脚本 清水有生
吉行あぐり「梅桃が実るとき」より
音楽 岩代太郎
テーマ曲「素晴らしき日々へ」
作曲 岩代太郎
ヴァイオリン演奏 矢部達哉
語り 堀尾正明アナウンサー
望月あぐり 田中美里
望月エイスケ 野村萬斎 :あぐりの夫。望月組の長男で小説家。放浪の男…
川村美佐 松原智恵子 :あぐりの母
川村 晃(回想) 田村 亮 :(故人)あぐりの父。弁護士で県会議員で副委員長だった
磯辺 山本晋也 :望月組の会計係
川村五喜 井原由希 :あぐりの妹。
川村正彦 三井智宏 :あぐりの弟。3年前から京都の大学に通っている
望月淳之介 柴田卓也 :【子役】あぐりとエイスケの長男(9歳・番町小学校4年~の、じゅんのーちゃん)
医師 森下哲夫
あぐり母・美佐の担当医
望月光代 星 由里子 :望月健太郎の妻
望月健太郎 里見浩太朗 :「望月組」御大。岡山で手広く土木請負業を経営
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
五喜の花嫁衣裳を見て、持ち直した美佐…
しかし、五喜もまた、姉と姉の夫のことを心配していた
そして、望月夫妻も奇跡は祈っているけれど、もしもの時は、できるだけにぎやかにと考えていた
五喜に確認をすると、「ありがとうございます。その節はよろしくお願いします」とのこと
五喜はそのまま、エイスケになっていたことを訊きに行く
「エイスケさんは、あぐりが煩わしくて、家に寄り付かんのじゃろ
母はそれが気がかりだって言ってました」
エイスケは蓄音機を持って、美佐の病室をひとりで訪ねる
結婚は誰でも良かったのだけれど、今は違います
あぐりさんからいろんな刺激を受けました、新鮮な驚きをたくさんくれたんです
あぐりがいたから、僕は小説を書けたんです
これからも大切にします、安心してください…
あぐりは、そのエイスケの語りをそっと聞いてしまったのだった
その晩、あぐりはひとりで美佐の病室に泊まる
エイスケが自分のことをあんなふうに思っていてくれたこと嬉しい
お母様が勧めてくれた結婚なんだから、お母様のおかげよ
ありがとう
そして、あぐりは手を握って、子どものころの思い出話をはじめる
裏の畑の大根を全部抜きとって、農家のおじいさんが怒鳴り込んできて
「今日の晩ご飯は大根にしようと思ってた」と全部買いとったこと
「これだけ食べれば、色が白くなるわよ」と言ったこと
「カラスの赤ちゃん生まれるからって、木の上で過ごした時」のこと…
あぐりの声を聞きながら、涙をひとすじ流して、永眠についた美佐
昔、子どものころ登った木の上で、美佐のことを思い出すあぐり
あなたは前に向かって突き進む方が似合おうとるわ
誰だって転ぶわ… 大切なのは転んだ時 どうるかじゃわ
誰かのせいにしたり 慌てたり 泣いたりしないこと
昭和9年12月 大好きな母と永遠の別れとなったのだった
回想の美佐は、あの
アニー・ローリーを歌っていた
吉行あぐり「梅桃が実るとき」より
音楽 岩代太郎
テーマ曲「素晴らしき日々へ」
作曲 岩代太郎
ヴァイオリン演奏 矢部達哉
語り 堀尾正明アナウンサー
望月あぐり 田中美里
望月エイスケ 野村萬斎 :あぐりの夫。望月組の長男で小説家。放浪の男…
川村美佐 松原智恵子 :あぐりの母
川村 晃(回想) 田村 亮 :(故人)あぐりの父。弁護士で県会議員で副委員長だった
磯辺 山本晋也 :望月組の会計係
川村五喜 井原由希 :あぐりの妹。
川村正彦 三井智宏 :あぐりの弟。3年前から京都の大学に通っている
望月淳之介 柴田卓也 :【子役】あぐりとエイスケの長男(9歳・番町小学校4年~の、じゅんのーちゃん)
医師 森下哲夫

望月光代 星 由里子 :望月健太郎の妻
望月健太郎 里見浩太朗 :「望月組」御大。岡山で手広く土木請負業を経営
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
五喜の花嫁衣裳を見て、持ち直した美佐…
しかし、五喜もまた、姉と姉の夫のことを心配していた
そして、望月夫妻も奇跡は祈っているけれど、もしもの時は、できるだけにぎやかにと考えていた
五喜に確認をすると、「ありがとうございます。その節はよろしくお願いします」とのこと
五喜はそのまま、エイスケになっていたことを訊きに行く
「エイスケさんは、あぐりが煩わしくて、家に寄り付かんのじゃろ
母はそれが気がかりだって言ってました」
エイスケは蓄音機を持って、美佐の病室をひとりで訪ねる
結婚は誰でも良かったのだけれど、今は違います
あぐりさんからいろんな刺激を受けました、新鮮な驚きをたくさんくれたんです
あぐりがいたから、僕は小説を書けたんです
これからも大切にします、安心してください…
あぐりは、そのエイスケの語りをそっと聞いてしまったのだった
その晩、あぐりはひとりで美佐の病室に泊まる
エイスケが自分のことをあんなふうに思っていてくれたこと嬉しい
お母様が勧めてくれた結婚なんだから、お母様のおかげよ
ありがとう
そして、あぐりは手を握って、子どものころの思い出話をはじめる
裏の畑の大根を全部抜きとって、農家のおじいさんが怒鳴り込んできて
「今日の晩ご飯は大根にしようと思ってた」と全部買いとったこと
「これだけ食べれば、色が白くなるわよ」と言ったこと
「カラスの赤ちゃん生まれるからって、木の上で過ごした時」のこと…
あぐりの声を聞きながら、涙をひとすじ流して、永眠についた美佐
昔、子どものころ登った木の上で、美佐のことを思い出すあぐり
あなたは前に向かって突き進む方が似合おうとるわ
誰だって転ぶわ… 大切なのは転んだ時 どうるかじゃわ
誰かのせいにしたり 慌てたり 泣いたりしないこと
昭和9年12月 大好きな母と永遠の別れとなったのだった
回想の美佐は、あの
