ダイキャスト情報室

鋳造品の品質を決めるのは、方案と排気かな。。。。

車体のダイキャスト化

2023-09-20 | DieCast

 メディア向けに、「トヨタモノづくりワークショップ」という生産技術等に関する説明会が開かれたそうだ。関連する記事が朝日新聞('23.09.19)にもあって、それによるとマシンは4000ton、高さ6m 重さ400ton射出から製品取り出しまで十数秒とのこと。画像だとおもうが、ロボットによる製品の取り出しまであったようだ。確認のために芝浦機械に3500tonマシンの資料を頂いたが、マシン重量まで記載されていなかった。残念。さらに記事によると、アナリストがダイキャスト化された車体は修理コストがかかると分析しているとのこと。しかしとトヨタの試作品画像を見ると何でもかんでもダイキャストにするわけではなく、ホイールハウス部分とそれをつなぐ骨格部だけで、鋳造品の投影面積を小さく設計して、どこかの会社みたいに大きな鋳造機を使わないで対応しようとする姿勢が見える。それに大きな衝突事故となった場合は、スチール製でも廃車になるだろう。テスラの画像を見るとホイルハウスの後ろ側もダイキャストで作りこんでいる。この部分に軽微な衝突があった場合は修理も困ると思う。下の画像はトヨタ広報が公開している鋳造機のもの。最近はカバーされた機械が多くてイメージわかない。さらに樹脂製品の型と思われる画像もあったのでしっかり借用しました。

追記:UBEのUB6500鋳造機がリョービへの納入が決まったとの事。この方向に行くんだろうな。UB6500は昔風には6600tonぐらいかな。 


蜻蛉日記

2023-07-15 | 日記

  長い時間が掛かったけれど、「かげろうの日記」を読み終えた。今年の3月上旬から7月中旬まで、良く投げ出さないで読み終えたものだ。神宮徴古館所蔵本を写本に忠実に復刻した日本古典文学会のもの(1977年のもの)です。復刻本は上中下の3冊本で、多少、書写の段階での誤りもある。参考に「在九州・国文資料影印叢書(非売品)も手に入れて見比べながらの読破。

参考書は、新潮日本古典集成(昭和57年発行)、現代語訳は室生犀星版(岩波文庫)自分のノートは6冊になった。

写本の文字も間違いが気になったが、在九州本も同じような記載なので、それぞれが書き写した元の本に誤りがあったものと考えられる。中身については、昭和時代の私小説の原型はここにあったかと思える内容で、2番目の妻の悲哀を書き続けているが、こちらから見ると、夫である藤原兼家は気遣いも細やかで冗談も言い、決して一方的な男とも思えないところがあった。また自分の一人息子に対して、十代後半になっても「小さき人」とかやや過剰な愛情を注ぐ部分がある。とはいえ文章も上手くて、最後まで時間がかかったが読了。

 


人とくるまのテクノロジー展 2023 YOKOHAMA

2023-05-25 | DieCast

展示会を見てきました。どうしてもダイキャスト製品に目が行ってしまいます。

この画像は、RYOBIの展示ブースにあったもので、ボルトの締め付け座面に注目しました。ボルトが1本だけ締め付けられています。この座面に刃物で加工が追加されています。ボルトの座面よりかなり広く加工がなされているのは、反対面の加工のための基準面か、試作品だからかは不明です。この部分はスライドで形状が作られていて、素材では勾配が付いています。3500tonの鋳造機を使用とのことなので勾配なしではやりませんよね。展示品だからもう少しきれいに切削加工できなかったかなとは、外野だから思いますが、まあ事情もあるのでしょう。このボルトの座面を自動車企業のように、ボルトのゆるみを意識している場合は対策も豊富なのですが、設計経験と企業内の設計仕様が整っていないようなところでは、この座面に最小の勾配という条件で切削加工を省略しようとするのです。これが緩んでも問題ないものならまだ良いのですが、大丈夫かしらと思われるような場所でもコスト優先で行こうとします。この展示品を見て思い出しました。リョービさん、ネタありがとう。


Die-Castネタがないため

2023-05-17 | 日記

友人の山に山椒の実を採りに出かけました。

そこにハナイカダが自生していました。ヨメノナミダという名前があるそうです。夫の涙という草花はないのだろうか。不公平だ。


素材図・鋳造図・納入仕様図

2023-04-11 | DieCast

  鋳造メーカーは、客先から発注を受けると素材図を作って、このような形で納入しますがいかが?という確認を取って仕事を進めるのですが、いささか技術力の不足している企業では、この確認作業が曖昧なまま受注が進行してしまいます。今回も金型が完成してしまってから素材図作成の依頼がありました。素材図というのは、(言うまでもなく)あらかじめ鋳造対応できない部分は依頼元に変更を依頼し、完了後PL位置・ゲート位置・押出しピン位置・加工代とその量・熱処理などを設定・確認してそれぞれの作業現場にあらかじめ情報を提供するものですが、金型がほぼ完了の状態で作るということは、金型メーカーはさぞ金型設計で苦労しただろうなと想像できます。型図から押出位置をひろっての作業ですからね。技術力があれば(ないものねだりという)金型の法案を検討したら素材図で表現してくれれば(CADは設計者のワープロ・ワード)金型設計者は楽に仕事が進められただろうにと涙が流れます。

大手のダイキャスターでは考えられないことも、小規模な鋳造所では良くあることなんです。

画像はまったく関係なくポンペイで発掘された当時のパン。国立博物館の展示会にて。