猿山政治論

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復興資金は国債の日銀引受しかないハズなんですけど・・・

2011-04-11 10:03:54 | 東日本大震災

 現時点では、補償及び復興にいくらかかるのかというそもそもの金額が明らかになってはいませんが、最低で20~30兆円、福島第一原発の放射能被害に対する広範な補償を含めると、100兆円を超えてもおかしくない状況です。

 でも未だ肝心の復興資金調達の方針が定まりません。

 これだけの金額を捻出しようとすれば、国債の日銀引受以外に選択肢があろうとは思えないのに何故なんでしょうか?

 以下、選択肢を順に潰していきます。

 第一に、他の予算を縮減して復興資金に振り向けるという方法です。過去50年の国家予算を調べてみると、前年よりマイナスの予算を組んだ年度のうち、最も削減率が高かったのは平成6年ですが、それでも約5.2%にしか過ぎません。この率を平成22年度予算(約92兆円)に掛け合わせてみても4兆7840億円にしかならず、税収が減少する中では、補助的な役割しか果たせないことは明らかです。

 第二に、増税ですが、今の経済情勢の下、いかなる増税を行おうとも復興そのものに悪影響を及ぼすことは必定です。ましてや被災者にも等しく負担を求めざるを得ない消費税増税の前倒しなど論外もいいところです。敢えて行うとすれば、大企業が賃金を削って溜め込んだ内部留保に対する資産課税でしょうが、抵抗が大きすぎて実現できるとは思えません(バックには米国がいますし)。

 第三に、約70兆円ある米国債を始めとする外国債の売却ですが、また地震兵器で攻撃されるのが落ちですので、口にすることすらはばかられます。

 第四に、外国からの資金導入(主に日本国債の海外への売却)です。現在の日本の信用力をもってすれば、まだまだ貸し手はあります。しかし、きっと最大の資金供給国となるであろう中国による日本経済の侵食はさらに進むこと必定で、いよいよ米国から中国に売り飛ばされることになるでしょう。また、過去の歴史を振り返っても利払いに負われ亡国的国家財政破綻に陥った例はたくさんありますが、これら外圧をハネ退け捌いていく外交力がこの国に残っているとは思えません。

 そして最後に、国債の日銀引受なのですが、財務省を始めとした政府の動きがあまりにも消極的なのです。国債の日銀引受の政治的判断は、本来内政マターのハズであり、発行した国債がマーケットに出回る訳でもありません。また、かのニューディール政策を持ち出すまでもなく、これだけの資金が国内に供給されれば、国の復興と共にデフレは解消され、国内景気も力強い右肩上りとなるのは必定で、税収の大幅増加により発行した国債の償還もスムーズに進むものと思われます。

 常識から考えて、これしかないでしょう・・・。

 でも、何と今回の平成23年度第1次補正予算案に充てる財源として建設国債の発行が見送られてしまいました!! 

 そしてドサクサに紛れて、その財源(4兆円)として、基礎年金財源から2兆5千億円を転用し、さらに「子ども手当増額の取りやめ(2千億円)」、「高速道路無料化の社会実験中止(1千億円)」、「高速料金制度の見直し(2500億円)」等民主党公約の目玉を悉く白紙に戻してしまいました。

 もちろん今後の本格的な復興に向けての長期的な資金の手当てがどうなるかはわかりません。数十兆円を他の予算からの転用だけで賄うなどというのは正気の沙汰ではありませんので、国債の日銀引受があると信じたいのですが・・・。

 結論を申しましょう。

 きっと政府は国債の日銀引受はしないと思います。

 今、わが国の銀行は大量の低利の長期国債をかかえております。日銀引受とはいえ大量の国債が発行されれば市場の心理は長期国債の価格を下げる方向に傾きます。

 さらに万が一今回の震災復興資金をバネに日本の景気が上向いてしまったら大変です!!間違いなく金利は上昇し各銀行は低利の長期国債のおかげで逆ザヤとなり、最早新たな国債を低利で引受けることはできなくなります。

 こうなると政府はいつまでも手持の米国債を抱えておくわけには行かなくなるのですが、実際には売れません(また人工地震を食らいますので・・・)ので、ここで目出度く、空証文(米国債のこと)を掴まされた日本の財政が既に破綻している事実が表ざたになるわけです。

 ということで、日本政府は、わが国の景気をよくする訳にはいかないのです。エエ~!!

 こんな独立国がどこにありましょう?いや、つい忘れてしまうのですが、日本は米国の植民地ですので、このような状況にあっても何の不思議もなかったのでした・・・スミマセン。

 ぶっちゃけた話、復興国債の日銀引受をするなら、既にドンとその方針を発表しているでしょう・・・。

 四選を果たした売国東京都知事もおっしゃってました。「日本はこれから大変。我欲を抑えて生活をつましくする決心をしないと日本はもたない。抑制しないとこの国は再生しない」つまり「景気をよくする積極財政を行うつもりはない」ということなのです。


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