ある波の高い夜のことでした。
夕方から降り始めた雨は、夜になって段々強くなって行きました。
キューちゃんとクロちゃんは、非難するために小さい島を見つけて、
その近くで朝を待つことにしました。
でも、雨は強さを増し、まるで台風のような風も出てきました。
クロちゃんは、疲れたのかすぐに眠ったけれど、キューちゃんは
台風が怖くてなかなか眠ることが出来ませんでした。
すると、突然、ゴーッと言う大きな音がしたかと思うと、
強い風と共に、大きな波がザブーンと二人を飲み込んでしまいました。
「うわーっ!クロちゃん・・・。」
キューちゃんは、叫ぼうとしたけれど、波に飲まれて声を出すことが
出来ません。
キュ-ちゃんは、暗い暗い海の底に沈んで行ってしまいました。
クロちゃんは眠ったまま気付きません。
キューちゃんは、波に押し流されて、どんどん遠くへ行ってしまいました。
嵐が治まって、キューちゃんが気付いたのは、次の日の朝の事でした。
昇る朝日で海がキラキラと輝き、その眩しい光でキューちゃんは
目を覚ましました。
「ここはどこ?クロちゃん、クロちゃん・・・。」
キューちゃんは、クロちゃんの姿を探しましたが、どこにも見当たりません。
仕方が無いので、一人で波の上をプカプカと浮いていました。
だけど、広い広い海の上で、たった一人でポツンといると、淋しくて淋しくて
涙が出てきます。
キューちゃんがしばらく浮いていると、たくさんのカモメさんが
キューちゃんの上を飛んで行こうとしていました。
「あれ?君は明石の海で、貨物船の後ろをクジラ君と一緒に泳いでいた
ペラペラ君じゃないか。どうしてここに一人でいるんだい?」と
一羽のカモメさんがキューちゃんに声をかけました。
「カモメさん、僕は友達のクロちゃんとはぐれてしまったんだよ、うわーん・・・。」
キューちゃんは泣きながらカモメさんに言いました。
「よし。それなら、みんなでクジラ君を探してあげるよ、心配しないで。」
そう言うとカモメさん達は猛スピードで飛んで行きました。
太陽が、キューちゃんの真上に来た頃、遠くで高い高い噴水が上がりました。
そう、クロちゃんが塩を吹き上げて合図をしたのです。
「あ、あれはクロちゃんだ!クロちゃーん!」
クロちゃんがキューちゃんに気付き、やってきました。
「良かった!きゅーちゃん、大丈夫だったんだね。」
「うん。でも、すごーく淋しかったよ。」
またキューちゃんは、クロちゃんの背中にぴったりと貼りついて
クロちゃんと一緒に南へと向かいました。
<続く>
夕方から降り始めた雨は、夜になって段々強くなって行きました。
キューちゃんとクロちゃんは、非難するために小さい島を見つけて、
その近くで朝を待つことにしました。
でも、雨は強さを増し、まるで台風のような風も出てきました。
クロちゃんは、疲れたのかすぐに眠ったけれど、キューちゃんは
台風が怖くてなかなか眠ることが出来ませんでした。
すると、突然、ゴーッと言う大きな音がしたかと思うと、
強い風と共に、大きな波がザブーンと二人を飲み込んでしまいました。
「うわーっ!クロちゃん・・・。」
キューちゃんは、叫ぼうとしたけれど、波に飲まれて声を出すことが
出来ません。
キュ-ちゃんは、暗い暗い海の底に沈んで行ってしまいました。
クロちゃんは眠ったまま気付きません。
キューちゃんは、波に押し流されて、どんどん遠くへ行ってしまいました。
嵐が治まって、キューちゃんが気付いたのは、次の日の朝の事でした。
昇る朝日で海がキラキラと輝き、その眩しい光でキューちゃんは
目を覚ましました。
「ここはどこ?クロちゃん、クロちゃん・・・。」
キューちゃんは、クロちゃんの姿を探しましたが、どこにも見当たりません。
仕方が無いので、一人で波の上をプカプカと浮いていました。
だけど、広い広い海の上で、たった一人でポツンといると、淋しくて淋しくて
涙が出てきます。
キューちゃんがしばらく浮いていると、たくさんのカモメさんが
キューちゃんの上を飛んで行こうとしていました。
「あれ?君は明石の海で、貨物船の後ろをクジラ君と一緒に泳いでいた
ペラペラ君じゃないか。どうしてここに一人でいるんだい?」と
一羽のカモメさんがキューちゃんに声をかけました。
「カモメさん、僕は友達のクロちゃんとはぐれてしまったんだよ、うわーん・・・。」
キューちゃんは泣きながらカモメさんに言いました。
「よし。それなら、みんなでクジラ君を探してあげるよ、心配しないで。」
そう言うとカモメさん達は猛スピードで飛んで行きました。
太陽が、キューちゃんの真上に来た頃、遠くで高い高い噴水が上がりました。
そう、クロちゃんが塩を吹き上げて合図をしたのです。
「あ、あれはクロちゃんだ!クロちゃーん!」
クロちゃんがキューちゃんに気付き、やってきました。
「良かった!きゅーちゃん、大丈夫だったんだね。」
「うん。でも、すごーく淋しかったよ。」
またキューちゃんは、クロちゃんの背中にぴったりと貼りついて
クロちゃんと一緒に南へと向かいました。
<続く>
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