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月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.101 映画「ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド」

2022-11-12 00:09:40 | 映画

公開開始からだいぶ時間が過ぎましたが、ようやく地元までやってきた

「ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド」。

今回も上映期間は1週間で、なかなか時間が合わなかったのですが、

何とかスケジュールを合わせて見に行ってきました。

 

 

予告編を見て大体想像はついたのですが、内容はマニア向けになりますね。

映画監督のポール・サルツマンが、瞑想を学ぶためにインドに向かい、

講演で感銘を受けたマハリシのアシュラムを訪ねます。

しかしながらちょうどその時、招待されていたビートルズがいたため、

なかなか許可がおりず、8日待ち続けてようやく入る事が出来ます。

そこには、ビートルズのメンバーやその時のパートナー、

ビーチボーイズのマイク・ラブやドノヴァンもいたとの事。

サルツマンは下心もなく接したため、ビートルズのメンバーも

自然に振舞っていたといいます。

サルツマンは、その時に数多くの写真を撮っていますが、

その時のビートルズのメンバーの表情が、他ではなかなか見られない

穏やかなものになっていますね。

チラシとかにも使われた写真がすごくいい表情だと思います。

 

 

この映画は、サルツマンとビートルズ研究の第一人者であるマーク・ルイソンが

想い出を振り返る旅をするという構成なので、

ビートルズの映像とかはそれ程多くはありません。

それでも、サルツマンとビートルズのメンバーが接していた時のエピソード等、

興味深いですね。

リバプールのビートルズストリート等も見たことがなかったので

楽しめました。

 

ビートルズがインドにやってきたこの時期は、ベトナム戦争反対で、

世の中が不安定だった時期で、更には信頼していたマネージャーの

ブライアン・エプスタインが若くして亡くなっています。

そんな中、インドに向かったのは安らぎを求めていたのかもしれませんね。

インドでの曲作りの後、「ホワイトアルバム」が発売されますが、

皮肉にも4人のすれ違いがこの辺りから始まったのかもしれません。

ビートルズファン必須とは言えないかもしれませんが、

ビートルズの違う一面を見たいと思うのなら楽しめるかと。


NO.100 ピンクフロイド「狂気」

2022-11-08 21:25:39 | 英国のプログレ

おかげさまでNO.100まで行くことが出来ました。

(NO.0があるので記事的には101になりますが)

記念すべきNO.100は、ブログのタイトルの元ネタになっている

ピンクフロイドの「狂気」です。

 

作品的には、自分がプログレを聴き始める切欠となった

「原子心母」の方が好きですが、

トータル的なアルバムの完成度から言えば、何といっても「狂気」ですね。

アビーロードスタジオで半年以上かけて製作、

200回以上のダビングを重ねてきたといいます。

エンジニアは、アラン・パーソンズ。サンプラーなどなかった時代、

アルバムの効果音を用意して編集していくのは、

かなり大変な作業だったと思われます。

 

ビートルズの「サージェントペパーズ~」と並ぶ

コンセプトアルバムの最高峰といえるアルバムで、

ビルボードのトップ200に700週以上ランクイン、

総売り上げは3000万枚とも5000万枚とも言われる

文字通りギネス級の売り上げを誇るアルバムです。

プログレは売れないと言われる中で、途方もない売上を誇るピンクフロイドは、

やはり別格の化け物と言える存在ですね。

 

内容に関しては、人生の暗部をテーマとしている部分がありますが、

聴きにくいという事もなく、寧ろ物語にスムースに入りやすいのではと

思えるくらいです。自分が好きなのは「US AND THEM」ですが、

内容的にはヘヴィーですね。

 

 

「狂気」が発売されたのは1973年ですが、

1972年ぐらいからライブで演奏されていて、1972年の来日公演では、

すでに演奏されていたようです。長時間にわたる当時未発表曲だった曲に

ライブを見に行った人は困惑したでしょうね。

実はその時の来日公演で、バンドからの強い希望で、

「狂気」の日本語訳を記載した歌詞カードが観客に配られたようです。

歌詞カードのタイトルは、月の裏側-もろもろの狂人達の為への作品-

この事実を知ったのはつい最近の事でした…。

 

