草莽の記     杉田謙一

教育・防衛・慰霊・エネルギー・歴史についての意見

李登輝前総統靖国参拝

2007-06-09 11:37:05 | Weblog
李登輝前総統が靖国神社に参拝された。その挨拶に。

 靖国神社に参ります。六十二年間もあったことのない私の兄を靖国神社で合祀し慰霊を守ってくれ、私は感謝の意を表してきます。これは私の立場であって、政治的にも(関連つけて)考えないでください。これは私の望みです。
 私と兄は、二人兄弟で非常に仲がよかった。その兄と六十二年前に高雄で別れて以来,私のうちには兄の遺髪もなければ、遺骨もないし、遺灰もありません。位牌は靖国神社にのみ残されています。それを私が家族の一人として訪問すると言うことは、私は兄にォ対する尊敬の念を示すためにもやらなければなりません。

 私のおやじは十年前になくなるまで、兄が死んだことを信じておりませんでした。兄が亡くなったときには、彼の遺霊がうちに現れたと言う事実は存在します。なくなったその瞬間に帰ってきているはずですけれども、おやじの関係でうちでは何もしておりません。私が六十年ぶりに靖国神社に参りまして、頭を下げて遺霊を祀って来ると言うことは私たちとしては当然のことと思います。まったく個人的な家庭の事情であります。皆さんにはよろしくお願いしまして、政治的には何も、歴史的には何も考えてくださらないようお願い申し上げます。ありがとうございました。

 李登輝総統の訪日の最大の目的がここにあったのだと思う。単に兄ぎみへの面会にとどまらず、日本国民への強力なメッセージである。亡き人々に対してどのように振舞うべきか。我々日本人の体たらくを痛感する。靖国さんの奉賛会はだんだん遺族の方々の高齢化のため、「あさなぎ」拡大など対応を考えなくてはならないが、優秀間の拝観者数は十八年は三十六万人十八年は五十万六千人を数えたと言う。嬉しき限りである。