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春夏秋冬

特掃隊長のひとり言

雑草

2009-07-31 18:30:01 | 日記
首都高の渋滞にハマってた時のこと。
何の気なしに外に目をやると、一本の雑草が見えた。

そこは、鉄とコンクリートの高架橋。
排気ガス・粉塵・騒音・振動etc・・・
植物が生きるには、極めて劣悪・過酷な環境。
そこの窪みに溜まった粉塵を土代わりに、緑の葉を灰色に汚しながら生えていた。

本当なら、広い草原に、緑豊かな森林に、空気の澄んだ山に、静かな丘にに、肥沃な大地に、仲間達と群生したかっただろう。
しかし、現実は・・・

それは、この私も、同じかも・・・
親や家を、選んで生まれてくることはできなかった。
自分で自分を選んで生まれてくることもできなかった。

そしてまた、今の境遇と環境を見回すと、望んでいた人生と現実の人生は、大きくかけ離れてしまっている。
理想と現実が、大きく違っている。

しかし、雑草には雑草なりの生き方がある。
可憐な花を咲かせることもできなければ、きれいにも生きることもできないけど、強く生きることはできる。

道端の雑草が強く生えるのと同じように、人にも、強く生きる力は備わっているのだと思う。
弱い自分に悲しみが尽きなくても・・・

私も、雑草のままでいいから、強く生きていたいと思う。





特殊清掃プロセンター
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日食

2009-07-26 14:08:09 | 日記
先日の22日(水)は、空に日食が起こった。
東京では、昼頃にかけて、最大75%(?)陽が隠れたとのこと。
世間は、その話題でもちきりだったので、興味のない私もそのことは知っていた。

その時間帯、私は、目を地に向け、現場業務に車を走らせていた。
一方、街角には、空を見上げる人の姿。
それに触発された私も、信号待ちなどで、時折、空を見上げてみた。
しかし、見えるのは、灰色の空。
日食のせいで暗さが増していたのかどうかよくわからないけど、ただ、薄暗い空が広がっているだけだった。

私は、青空を仰ぐことはよくあるが、曇空を仰ぐことは滅多にない。
灰色の空を眺めても、気分が晴れないからだろう。
しかし、曇雨の天気が妙に落ち着くときもある。
晴天の下だと、身体を動かさなければならないようなプレッシャーがあるが、曇天だと、それがないから。
陰湿な私の性格に合っているから、落ち着くのかもしれない。

日本上空で、次に日食が起こるのは、また何年も先のこと。
その頃、私は、どうなっていることだろう・・・
生きているかもしれないし、死んでいるかもしれない・・・
何はともあれ、それまで、大切な日々を必死に食いつないでいくほかあるまい。





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遊び心

2009-07-21 11:00:44 | 日記
業務が遅くなった、ある日の夜。
現場近くの公園脇に車を止めていた私は、作業を終えて車に戻った。

すると、暗闇の公園から、〝キーコ・キーコ〟と金属の摩擦音。
不審に思った私は、その方向に向かって目を凝らした。

そこには、ブランコをこぐ人、一人。
更に、目を凝らすと、それはネクタイ姿の男性だった。

昼間、イヤなことでもあったのだろうか・・・
それとも、単なる、遊び心か・・・
男性は、私の視線に気づく様子もなく、一心不乱にブランコをこぎ続けていた。

大人が、ブランコをこいではいけない理由はないが、その姿はちょっと異様。
私は、好奇心に任せるまま、その様を眺め続けた。

男性は、しばらくこいで後、更にこぐ勢いを増し・・・
その角度が最高点に達した瞬間に、男性は、ブランコから飛び出し、空に弧を描いて着地。
そして、満面の笑みを浮かべた。

公園遊びに興味を持たなくなったのは、いつの頃だろうか・・・
夜の歓楽やお金のかかるレジャーも楽しいけど、心が本当に喜ぶのは、そんな遊びかも。

この私・・・
大人になって重くなったのは、どうも、体重だけではなさそうだ。
仕事に追われる毎日に窮々してないで、心だけでも遊ばせていたいものである。




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ヒグラシ

2009-07-17 17:04:47 | 日記
暑さに気をとられているうち、いつの間にか、街の街路樹に蝉が鳴き始めている。
そして、夕方には蜩も。

いつの頃からか、私は、蜩の鳴く声が好きになっている。
暑い一日を終えた夕暮時、涼しい風が吹く頃になって鳴き始める蜩には、独特の癒しと風情が感じられるから。

〝その日暮し〟って、よくない生活を表す言葉として使われることが多いけど、果たしてそうだろうか。
過去を悔やみながら、未来を憂いながら生活するより、よっぽどいい生き方だと思う。

皆、明日の不安に苛まれて、その日暮らしができないから、苦労する。
命がなくなるなんて思わないから、生きることに苦悩する。

備えは大切だが、余計な思い煩いは、必要ない。
短絡的な〝その日暮らし〟はいけないが、建設的な〝その日暮らし〟なら、いいのではないだろうか。

蜩だって、昨日を悔いて・明日を憂いて鳴いている訳ではないだろう・・・
その鳴き声は、きっと、短い生涯を懸命に生きようとしている、今を必死に生きている証なのだと思う。

この夏の夕、蜩の鳴く声を聞く度に、今日をキチンと生きたかどうか、自分に問いただしてみようと思う。






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Supporter

2009-07-12 17:36:56 | 日記
現場は、低層の小規模マンション3F。
遺族に依頼され、部屋に残置された家財生活用品を片づけていた時のことだった。

マンションにエレベーターはなく、荷物を搬出するルートは階段のみ。
私は、処分する荷物を両手に抱えて、階段をひたすら昇降していた。

上り下りを何度も繰り返すうちに、腕はパンパン・膝はガクガク。
汗はダラダラ流れ、息はフーフーと荒れていた。

請け負った仕事は完遂させなければならない。
とにもかくにも、部屋が空になるまで、作業を止めるわけにはいかなかった。

そんな最中、一人の少年が目の前に。
小学校2~3年だろうか、制服にランドセルを背負って、私が下る階段を上ってきた。

〝一人前〟かどうかは別として、私は、いい歳をした大人。
「こんにちは・・・邪魔してゴメンね」
と、こちらから挨拶。
すると、男児は、
「頑張って下さい・・・」
と一言。
神妙な表情で私を見つめながら、通り過ぎて行った。

人は人を支え、人は人に支えられ・・・
その小さな応援に、私の顔と心はホッと笑った。
そして、色んな事や色んな人への感謝の気持ちが湧いてきて、残りの作業に力が込もる私だった。




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