「狂気」に関しては、アナログ時代から4チャンネル盤やプロユース盤、

ピクチャー盤等、色々種類がありますが、

CDに関しても20周年記念デラックスパッケージ(売り切れで買えなかった)

30周年記念盤、デラックスエディション等があります。

そして自分が運良く入手出来たCDが、ゴールドCDと並んでレアと思われる

モービルフィデリティ盤CDです。当時はディスクポート西武が

発売していたようで、定価はかなり高いですが、マスターテープを

忠実にデジタル化されているもので貴重ですね。

 

2023年は、「狂気」発売から50年になります。何らかのアクションは

あるでしょうね。楽しみ半分、怖さ半分です。


NO.99 O.S.T「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」完全版

2022-11-03 22:21:15 | アニメ・サントラ系

巷では、10月から放映されている「機動戦士ガンダム 水星の魔女」が

話題になっているようです。

発売されたガンプラは品薄状態となり、11月からはセブンイレブンで

ガンダムフェアが開催され、シーンを盛り上げています。

自分も一度見てみましたが、戦闘シーンは力が入っていて凄いですが、

ストーリー的には、「少女革命ウテナ」(NO.20参照)を

思い浮かんだりする部分があり、ガンダムとはちょっと違うなぁと思ったり。

 

自分にとってのガンダムは、やはりアムロとシャアが出てくる

時代までのものですね。

(まぁパチンコでも有名になったユニコーンは認めてもいいかも)

しかしながら音楽に関しては、出来のいいのがかなりありますね。

特に気に入っているのが、菅野よう子さんによる「ターンエーガンダム」、

これは歴代トップクラスの出来の良さではないかと思います。

作品的には好きではないですが…。「MOON」の美しさは特筆に値するかと。

 

 

後は田中公平さんによる「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」のサントラ。

「震える山」のエピソードで使われた曲がカッコよすぎですね。

 

 

次点は菊地成孔さんによる「機動戦士ガンダム サンダーボルト」の

サントラ。ガンダムにフリージャズはどうかなと思いますが、

ジャズピアニストの大西順子さんも参加していまして、

ガンダム抜きにして楽しめればと思います。

菊池さん曰く、フリージャズ超初心者向けに作ったのだとか。

 

 

横道にそれましたが、自分にとって思い入れのあるのが、

「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」のサントラですね。

三枝成彰さんによる重厚なオーケストラは、映画を盛り上げてくれました。

映画館で見た時に流れたメインタイトルのカッコよかった事。

 

 

最も好きなガンダムは、この映画に出てくるν(ニュー)ガンダムなので、

登場する時の音楽も好きな曲だったりします。

 

 

 

1988年に映画は公開されたのですが、当時はあまりお金もなかったので、

サントラはレンタルで借りて終了。

後に買おうと思ってもいつの間にか廃盤で、久しく再発もされませんでした。

そんな中、2014年にガンダム生誕35周年に合わせて26年ぶりにサントラが再発。

更に初回限定で当時のサントラに加えて、未発表の曲やテイクを集めた盤、

そして映画の進行に忠実に収録した映画本編そのままの音源集の

3枚組での再発がされました。これは当然、速攻で入手しました。

 

細部にも拘りがあり、マスターテープからのリマスタリング、

加藤直之さんによる印象的なジャケットは、

原画からスキャンをし直してます。

 

 

更に完全版のデジパックのトレイ下のイラストは、

書き下ろしイラストを含めた特製のもの。

ブックレットには設定集もあり、ファンには楽しめるものです。

 

 

 

普通の再発ではなく、ここまで拘りのある再発なら歓迎ですね。

値段的にもギリギリ大丈夫かなって所です、

オーケストラが好きな人なら、一度聴いてもらいたい作品とは思いますね。