のほほんとしててもいいですか

ソプラノ歌手 佐藤容子のブログです。よろしくお願いいたします!

創作:白鳥の湖

2007-08-23 | 『創作・短いお話』






白鳥の騎士様。






マリエン橋から見えるノイシュバンシュタイン城は今日も十分勇壮ですよ。

安心してください。





あの日あなた様は湖にお二人で出かれられ、帰らぬ方となられました。





ワーグナーがいつも言っていたあれですね。



そう、救済です…。





死は苦しみのように言われますが、あなた様にとっては救いへの切符そのものでしたでしょう。









あなた様は、あの城の中にいろんな世界を造りました。





「ローエングリン」、「トリスタンとイゾルデ」、「タンホイザー」…







20にもなる前に王となり、いつも亡き父のののしりに耐え、あなた様を本当の王とするのは、その幻想の部屋でしかなかった。







鍾乳洞の洞窟に白鳥を放しましょう… 






白鳥にまたがりましょう…






あなた様は勇壮なお姿で王としての威厳をたたえ、天を仰ぐでしょう。







せっかくの美しいバイエルンのお姫様も、あなた様の前には幻想の部屋以下だった。






女性が愛せないんじゃない、自分が愛せない。







でも、もう、悲しまないでください。





白鳥はまだ、あの城の中の湖で、あなた様を待っております。






まだ。






そして、これからもずっと。












................................................................................................


先日、ダンサーのすみちゃんと話したとき、わたしのお墓がヨーロッパにあるから、なぞを解きにいっておいで、といわれたー。まさかー。でもー。なんだかおもしろーい。っていうか、お墓ってたしか高いんですよね。買えるかどうか…。




.................................................................................................


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする