ダイキャスト情報室

鋳造品の品質を決めるのは、方案と排気かな。。。。

流れと渦及びハイシリコン材

2024-05-11 | DieCast

金型が傷んでどのように修理したらベストか、という相談があった。ハイシリコンのアルミを使っているため流速の早い部分がどうしても摩滅してしまう現象はご存じだろうか。修理法はさておいて、金型を詳しく観察したところ、流速の早いゲートだけでなく、流速が一定の部分においても金型の摩滅が発生している。なぜかと思って老眼でよく見るとスムーズ(smooth)な流れを意識していないため(流れがT字形になっていてT字の下から入りT字の右側へ抜けていく流れ。T字の右へ流れる部分で渦が発生して交差部から20~30mmほど摩滅あり。これはT字の左側部を作ってあるため流れが交差部まで来て右に行こうか左に行こうか迷った結果ここで渦が発生しているように見える、ちなみに窒化処理した入れ子で、C135ton )その部分に不要な渦が発生しているため、そこだけ金型が凹みとなっている。ADC12ではこの現象をはっきり確認することはあまりないが、ハイシリコンの場合ははっきり金型に症状が現れる。やはりランナー設計でも同じ、スムーズな流れを意識しないと金型の破損につながるんだなと再認識した次第です。

’24.05.11 T字部流れの説明が良くないため改定追記