意味、自由でもあると思うんですよね。私はやはり、演技というのはリアルタイムでの衝突によって生まれるものを観たい。実写映画のシーンも別撮りをしていることも多いでしょうから、リアルタイムの衝突とは言えないものも多いでしょうけれど、あとでどうにでもCGで加工できる(してないにせよ)可能性のある演技と、実写映画の演技を同じくくりでは考えられない。

 でもまあ、とりあえず観ておいてよかったです。「アバター」のような映画が莫大なお金がかかる映画でよかった。こういう映画ばかりになったら、面白くないですから。

 最後に、僭越ながら採点: 65/100

 ちなみに私の採点基準は、レディースデー(1,000)なら観ても損はなし、というのが60点、通常料金(1,800)で観ても損はなし、というのが75点です。でも、けっこういい加減です。

 こちらは、アカデミー賞でのベン・スティラーによるアバター。


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4 コメント

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酔いには勝てず。 (104)
2010-04-09 01:10:33
私は3D酔いで半分は音だけで楽しみました(笑)
あー気持ち悪かった。
それでも映像に関しては綺麗だったなぁって思いますよ。光る植物?の中でのキスシーンとかね。
それとシガニーのその存在感に改めて感動しました。
画面が引き締まるというか。

それと、何と言ってもネイティリの可愛さ。
あのツンデレ振りが可愛かったですね。
私の中でのゾーイの株も一気に上がりました。それまでは Jada Pinkett Smith と同一人物だと思ってたくらいですから(笑)

で、肝心のアバター本体としては。。。同じくフツーの映画です。あれがオスカー候補になった理由がわからない。一緒に見た友人も「フツー」と行ってました。まぁそれでもあの作品はあれで良かったのだと思います。わかりやすいからこそヒットし、シンプルに伝わるものがあったのでしょうから。

それにしても3D映画が増えていく中私は観賞に堪えません。アリス~も通常版じゃないと観えないなぁ。
・・・・まぁこれから3D撮影が予定されている映画で気になるものが無いのは幸いです。
ちょっと先の将来的にはコメディもドラマも3Dとかになっちゃうんですかね。うーん。3D酔いは思いだすだけで気持ち悪い(笑)
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104さんへ ()
2010-04-09 11:59:28
3D酔い、私も心配だったのですが、大丈夫でした。
これまでに3Dは「ハリポタ」の冒頭15分ぐらいを観たぐらいしか経験がなかったのですが、フルバージョンだとかなり疲れると聞いていたので。

ジャダとゾーイが同一人物・・・というところで大笑い。
確かに似てるかも~。

オスカー候補になったのは、革新的な技術ということなんですかねえ。
内容もある、みたいな批評を読んでいたので、実際に観て意外でした。
まあ、大ヒットしてるのは分かりますが。
私は一回観たからもういいか、という感じです。

サム・ワーシントン、少し前に「タイタンの戦い」を観たのですが、いつも同じだな。

ドラマやコメディは2Dでいいですよね(笑)。
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現実に戻れない? (たんば)
2010-04-12 00:58:30
ナヴィ、オリエンタル系の猫の顔に似てますね(笑)
ETのモデルもレックスかスフィンクスだそうですね。
最近の宇宙人イメージはタコじゃなくてネコ!?

CG、キレイで良かったですが、ネットニュースで「映像がスバラシすぎて現実にガッカリしてウツになる人続出!」というほどでも(笑)
日本人はゲームやアニメでああいった世界の雰囲気に慣れてるからそんなに新しく感じないのかもしれませんね。
「観たことない」ではなく「どこかで観たことのある」映像でした。でも、確かにキレイ!!

「タイタンの戦い」、興味なかったのですが、アバターの人と知った時やはり「また同じようなのに出てるんだ!」と思って観たくなってしまった次第です…。
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たんばさんへ ()
2010-04-12 13:18:19
確かに猫系の顔!

私のようにゲームもやらず、アニメにも疎い人間が観ても、そこまでの映像かなあ、と思いましたが、たぶん、そもそも3Dにあまり興味がないせいかもしれません。

「タイタンの戦い」、2Dで撮ったものをわざわざ3Dに変換したのに、散々な言われようで気の毒です。
内容はありませんが(苦笑)、まあ、飽きずに観られますよ。
怪獣がけっこうおもしろいです。

サム・ワーシントンは何人を演じてもオーストラリア人!
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