ほっとする お茶の惑星

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300文字 小説

2007-07-17 | Weblog
ある朝、目覚めると               荒川 綾子
  
  ある朝、目覚めると、じぶんの顔が亀になっていた。
  あまりの驚きに動けないでいると、いつも自由気ままな
  妹が様子を見に来た。
  「起きてる? 遅刻するよ」
  その顔はなんと猫であった。
  食卓では、仕事熱心な父が馬の顔で新聞を読み、
  家族思いの母が猿の顔で朝食の準備をしている
  なぞが解けないまま、一緒に登校する友達との
  待ち合わせ場所へ。
  「早く、早く、遅れちゃうよ」
  行動が早い彼女はウサギの顔である。
  「相変わらずノンビリなんだから」
  どうやら、皆、その人の性質によって動物の顔になって
  しまったらしい。
  その時、街頭のテレビで、汚職疑惑の政治家が無実を
  主張する演説をはじめた。
  その顔は、まぎれもなく人間の顔であった。
                     (名古屋市緑区・会社員・27歳)

確かに、うそを並べる時の卑しい表情は、人間特有のものかもしれませんね。
だから、私の顔は動物に見えておりますようにと、願わずに入られません。

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3 コメント

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動物顔 (つくし)
2007-07-18 10:47:02
ホント ホント!
動物顔でいたいですね~
では 私はなに顔かしら・・・・?
返信する
 ()
2007-07-18 22:21:51
面白い話なのに、自分は何の顔になるのかと思ったら恐い~!
返信する
こわい (チワワ)
2007-07-19 14:57:53
こわいお話ですね!
私もどんな動物の顔か、興味津々。
返信する

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