MUSIC IS DRUG

la musica e droga

GEOFF AND TREVOR BASTOW / DOUBLE EXPOSURE

2010年05月27日 | LP


76年に英PROGRAMME MUSICで製作されたGEOFF AND TREVOR BASTOWによる『DOUBLE EXPOSURE』はクールでソリッドなTREVORの楽曲とイマイチなGEOFFによる楽曲が仲良く半分ずつ収録された12曲入りのディスコ・ファンク・ライブラリー作品です。
TREVORの曲は冒頭のスーパーファンキーなホーンとベースがかっこいい"RAUNCHY"やゆったり心地よいジャジーな"OVER-EASY"まで完成度高し。個人的にはB5に収録された"CHOPPING BLOCK"が大好き。フルート、バスクラリネットと小気味良いパーカスの絡みが絶妙なミッドテンポのファンキーな曲。途中で入るダサかっこいいギターも良い。





MARIUS CULTIER / THE WAY

2010年05月26日 | LP


勇ましいMARIUS CULTIER氏のやうになりたいと日々思っているのですが、なかなかここまで突き抜けれません。とりあえずモミアゲだけでもこの形にしたい今日この頃です...



さて今日の一枚は前作『OUELELE SOUSKAI』の翌76年にMAGIDISCOなるレーベルからリリースされた『THE WAY.....』。このMAGIDSCO、レーベル自体はマルティニークみたいですがレコードプレスはカナダ。フランスFIESTAからのレイター盤も存在しますが、あちらは1曲少なくHENRI GUEDONのカバーが収録されていません。

この『THE WAY.....』、前作の神がかり的なミラクルはなくなりましたが全体にいい曲がまんべんなく並んだ傑作。ほぼ全曲良いです。荘厳なゴスペルを聴いてるように魂を救済してくれるスロー曲A1"THE WAY IT SHOULD BE"で幕を開ける上々の滑り出し。しかし曲の最初と最後に男女のポルノ・トークが挿入されるという、実は全然ホーリーじゃ無い感じが良いです。A5"PIANO A MARIUS CULTIER"は昼下がりのアットホームなスタジオの風景を切り取ったような微笑ましい作品。見事に転がるピアノとパーカスの絡みが最高です。あとお洒落なボサ~ラテン曲"EASY"や"NESTOR: Ti PATTE"もすごくいいです。そして忘れてはならないのがB4"ZOUK"。凄まじいパーカス乱れ打ちとストレンジなエフェクト音とピアノがテンション高すぎ。めちゃくちゃやばいイケイケ水素爆弾という感じです。






MARIUS CULTIER / OUELELE SOUSKAI

2010年05月23日 | LP


とんでもなくいいレコードを一時の気の迷い、金欠、自虐など諸々の理由により売り払ってしまい後悔の念に苛まれることがたまにある。この『OUELELE SOUSKAI』も少し前に売ってしまったものの、めちゃくちゃ後悔し慌てて買い直しました。

75年リリースのこの作品は間違いなく彼の最高傑作だと思います。天性のリズム感と美しいメロディーが織り成す独特のサウンドは他に比べるものが全く見当たらないミラクル盤。
鬼ファンキーな"OUELELE"、"SOUSKAI"やキラーサンバ"DIAMANT"、トロピカルなカリビアン"GADE BOUDIN MADAM"、涙の美メロ曲"LAINI"など全編独自のカリビアンフィルターを通した驚愕サウンド。神の領域です。


VIKINGS GUADELOUPE

2010年05月16日 | LP


ハイトーンなスキャットとクレオール語で歌われる"Ka Nou Pé Fé"は多作なVIKINGS関連作品の中でもずば抜けてかっこいいスピリチュアル・ラテンジャズファンク。洗練されたアレンジはクールでダンサブル、カリビアン特有の土臭さを全く感じない。

ORGUE ELECTRONIQUE ET SCIE MUSICALE

2010年05月10日 | 7'


仏ののこぎり奏者ERIC LOCHUとオルガン奏者CLAIRE GILLIEによる7'。
B2"BOSS-SCIE NOVA"はタイトル通りのこぎりをフィーチャーしたボサノバ。べたなタイトルに苦笑ですが、音のほうはFRANCOIS DE ROUBAIXの後期作品を思わせるチープなリズムマシンとふわふわ浮遊する柔らかなのこぎり音とオルガンの絡みが意外に絶妙です。のこぎりがこんなに優しい音色を奏でるとは!全くギコギコしてません。間違いなく世界中に存在する『のこボサ』の中でも最高峰でしょう。
それと...まぁどうでもいいんですが...曲間には謎の仏語ナレーションが挿入されています。のこぎりの聴きどころ、または使い方でも説明しているのでしょうか。

