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2010-03-12 15:48:28 | Weblog
日本経済新聞3月9日春秋より
『花粉と聞くだけで目鼻がむずつく季節だというのに、中国人作家の楊逸(ヤンイー)さん(45)が「私には花粉がたくさんついているかもしれない」といった話をしていた。スギの話ではない。イメージは、花粉や蜜(みつ)を集めるミツバチなのだそうだ。
▼きのう3月8日は「国際女性の日」だった。それにあわせ、東京で女性作家が文学論や人生観を披露する催しが開かれている。その席の発言である。「人が1カ所にとどまっていると、文化は発展しないんじゃないか。飛び回れば花粉がつく。花を咲かせて、蜂蜜(はちみつ)ができる。文化も同じで、人が動いて豊かになる」
▼何一つ言葉が分からぬ日本に来て、20年たって日本語で小説を書いた。そして2年前には、母国語が日本語でない作家として初めて芥川賞をとった。なるほど、「子供を2人連れて離婚したときは誰も部屋を貸してくれなかった」などという苦い蜜も含め、この国での体験を蓄えては栄養に変えていったのだろう。
▼ドイツの童話「蜜蜂マーヤの冒険」(高橋健二訳)の一節にこうある。「わたしの心は喜んだり驚いたり、いろいろなことを味わったり、冒険をしたりするように出来ているのだ。わたしはどんな危険も恐れまい」。思えばマーヤは雌、働きバチもみんな雌だが、男だって楊さんやマーヤに背を押された気になる。』

楊さん、マーヤ、ありがとー。