術て

2006-10-27 04:27:11 | ポエトリー
術という字は
どこか窮屈ではないか
自身の名に不満を持つ少年少女の心

時として好きの延長線上に
比較と競争と憧憬と嫉妬が肩を並べる
そんな恥ずかしさを持参の術

生きる術を君は知っている
生まれるずっと前から
隣人とうまく付き合っている
だから満員電車にも乗る

嗚呼夜に生きる鳥たち
それはそれで
光を見たいと思っている
実際誰よりも知っている

君へのソネット

2006-10-27 03:07:43 | ポエトリー
用意、ドン。と始まる君の笑顔
右目の先には私と共有しない景色がある
喩えばアンリ・ルソーの描いたジャングル

君の夢と希望はブリリアンカットのように実直だ
二人の早すぎた出会いは
その全力疾走に追いつかないかもしれないな

思い出話のつづきに読み聞かせたソネット
その音の振れ幅は携帯のバイブレーションを超えたかな
その輝きは私の心に留まったままかな
その端麗なこと君の鼻に匹敵するよ

いま君の寝息だけが柔らかで時間の流れを伝えてる
そして太陽の訪れを疎ましく思わせる
二人に通り過ぎる言葉たちは
こうして私の憂鬱をほぐしては形成する