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還暦おやじの洋楽日記

Love the One You're With / Stephen Stills

またまたスティーヴン・スティルス話の続き。彼が1970年にリリースしたファーストソロアルバムの冒頭を飾ったのが「Love the One You're With」。邦題は「愛への讃歌」。シングルでもリリースされて彼のソロ作品としては最もヒットし、CSN&Yのライブでも定番曲として演奏されて「4 Way Street」や「CSNY 1974」にも収録されたほか、先日の記事に書いた「Demos」でも初期のソロバージョンが取り上げられている。

If you're down and confused
And you don't remember who you're talkin' to
Concentration slips away
Cause your baby is so far away
Well there's a rose in the fisted glove
And the eagle flies with the dove
And if you can't be with the one you love
Honey, love the one you're with

70年代初のCSN&Y名義の作品と言えばアルバム「Deja Vu」とシングル「Ohio」ぐらいしかなかったが、この曲こそが当時のリスナーが思い描いたCSN&Yのイメージに最もぴったりと合致する曲だったのではないか、とずっと思っている。「好きな人と一緒にいられないのだったら、そばにいる人を愛しちゃえよ」という無責任男みたいな歌詞に合わせたノリノリの明るいナンバー。クロスビー&ナッシュの他にリタ・クーリッジやジョン・セバスチャンらが参加した爽やかなコーラスと、そこに切り込むオルガンの音色が印象的。スティルスの曲ならブルージーなのが好きだけど、こういうポップな曲もいいなあ。

ところで、この曲に関しては「自分のソロアルバムに入れるためにCSN&Yへ提供せずに出し惜しみした」説があって、あまりにもCSN&Yっぽい曲だから僕も長年その説を信じていたのだけれど、前回の記事で書いたように「Deja Vu」を制作するにあたって、敢えて前作のようなフォークロック路線を排除したのではないか、という視点で考えてみると、ひょっとしてこの曲はそのために外されたのかも知れない。もしこの曲を「Deja Vu」に入れるとしたなら「Carry On」の代わりの1曲目だったろう。そうなるとこの曲は前作の「Suite: Judy Blue Eyes」の続編みたいな位置付けになって、リスナーに対して既視感を与えてしまったかも。真相はわからないけどね。

(かみ)

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