正直なところ、この「ハングオーバー」という映画作品が、アメリカはともかく、全世界でどうして4億ドルもの興行収入を上げられたのか、不思議でならない。
しかも、いろいろと賞もたくさんとっている。
なのに、自分にはいまいちピンとこなかった。
それはなぜ?と考えてみた。
2009年に公開されたこの作品は、基本的にアメリカンコメディーだ。
だから、日本人の自分としては、少しもおかしく感じられない。
シリアスかと思わせておいて、実は奇想天外なドタバタ喜劇。
フィルムの構成はタランティーノ映画をほうふつとさせるユニークさだ。
しかし、ストーリーは陳腐な感が否めない。
そもそも、今日のアメリカンジョーク、アメリカンコメディーは、ナンセンスドタバタコメディーだ。
リュック・ベッソンのようなウィットの利いた笑いこそ、私には共感して笑える。
最後のデジカメがタネ明かしするのだが、それまでのストーリー展開はおよそあり得ないものばかりだ。
どうしてマイク・タイソンがトラを飼ってるわけ?
ベガスの超高級ホテルのスイートをめちゃくちゃにして、宿代どうやって払ったの?とか。
しかし、そういうディテイルにこだわっていてはいけないのもアメリカンコメディーを笑うマナーなのかもしれない。
さてさて、そんなわけだから、このアメリカの笑いを娯楽として理解できるか、できないか。
21世紀を生きる我々の「笑いの感性」が問われている気がする。
ま、個人の好みの問題かな?