楓荘日記

米女優サンドラ・ブロックの情報を中心に、洋画、日米ドラマ、本など、思いつくまま書いていきます。

1番でなくても最優秀になれる…かも

2010-02-20 17:52:16 | 映画関連イベント

 米アカデミー賞作品賞ノミネートは従来の5作品から10作品になり、本選の投票システムは“Preferential Voting”と呼ばれるものに変わりました。正式な訳語があるのかどうか知りませんが、優先的に投票する、ということでしょうか。

 作品賞ノミネート① 「アバター」(公開中/公式サイト:http://movies.foxjapan.com/avatar/

 アカデミー賞の投票は、各部門についてはそれぞれの部門の“専門家”が投票しますが、作品賞だけは、全会員に投票資格があります。ほかの部門は、従来どおり、自分が最優秀と思える作品名または人名を書いて出すわけですが、作品賞に関しては、今回から全10作品について、順位をつけて投票することになったそうです。

 *訂正: 各部門の専門家が投票するのはノミネート投票で、本選はどの部門も全会員が投票するそうです。

 作品賞ノミネート② 「ハート・ロッカー」(3月6日公開/公式サイト:http://hurtlocker.jp/

 そして、最優秀作品賞は過半数を超えた得票の作品に贈られます。この「過半数」というのが、全会員数の過半数なのか、有効投票数の過半数なのか、分かりませんが、普通は有効投票数ですよね。

 作品賞ノミネート③ 「マイレージ、マイライフ」(3月20日公開/公式サイト:http://www.mile-life.jp/

 投票用紙はなんとかという会計事務所に送られ、3月2日の午後5時までに到着した投票用紙はそこで手作業で計算されるそうです。

 作品賞ノミネート④ 「イングロリアス・バスターズ」(まだ公開中?/公式サイト:http://i-basterds.com/

 作品賞への投票は、まず、作品ごとに作られた袋だかカゴだかに、その作品を1位に投票をした用紙が入れられます。この時点でもし、いちばん1位投票が多い作品の得票が過半数を超えれば、そこで最優秀作品賞は決定。

 でも、10作品も候補があるなかで、6千人近い会員の過半数が1つの作品を1位にするほど、今回のノミネート作品でずば抜けた作品はなさそうです。

 そこで、1位投票振り分けの段階で過半数を超えた作品がなかった場合は、1位得票が最下位の作品の投票が再び開けられ、そこで2位になっている作品にそれぞれ票が配られます。

 そこでもまだ、過半数得票の作品がなければ、1位得票9番目の作品の投票用紙が開けられ、その2位投票の作品に票が配られます。そんなふうに、過半数得票作品が出るまで、それが繰り返されるわけです。

 作品賞ノミネート⑤ 「プレシャス」(GW公開予定/公式サイト:http://www.precious-movie.net/

 

  そんなわけで、最終的に過半数を超える作品は、もしかすると、1回目の開票で1位得票がいちばん多かった作品ではない可能性も出てくるのです。このシステムでは、1位得票が多くても、2位得票が少なければ断然不利になります。

 ノミネート作品10本といえども、現実的には上記5作品が最優秀の可能性がある作品と言われており、さらには、「アバター」と「ハートロッカー」の一騎打ち、とも言われています。そして、この投票システムでは、好き嫌いの差が激しそうな「アバター」が不利のようです。ジェームズ・キャメロンとキャスリン・ビグローの人望の差もあるらしく、キャメロン監督は「タイタニック」で受賞した際に、“I'm King of the World!”と叫んでしまったことがいまだに尾を引いている、と、トーク番組でも告白したそうです。

 また、「イングロリアス・バスターズ」のプロデューサー、ハーヴェイ・ワインシュタインは、大穴で同作が受賞する、と息巻いているとか。確かに、2位の得票をがっちりつかんでいれば、タランティーノの人気からも可能性はあるらしいです。

  投票システムについて、分かりやすい記事はこちら:http://www.usatoday.com/life/movies/news/2009-10-30-10oscars30_CV_N.htm

 作品賞ノミネート⑥ 「しあわせの隠れ場所」(2月27日公開/公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/theblindside/

 ここからは受賞の可能性がことごとく低い5本。「しあわせの隠れ場所」、公式サイトにようやく劇場情報が出ましたが、銀座、六本木の公開がないことから力が入っていないのが分かってしまいますね。悲しい……。

 作品賞ノミネート⑦ 「カールじいさんの空飛ぶ家」(公開中/公式サイト:http://www.disney.co.jp/movies/carl-gsan/

 「カールじいさんの空飛ぶ家」は長編アニメ部門で受賞しそうですね。

 作品賞ノミネート⑧ 「17歳の肖像」(4月17日公開/公式サイト:http://www.17-sai.jp/

 この作品とキャリー・マリガンは、今度の日曜日の英BAFTA賞で賞を獲りそうです。

 作品賞ノミネート⑨ 「第9地区」 (4月10日公開/公式サイト:http://d-9.gaga.ne.jp/

 SFファンの中には、「アバター」よりも「第9地区」のほうが作品として上、という意見も。

 作品賞ノミネート⑩ 「ア・シリアス・マン(原題)」(公開未定/英文公式サイト:http://filminfocus.com/focusfeatures/film/a_serious_man/

 「ア・シリアス・マン」はノミネート作品の中で唯一、日本公開が決まっていない作品ですが、コーエン兄弟作なので、そのうち、アート系劇場で公開されるのではないかと期待しています。

 それでなくても長い授賞式。作品賞候補10本を式の間で紹介していくとなると、やはり5本のままでよかったんじゃないの、と思ったりします。オリンピックじゃないんだから、参加することに意義あり、ってこともないでしょうし。運営側は、いろんな意味でバランスのとれた10本が選ばれたということで満足しているようですが。

 授賞式は米時間で3月7日、日本では8日の朝からWOWOWで生放送されます。

http://www.wowow.co.jp/extra/oscars/

 最後に、(観てないけど)私が最優秀作品賞を獲るだろうと予測する「ハート・ロッカー」の予告編をどうぞ。

<!-- The Hurt Locker trailer -->

 


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
複雑 (たんば)
2010-02-25 23:38:56
ぐあー、単純に一番投票が多い作品が受賞、
というわけではなかったんですね。。。
返信する
たんばさんへ ()
2010-02-26 23:23:53
不思議ですよね~。
このシステム、分かってなくて投票する人、けっこう多い気がします。
返信する

コメントを投稿