
二度目は暫しの低迷期を経て「アメリカンバンド」で復活した時期。キーボード奏者を加えて、粗削りなサウンドから計算されたポップ指向のサウンドに変化した結果、「アメリカンバンド」は続く「ロコモーション」とともに全米No.1のセールスを記録した。
その後はまた徐々に低迷して1976年にとうとう解散(その後何度か再結成/解散を繰り返し、現在もバンドは存続中だそうな)。現在は忘れられた存在になっているが、再評価されてほしいバンドのひとつである。
僕は前期の三人組の頃の粗野なグランドファンクのほうが好きだったので、「アメリカンバンド」以降の後期グランドファンクはあまり興味がなかった。もちろんその頃もラジオからさかんに彼等のヒット曲が流れていたのでひと通りは知っていて1974年の「Bad Time(バッドタイム)」も当時耳にしていたけれど、当時の高校生だった自分の心には特に響かなかった(因みにこの曲は全米4位までチャートを駆け上がり、彼等の最後のヒットとなった)。
それが十年ほど前に彼等のベストアルバムを買って聴いていたら、一時期この曲のメロディが頭から離れなくなってしまったのだ。
I'm in love with a girl that I'm talkin' about
I'm in love with a girl I can't live without
I'm in love
but I sure picked a bad time
To be in love. to be in love
But let her be somebody else to scream
I don't wanna know about it
There's too many others
that know what I mean
And that's why I got to live without it
I'm in love with the girl I'm talking about
I'm in love with the girl I can't live without
I'm in love but I feel I'm wearin' it out
I'm in love but I must have picked a bad time
To be in love
A bad time to be in love
歌詞は恋のときめきと悩みを綴ったベタなラブソング。"A bad time to be in love"というフレーズがしきりに繰り返される。そしてメロディは通俗的なのだけれど、麻薬のような常習性があるんだな。暫くしてこのコード進行と旋律は日本の歌謡曲に通じるものがあるのではないか、と思い当たった。
哀愁を帯びたマイナーコードのメロディは日本人の心の琴線に触れる。そう考えると、マーク・ファーナーの曲って「ハートブレイカー」なんかもそうだけど結構、日本人好みのメロディの曲が多いよな。彼にはインディアンの血が混ざっているらしいけど、だからモンゴロイドに訴求するのかな。
この稿を書くためにこの曲を何度か聴き直したのだが、そうしたらまた中毒症状が起きてしまった。今ならこの曲を名曲と認定したい。
(かみ)
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