
仕事では、ことあるごとに言って
いる。
友だちにだってふつうに言える。
なのに、どうしてだろう。
いちばん近くにいるあの人にだけ、
言いそびれている。
いつだって、ずっと寄り添って
くれたのに、
ずっと言えないままでいる。
たった五文字の言葉なのに。
お礼なんかいらないと、あの人は
言うだろう。
言わなくてもわかっているよと、
あたりまえのように見守って、
気づかって、抱きしめてもくれる
だろう。
だけど、だからこそ。
いま言葉にして伝えたら、どんな
に喜んでくれるだろうか。
伝えませんか、いちばん大切な
あの人に。
人の心が、何より人を温めると
気づいた、いまだからこそ。
胸のなかにある「ありがとう」。
最後まで言えなかった「ありがとう」。
文字にすれば同じだけれど、
あなたの「ありがとう」は、あなたに
しか言えない。
それは、世界にひとつだけの贈りもの
だと思うから。
ありがとう
を贈ろう。
酔わず、盛らず。結論を押し
つけずに。読む人が思いを巡らす
ための余白こそ、届けなくては
いけないもののはずだから。
道は遠い。精進に終わりはなさそう
です。
ここまで読んでくださって、ありがとう。