僕が初めてこのレコードを聴いたのはもうずいぶん前の初夏でした。当時友人が手に入れた仏DISQUES ESPERANCE盤の魅力的なジャケと音楽の素晴らしさに溜息しか出なかったのを今でも覚えています。
75年の10月から11月にかけてアルゼンチンでレコーディングされたこの作品は南半球の初夏の日差しを存分に吸収した爽やかで開放的なボサジャズサウンドであふれています。
GUILLERMO REUTERのピアノ、RUBEN IZARRUALDEのフルート、AGUSTIN PEREYRA LUCENAのギターが織り成すアンサンブルは溌剌としていて繊細、あっさりしてるようでかなり深い。このさじ加減は本当に奇跡といって良いくらい完璧です。聴き終えたあとの満足度は尋常じゃないです。僕にとってこれは一生手放すことのできない家宝級レコです。
この盤はDISCOS MEDITERRANEOからリリースされたスペイン盤です。以前聴き比べてはっきり分かったんですが、仏DISQUES ESPERANCE盤や再発CDよりもスペイン盤が一番音良いです。ものすごくクリアです。LES MASQUESの仏盤とカナダ盤ほどの差はあります。そして言うまでも無いですがDARE DAREのクソ再発は本当に話になりません。