草莽の記     杉田謙一

教育・防衛・慰霊・エネルギー・歴史についての意見

参議院選挙に問われるもの

2007-06-08 23:41:26 | Weblog
 今回の参議院選挙は安倍内閣の将来を決する重大な選挙である。振り返れば安倍政権になってあっという間に訪中訪韓。北の核実験がなされた際にはすぐさま抗議、恐喝に屈しない姿勢を鮮明にした。六ヶ国協議を反核反拉致の原理に押し留め、米国政権がテロ国家指定解除に動こうとするを知るや、訪米し、待ったをかけ、国際正義を貫けるよう要請した。ハノイでAPECが開催された際には、あらゆる会談で、「自由主義、民主主義、基本的人権の尊重、法の支配」の四つの価値を共有することを訴えたのである。麻生外相提唱のインドを含めた自由と反映の弧の連携、対中国軍事大国化批判政策など、国家の安全確保の追求は的を射た施策である。
 また、初めてナトーの協議に参加し、共同防衛の指針を明示したのも、記憶に新しい。集団的自衛権の是正を諮問し、改憲の前にできることをなす。危機は改憲がなされる前にも常に起こっているわけであり、当然のことであるわけだが。
 外交方針において必ず哲学を語った政治家は珍しいことである。 
 履き違えなき自由の価値を前面に打ち出し、国際社会が正義と秩序を保てるように活躍している姿は、かつての政治家の媚中政策と比べて雲泥の差である。
 また国内的にいえば、戦後体制(レジーム)をただし、美しき日本の再建をなすべくさまざまな取り組みに成功している。教育基本法改正。教育再生への取り組み。憲法改正のための国民投票法案の成立。無限の資源を生かす海洋法の制定など、その成果は既に多大なものとなっている。
 しかし、わが国をとりまく内外情勢は決して予断を許すものではない。
 拉致一つをとってみても、小泉訪中以来、まだ一人も取り戻すことができていない。教育の荒廃は親殺し、斬首すら引き起こし、高貴な日本精神は未だ回復の端緒に立つのみ。学力低下は、小六中三年生出の全国学力テスト導入こそ成し遂げたものの、回復の兆しすらない。年金納入状態すらわからない官庁の体たらくやいかに。