Passoverが始まりました。

2005-04-27 12:22:02 | NY生活 Vie a NY
前にも書いたけど、私は超正統派と正統派のユダヤ教徒が多く住む地区に住んでいます。
4月24日にユダヤ教のPassover(パスオーバー:過越しの祭り)が始まりました。
Passover(ヘブライ語でペサハ)とは、
3000年ほど前ユダヤ人が奴隷をしてたエジプトの地から
脱出したこと=エクソドスを記念した行事だそう。1週間続きます。
この間特に前半は、風の吹く様子が見えそうなくらい通りは閑散。
多くの店は閉まり人通りも少ないは車の量もほとんどない。
普段は交通ルームもあったもんじゃない車道を豪快に横切れるので
私は気持ちいいくらい。
しかしユダヤ教徒でない私にとって困るのは食料品の買い物。
開いている数少ないユダヤ人以外経営の店へ行かないといけない。
よく食べてるコーシャー(ユダヤ教の規律に従った食事スタイル)パンも手に入らないし。
というのも彼らはこの一週間、パンといっても焼かないパン、Matzah(マツァ)のみを食べる。
なんでもご先祖がエジプトをひじょうに急いで脱出したため、
パン生地が膨らむのを待っている時間もなく、代わりに焼かないパン、
マツアを作って食べてたからだとか。
個人的には塩気のないクラッカーのような感じ(写真)、
あっさり味は私好みでパクパク何もつけずに食べられちゃいます。

外部の私のような人でもよく見えてくるユダヤ教の行事は他に、
毎週金曜の午後辺りから土曜にかけてのSabbath(サバス。安息日)、
YOM KIPPUR(ヨムキプール)、SUKKOT(スコット)、CHANUKKAH(ハヌーカ)あたりかな。
自分のここに住んだ日々を記録する意味でも気づいたら書きとめていこうと思います。

久々満たされる映画を見たわ!

2005-04-27 01:53:41 | 映画 Film
いやぁ久々満たされる映画を見たわー!

"The saddest music in the world"

ストーリー、セリフ、役者、音楽、映像全て満足!

人間の幸不幸を描くドラマなんて数限りなくあるけれど、この映画は設定もストーリーもセリフも独特。そしてなによりも美しく悲しい世界なことよ。オリジナル脚本はKAZUO ISHIGUROだって知ってなるほどなあと思った。彼の「An Artist of the Floating World」、「 When We Were Orphans」、「The Remains of the Day」らを読んだ時、その美しく悲しいストーリーと英語という言語の美しさに、私は長い間余韻にひたったもんだった。英語という言語が美しいなんて思ったのはISHIGURO氏の本を読んだときが初めてだったんだ。そのISHIGURO氏の書いた脚本だもの、悲しくも美しい世界になってるってのは納得した。
でもそれだけが理由でないでしょう。役者たちもすごい。有名どころのイザベラ・ロッセリーニ(Isabella Rossellini)やマリア・デ・メディロス(Maria de Medeiros)はもちろん、どの役者もすごい味がある。だれこの役者たち??とあとになって調べてしまった。とにかくみな目と声が強烈な個性。それだけでもうその人間を語りつくしてる。
そして独特な映像イメージを作った監督Guy Maddinも本当に素晴らしい。ほとんど白黒しかも光や像が雑になったような映像にも見えるけれど、その映像が登場人物の想いやその場の雰囲気を見事に表してるんだ。セリフという言葉で見えない彼らの感情が映像を通してひしひし伝わってくる。悲しくもなり温かくもなり胸をしめつけすらする。最後の方のシーンでは私はその映像表現にまじで心が震えて瞬きもできずに彼らの世界に入ってた。
単純に言葉どおり見た目どおりに解釈できないセリフやシーンもいくつかあって、それはどういう意味なのか、彼らのどういう感情を表しているのかとPといまだに討論してる。こういうぱっと見でその人をその場を判断できないのは生身の人間世界でよくあることだし、人工的に作られた映画の世界にこういう奥深さ、複雑さがあるのは現実味を感じさせて面白い。

いやあ久々満足する面白い映画を見たわ!Pはもうこの映画を映画館で見てたんだけど私は今回DVDで見たのが初めて。そんなPに嬉しさを口で表現するだけでなく体にたまった喜びを抑え切れずに踊って(暴れて?)しまった。ほんとそれぐらい私を満たしてくれた映画でした。その時々の気分で映画の好き嫌いも変わるけどこの作品、今の私にいい映画を見たときの恍惚とするような幸せを与えてくれました。年齢が上に行けば行くほど単純に映画を好きにならなくなってるので満たされるこんな作品に出会えてホント嬉しい。