MARC MOULIN / SAM' SUFFY

2010年05月09日 | LP


PLACEBO解散後の74年12月にブリュッセルでレコーディングされ翌75年にリリースされたMARC MOULINのソロ作。エレクトリックマイルスからの影響とヨーロッパ特有の翳りが交わった独特な空間処理が最高にヤバすぎの一枚。カンタベリーサウンドに近いですがPLACEBO同様現代でもそのまま充分通用するビート感覚がかっこよすぎるのでプログレ臭は感じません。
"LA BLOUSE"、"LE BEAU GALOP"などもクールなジャズファンクで最高ですが、B面全部を使った"TOHU BOHU"が圧倒的に素晴らしい。特にパート1は水の滴るSEとドラムブレイクによるイントロから目の覚めるような鋭いキーボードとヘビーなベースと管の絡みが滅茶苦茶ダークそしてかなりスリリングに展開する名曲です。繰り広げられる幽玄の世界に震えが止まらなくなる傑作です。

PLACEBO / PLACEBO

2010年05月08日 | LP


74年リリースのサード。
ファースト、セカンドでの超ガッチガチな整合感は減退したもののPHILIP CATHERINE (GUITAR)加入により拡がった音のバリエーションと緩急ある構成は本当に見事としか言いようがありません。必要最低限の音のみを適材適所に配置し完璧に計算されているアレンジからは緊張感と同時に柔らかさをも感じます。MARC MOULINの冴えまくり切れまくりの変態アレンジにはマジでぐうの音も出ません。かっこよすぎです。
各楽器の音色の美しさが際立つスローなジャズファンク"N.W."、PLACEBO唯一のお洒落曲でもある(笑)高速ブラジリアン"BOSSO"、KIOSK "WATERPROOF"の低速セルフカバー"DAG MADAM MERCI"、PLACEBO節がとぐろを巻きながら炸裂する"HOP HOP"、タンゴまでも呑み込んだ"TANGA"、クールで美しい黄昏ジャズファンク"S.U.S."など全楽曲ヤバすぎ。
ファースト、セカンド同様に次元の違いを感じる大傑作です。

これもブートで出てます。

PLACEBO / 1973

2010年05月06日 | LP


ファースト『BALL OF EYES』で垣間見ることができたソウル的要素を後退させてシャープでソリッド、よりプログレッシブに進化した73年リリースのセカンド『1973』。鋼のように強靭なビート、一段とパワフルで鋭利になったホーン、マッドに浮遊するエレピ、アナログシンセが何層にも重ねられた複雑なサウンドは堅苦しいとか難解とかでは全く無く単純にかっこいいです。マジでシビれます。
A面冒頭の強力ジャズファンク"BOLKWUSH"、"TEMSE"で早くも興奮の坩堝と化します。こんなにも強力なのを続けざまにやられるともう止まれません。そして"BALEK"、お手上げです。なんてヤバいモノを聴いてるんだ...と鳥肌が立ってしまいます。

これも去年ブートが出ました。
ややこしいんですが実はこのブート2種類あって、先に出た方が盤・ジャケともに質が良いです。

PLACEBO / BALL OF EYES

2010年05月05日 | LP


ベルギーの鍵盤奏者MARC MOULINが率いたPLACEBOの71年にリリースされた記念すべきファースト。しなやかでスタイリッシュでありながら恐ろしく緻密に構築されたプログレッシブなサウンドは早すぎたヒップホップという感じで、これが40年前に作られたとは全く信じ難いです。このファーストではファンク、ロックを完全に吸収し同時にソウルの影響も強く感じられます。硬質で強靭なドラム、うごめくベース、重厚なホーンとアブストラクトな緊張感溢れるエレピが織り成すヘビーでありながらひたすら醒めたサウンドは唯一無比。
脳が溶けそうなくらいにキラーな"HUMPTY DUMPTY"、 "ARIA" 、"YOU GOT ME HUMMIN'"などの爆弾はもちろん、"INNER CITY BLUES"の低温カバーやモーダルな"SHOWBIZ SUITE"など本当にスゴイ。全ジャズファンク系作品の頂点に君臨し続ける怪物級レコードです。

去年ヨーロッパでブートが500枚限定で作られたのも密かに話題になってました。
アレが出た当初はオリジナルの価格も下落したかに見えましたが、最近では持ち直したというか明らかにブートが出回る以前よりも高騰しています。そんな感じで本当に海外では無敵なんですが、果たして日本ではどうなんでしょうか?