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ひねもすのたりのたり 朝ドラ・ちょこ三昧

 
━ 朝の15分のお楽しみ

『かりん』(148) ★あかりの大告白と、焼酎で眠る味噌

2006-03-29 10:59:41 | ’05(本’93) 50 『かりん』
【148】 3月29日(水) ★あかりの大告白と、焼酎で眠る味噌

小森千晶   細川直美
小森浩平   榎木孝明
本間あかり  つみきみほ
田上 渉   筒井道隆
小森弥之助  小林桂樹
田上伝六   不破万作
川原清三   河西健司
本間和則   蓮池貴人
英        出雲崎 良
蒔田      茂木和範
雅       渡辺高志
会社勤めの男 加藤忠夫  和則が遊んでいた男の子の父親

       劇団ひまわり
       鳳プロ

黒田忠治   佐藤B作
小森晶乃   岸田今日子
小森友行   石坂浩二

・‥…━━━★・‥…━━━★・‥…━━━★

観客席に入ってくる渉とあかり。
あかりは、手に白いタオルを持ち、顔や髪を拭いている。
渉の背中に向かって話しだすあかり。

「ミシン、踏んでたのね、みっちゃんのウエディング・ドレス。
 そしたらね、そしたら急に胸が苦しくなってね、あなたの顔が見たくなってね。
 和則があなたの話ばかりするの。
 映画のおじちゃんがああして、映画のおじちゃんがこう言ったって。
 和則の父親になってあげて」
振り向く渉
「和則の父親になってよ」
「本間」
「あたしのこと、今好きじゃなくていい。キライでもいいから。
 和則の父親になってくれたら、あたし、何とかもう一度好きになるようにしてみせる。

 あなたがアメリカから帰って来た時、千晶と花山君と4人で会ったでしょ。
 あの時、言ってくれたわよね。
  『立派な能書きだけ堂々と並べて、自分は何ひとつ手を汚さずに、
   そんなことがいつまでも通ると思ってるのか。今にしっぺ返しが来るぞ。
   お前なんか先行きは誰からも子どもからも見捨てられて
   冬の寒空の下で野垂れ死にだ』
 そう言ってくれたわよね」
「憶えてねーよ」
「私、自分の手を汚してないとは思ってないけど、あなたの言ったように
 自分の勝手が通るとはおもってなかった。
 だからすぐ東京引き払って来たの。一生懸命和則の母親になろうとしたのよ。
 帰ってきて良かった。今は堂々とあの子の母親だって言える。
 和則が父親ほしがってるの。あなたになってほしいと思ってるの。
 
 好きなの。 あたしは あなたが 大好きなの。
 和則の父親になってあげて。あたしも和則も待ってます」

帰ろうとするあかりに「待てよ」と声をかける渉。
「傘、もってけよ」

映写室脇の部屋。
イカをあぶっていた七輪で、あかりの赤いコートを乾かしている伝六。
あかり、何も言わず帰る。

「こんな雨の中をなぁ。 あかりさん、何だって?」
「何でもねえよ」
「何でもねえよ か。渉、捨てる神あれば、拾う神ありか」
「何言ってんだよ」
「ない言ってんだろうな」

小森屋、研究室

「弥之助だ、へーる(入る)ぞ」と入り口の外で声がする。
「どうぞ」の返事があると、
弥之助が酒の一升瓶を清三がお盆に湯呑み茶碗を並べて持ち、入ってくる。
「どうだ、ぐえー(具合)は?」
「あとひとふんばりというところです」
「ほぉー、そうか。おい、清さん」
「へい」と清三は、湯呑み茶碗を並べる。
「大ダンナ、今酒なんか飲んでる場合じゃないでしょう」と忠治
「酒じゃない。焼酎だ。焼酎も酒にはかわりねぇがな へへへ。
 飲もうか」
「大だんな」重ねて忠治。
清三は、人数分の茶碗に焼酎を注ぎ
「旦那、浩平さん、どうぞ ‥ さあ、忠さんも」と言う。
不審に思いながらも茶碗を手にする三人。
「いやぁ、これを飲むとよく眠れるでなー」と口をつける弥之助。
「はは、やっとこさ、味噌が眠った。この焼酎で」と座る。
「ん? 生きている味噌を生きてるままで密封するにはどうしたらいいか、
 往生したわ。で、出た答えは眠らせたらいい ということだ。
 で、やっと眠ったわ、この焼酎で」
「お義父さん」
「味噌が醗酵するとアルコールが出るんです。
 そこで、予めアルコールを加えると、
 自分はもう十分醗酵したのかなーと勘違いして、醗酵が止まる」
「スゴイ! おじい様は天才だ 」
「これで無責任男呼ばわりされずに済みそうだ わはは」
「じゃぁ、たんまりといただきます」とちゃっかり忠治。

お稲荷さん
和則は近所の子どもたちと遊んでいるが、会社帰りの父親が「帰るぞ」と
兄弟を連れて帰る。
一人になってしまった和則を見ていた渉は、和則が持っていた吹き矢で一緒に遊ぶ。

年も押しつまって暮れの28日 とナレーション、続けて
袋詰め機と密封機が遂に完成した 

味噌をならし、如雨露で水分補給をしている。

「では、お願いします」と浩平が声をかける。
まず、味噌を入れ、浩平がしゃもじでならす。ビニールをセットして、ペダルを踏む。
味噌が綺麗にビニールに入り「おお」「わぁ」と歓声。
その袋を友行が秤に乗せ「250匁だ」(1kg)
それを千晶が密封機で口を閉じる。忠治に渡し、従業員みんなで見る。

その間、浩平は次の袋に味噌を詰め、友行は計量している。
「250匁、 同じだ! 定量だ!」
二袋目を密封する千晶。

「できたわね、あなた」かみしめるように弥之助に言う晶乃。手を握り合う。
「でかした、友さん、浩平さん!!」 弥之助が言う
「浩平君の力ですよ。浩平君が小森屋を救ってくれたんです」
「とんでもありません」
友行の言葉に頷く弥之助、「(違うよ)そう(なん)だよ」と友行。
嬉しそうに照れるように「続けます」と浩平は、袋詰めをする。

弥之助はもう一度「浩平さん」と呼び、深くお辞儀する。
「おじい様」目をうるませる浩平。
ばんざーい! 小森屋 ばんざーい!」 忠治が真っ先に言う。
みんなから再度歓声があがり、千晶も泣き笑いする。

千晶夫婦の部屋
布団によこになったまま話す二人。
「明日研究室に挨拶に行って来る。 仕事納めだし、こっちが一段落ついて
 年明けから出られること、報告してくる。
 それからスイス行きの件だが、まだ決まっていなければ
 行かせて欲しいと頼んでくる」
起き上がる千晶「あなた」
「いいね」「うん」
「もし行けたとして、千晶。無理して一緒に来なくていいよ」
「いいえ、行きます」
「離れていたってな、千晶、夫婦の心が1つならそれでいいんだ。
 1つだよな、千晶。俺たち1つだよな」
「ええ」
「うん」
「ひとつです。ひとつですとも」
「おいで ‥ さぁ ‥

昭和29年が終わろうとしています とナレーション

(つづく)


きゃ~~~~~~~~~ 


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