千盡仙人

◇ 佐藤千盡の油彩画

◇ photo <時の彼方に> senjinsennin

#23 ◇ 絹のスカーフ  幸子

2018-08-26 04:32:28 | 幸子〔ゆきこ〕のノート


幸子のノートから #23
◇ 絹のスカーフ    
綾工芸祭
今年は何も買うまいと    出店の試食
いつものbothに見つけた  つぎつぎ手を出す
絹のスカーフ        味見なり
色合風合たまらない     いやしいいやしい
帰ってスカーフ並べ     もういやだ
満足感に浸っており

障子しめ破れ障子に
あわれさ誘われる
吾こゝにあり

ごはんつぶ         雨がやみ
小鳥にまいた        風吹き抜ける
つぐみとひよが       室々を
えさ合戦を         さわやかになる
始めており         梅雨の合間
夫は困った
顔で話す
朝ぼらけ

          
          








#22 ◇ 気休めに海が見たくて 幸子

2018-08-23 05:15:13 | 幸子〔ゆきこ〕のノート

幸子のノートから #22
◇ 気休めに海が見たくて
花をいける      ほととぎす
景色が華かなりし   遠き鳴き声
潤う室となる     ひさびさに
野に咲く花は     そば耳たてて
華れいなる姿を    じっと待ってる
アピールする     夫の顔

鏡見て        気休めに海が見たくて
顔をながめて     海に来る
気をとりなおす    心 せつなく
病むる時       たえられない日に
           帰りは
わが夫は       晴れ晴れと
茶わんをたたく    気を入れ替えて
無表情


          
          








#21 ◇ 行き来して舞うカラス蝶2羽

2018-08-16 05:41:15 | 幸子〔ゆきこ〕のノート

幸子のノートから #21
◇ 行き来して舞うカラス蝶2羽
うすずみの空に
虫が鳴いている
悲しげに
つがいのさぎが
蝶の舞に似て
飛んで行く

秋風に
木々の葉 紅葉へと
こずえに蝉の声かすか
野面に虫の声悲し
竹林にはこじゅけいの親子
チョトコイと鳴いており
白萩たわむ すきまから
ひがん花の赤
行き来して舞うカラス蝶2羽
わが宿の眺めなり



#20 ◇ 秋風はどこに 

2018-08-14 05:00:47 | 幸子〔ゆきこ〕のノート

幸子のノートから #20
大淀川の川はゞは  フリジアの
日ごと広がる    香を思い出し
さぶり雨      買い求む
暑さも高まる    ギャラリーに充す
秋風はどこに    幸せな時よ

さぶり雨      静かなる暮れの1日
ひねもす雨に    明日行きますと
打ちのめされて   期待して
仕事にならぬ    待てど 何もなし
だらしなさよ    カリントウつぎつぎ
          ほうばる
          悲しさ充しつ
          時は流れた


#19 ◇ 耳を澄まして

2018-08-12 02:23:04 | 幸子〔ゆきこ〕のノート

幸子のノートから #19
◇ 耳を澄まして
ごきぶりだ
やさしくたたき
逃げられた
力をこめて
たたきのめす
得意げな
夫の顔

ミーンミーンと
ミンミンぜみの
初鳴きを
耳を澄まして
夫は聴く
静止した状態
の顔を保つ