…聖名は天を仰ぐと、てことはやっぱり一緒じゃなきゃだめか、と口をへの字にして悩む。
そしてその横顔はちょっとやつれている。
でも2人暮らしには耐えてもらうしかないし、ここまで 怪しい人物の接触がないのは幸いだったのだ。
(そういえば 会社のない土曜 日曜はどうすればいいんだろう…)
(ゆうべはあんなにはしゃいでいたのにな)
「じゃあ仕方ない 。2人で行こう」
聖名の決断を聞いて、俺は ふと気づいた。
「もしかして 何か用事があったの? デートとか それだったら…」
「いや オレ今誰とも付き合ってないし」
何だかすごい勢いだったので、びっくりしてしまったが、返って怪しいと思い、それに ショックを受けている自分にも驚く。
「それでは買い出しは一緒にということで、よろしく」
俺も何か言ってやりたくなって、
「トイレにもついてった方がいいですか?」
すると 聖名は大笑いして、
「昼間は大丈夫です」
と、答えてくれた。
「2人とも眠そうですね」
聖名が会議室に行っている間に、 高橋さんから心配そうに言われた。